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第3章 いざ王都へ!!
第17話 合格通知書
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「ルー君、エミー、学園から書類が届いたわよ。」
ルーズハルトとエミリアは起床と共に、オーフェリアからそれぞれ一通の封筒をわたされた。
そこに記載されていたものは〝王立魔導学園【アグニス】学園長サイファ・グルーラント〟の名前であった。
ルーズハルトたちが試験を受けてから、すでに3か月ほど過ぎており、待ちに待った結果通知であった。
その間ルーズハルトは母オーフェリアに頼み込み魔法制御について学んでいた。
さすがのルーズハルトも試験の内容について納得のいかない部分があった。
まさかあそこで魔力暴走を起こすとは思っていなかったのだ。
そのせいもあり、自宅に戻ってからすぐに懇願し訓練を開始していた。
「ルー君一緒に開けようか。」
「そうだね。じゃあ、せぇ~の!!」
二人は封を解いた封筒から書類を取り出した。
その中には合格通知書と各種入学手続きの書類が添えられていた。
ただ、ルーズハルトの封筒にはエミリアにはない物も入っていた。
それはオーフェリアに宛てた手紙であった。
それに気が付いたルーズハルトは訝しがりつつも、その手紙をオーフェリアに手渡した。
オーフェリアはその手紙を食い入るように読み込むと、一つため息をついていた。
それが何を意味するのが分からないルーズハルトたちは小首を傾げるほかなかった。
「ママ?どうかしたの?」
たまらずエミリアはオーフェリアに問いかける。
それに気が付いたオーフェリアは慌ててなんでもないと言ってはいたものの、あまりいい表情は浮かべていなかった。
これ以上気にしても仕方がないと思ったルーズハルトは、考えをいったん保留にして合格通知書に目を通していた。
そこに記載されていたのは合格の祝辞と入学式の日程、それとクラス分けであった。
「ルー君もAクラス?」
「残念、俺は一番下のEクラス。まあ、試験であれだけやらかしたんだから、入学させてもらえるだけ感謝だよ。」
また一緒に勉強できると思っていたエミリアはなぜか納得のいかない表情を浮かべていた。
当の本人はすでに結果を知っていた為、それほど何か感じることはなかった。
「なんでルー君がEクラスなの⁈だって成績だって問題ないんでしょ⁈」
憤りをあらわにするエミリアは今にも学園長をぶっ飛ばしてやると言わんばかりに、シャドーボクシングを始める。
それを諫めるように、ルーズハルトは気にしていないと告げ、授業以外では一緒に入れるからと何とか矛を収めることに成功したのだった。
「二人とも合格おめでとう。」
「ありがとう!!」
そんなやり取りのあと、朝の畑仕事を終えたルーハスが帰宅した。
それらの書類を目にしていくルーハス。
懐かしさがこみあげてきたのか、ついいらなことを口走ってしまった。
「あいつ元気にしてるかな……」
「あいつって?」
それをたまたま聞いていたルーズハルトは、興味があった。
あまり過去を話したがらないルーハスに、それを知りたいルーズハルト。
つい漏れた言葉にしまったという顔を浮かべてしまったルーハスを、ルーズハルトは見逃さなかった。
「ねぇ父さん。あいつって誰なの?」
ルーハスの袖を引っ張りつつ、上目遣いで聞き出そうとお願いをするルーズハルト。
これについてはエミリアの双子だけあり、あざとさ全開でも様になっていた。
完全に計算付くだが。
「ルー君。あまり人の過去を聞きたがるのは感心しないわよ?」
「分かったよ。」
苦笑いを浮かべるルーハスは、すまないなとルーズハルトの頭を撫でつける。
それが気持ちよかったのか、ルーズハルトは目を細めていた。
「あぁ!!ルー君だけずるい!!」
こんな時だけ勘の鋭いエミリアは、すぐさまルーズハルトと交換で頭をルーハスに押し付ける。
ルーハスも少し困った表情を浮かべつつも嬉しそうにエミリアの頭を撫でつけた。
こんなやり取りがあとどの位でキルのだろうかと、ルーハスは感慨にふけっていたのだった。
「そうか、ルーズハルトはEクラスだったか。まあ、父さんもEクラスだったからあまり気にしなくていいぞ?」
「え?そうだったの?」
ルーハスのカミングアウトに一瞬驚いたルーズハルト。
その驚いた表情が面白かったのか、ニヤニヤとしているルーハスだった。
「そうね、1年の時はあなたEクラスだったわね。それがあれよあれよと、卒業時には序列3位にって。本当にあなたは努力の虫だったわ。」
「いやだって、あいつの隣に立つには努力するほかなかったからね。」
照れともとれるように顔を赤くするルーハス。
だがルーズハルトとしてはそれよりも努力次第でクラスを上げられることの方が興味深かった。
「じゃあ、俺も頑張ればAクラスに上がれるの?」
「不可能じゃない。だがそれだけ難しいことでもある。それを肝に銘じて励みなさい。それとクラスの壁をあまり気にしてはいけないよ?今のクラス分けはあくまでの魔法の進捗状況順だ。2年生になるときにはかなり変わってるはずだからね。」
実体験からなのか、ルーハスの言葉に思いが乗っていた。
〝努力次第でどうとでもなる〟
ルーズハルトにとって忘れられない一言となったのだった。
ルーズハルトとエミリアは起床と共に、オーフェリアからそれぞれ一通の封筒をわたされた。
そこに記載されていたものは〝王立魔導学園【アグニス】学園長サイファ・グルーラント〟の名前であった。
ルーズハルトたちが試験を受けてから、すでに3か月ほど過ぎており、待ちに待った結果通知であった。
その間ルーズハルトは母オーフェリアに頼み込み魔法制御について学んでいた。
さすがのルーズハルトも試験の内容について納得のいかない部分があった。
まさかあそこで魔力暴走を起こすとは思っていなかったのだ。
そのせいもあり、自宅に戻ってからすぐに懇願し訓練を開始していた。
「ルー君一緒に開けようか。」
「そうだね。じゃあ、せぇ~の!!」
二人は封を解いた封筒から書類を取り出した。
その中には合格通知書と各種入学手続きの書類が添えられていた。
ただ、ルーズハルトの封筒にはエミリアにはない物も入っていた。
それはオーフェリアに宛てた手紙であった。
それに気が付いたルーズハルトは訝しがりつつも、その手紙をオーフェリアに手渡した。
オーフェリアはその手紙を食い入るように読み込むと、一つため息をついていた。
それが何を意味するのが分からないルーズハルトたちは小首を傾げるほかなかった。
「ママ?どうかしたの?」
たまらずエミリアはオーフェリアに問いかける。
それに気が付いたオーフェリアは慌ててなんでもないと言ってはいたものの、あまりいい表情は浮かべていなかった。
これ以上気にしても仕方がないと思ったルーズハルトは、考えをいったん保留にして合格通知書に目を通していた。
そこに記載されていたのは合格の祝辞と入学式の日程、それとクラス分けであった。
「ルー君もAクラス?」
「残念、俺は一番下のEクラス。まあ、試験であれだけやらかしたんだから、入学させてもらえるだけ感謝だよ。」
また一緒に勉強できると思っていたエミリアはなぜか納得のいかない表情を浮かべていた。
当の本人はすでに結果を知っていた為、それほど何か感じることはなかった。
「なんでルー君がEクラスなの⁈だって成績だって問題ないんでしょ⁈」
憤りをあらわにするエミリアは今にも学園長をぶっ飛ばしてやると言わんばかりに、シャドーボクシングを始める。
それを諫めるように、ルーズハルトは気にしていないと告げ、授業以外では一緒に入れるからと何とか矛を収めることに成功したのだった。
「二人とも合格おめでとう。」
「ありがとう!!」
そんなやり取りのあと、朝の畑仕事を終えたルーハスが帰宅した。
それらの書類を目にしていくルーハス。
懐かしさがこみあげてきたのか、ついいらなことを口走ってしまった。
「あいつ元気にしてるかな……」
「あいつって?」
それをたまたま聞いていたルーズハルトは、興味があった。
あまり過去を話したがらないルーハスに、それを知りたいルーズハルト。
つい漏れた言葉にしまったという顔を浮かべてしまったルーハスを、ルーズハルトは見逃さなかった。
「ねぇ父さん。あいつって誰なの?」
ルーハスの袖を引っ張りつつ、上目遣いで聞き出そうとお願いをするルーズハルト。
これについてはエミリアの双子だけあり、あざとさ全開でも様になっていた。
完全に計算付くだが。
「ルー君。あまり人の過去を聞きたがるのは感心しないわよ?」
「分かったよ。」
苦笑いを浮かべるルーハスは、すまないなとルーズハルトの頭を撫でつける。
それが気持ちよかったのか、ルーズハルトは目を細めていた。
「あぁ!!ルー君だけずるい!!」
こんな時だけ勘の鋭いエミリアは、すぐさまルーズハルトと交換で頭をルーハスに押し付ける。
ルーハスも少し困った表情を浮かべつつも嬉しそうにエミリアの頭を撫でつけた。
こんなやり取りがあとどの位でキルのだろうかと、ルーハスは感慨にふけっていたのだった。
「そうか、ルーズハルトはEクラスだったか。まあ、父さんもEクラスだったからあまり気にしなくていいぞ?」
「え?そうだったの?」
ルーハスのカミングアウトに一瞬驚いたルーズハルト。
その驚いた表情が面白かったのか、ニヤニヤとしているルーハスだった。
「そうね、1年の時はあなたEクラスだったわね。それがあれよあれよと、卒業時には序列3位にって。本当にあなたは努力の虫だったわ。」
「いやだって、あいつの隣に立つには努力するほかなかったからね。」
照れともとれるように顔を赤くするルーハス。
だがルーズハルトとしてはそれよりも努力次第でクラスを上げられることの方が興味深かった。
「じゃあ、俺も頑張ればAクラスに上がれるの?」
「不可能じゃない。だがそれだけ難しいことでもある。それを肝に銘じて励みなさい。それとクラスの壁をあまり気にしてはいけないよ?今のクラス分けはあくまでの魔法の進捗状況順だ。2年生になるときにはかなり変わってるはずだからね。」
実体験からなのか、ルーハスの言葉に思いが乗っていた。
〝努力次第でどうとでもなる〟
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