28 / 97
第3章 いざ王都へ!!
第3話 未来の英雄たち
しおりを挟む
「みんな、彼らは【赤の隔壁】という冒険者パーティで、私が王都に向かう際は必ずお願いしている冒険者達だ。腕は私が保証するから、この度は安全にこなせると思っていい。」
「やめてくれよハウエルさん。俺たちは新人の頃から世話になりっぱなしだ。これくらいさせてもらわなきゃ罰が当たっちまう。」
エルモンドの紹介にマクスウェルは照れ隠しをしながら、朗らかに笑みを浮かべる。
だがそのあと不意にまじめな顔に切り替わった。
「ハウエルさん、一つお願いがあるんだけどいいか?」
「なんだい改まって。」
そのまじめな表情に何か問題が発生したのかと身構えるエルモンド。
するとマクスウェルはルリに目配せすると、ルリは一つ頷いてこの場を離れていった。
少しすると、ルリは6人の少年少女を連れて戻ってきた。
その子供たちも旅装束に身を包んでおり、冒険者の証であるドックタグを首にぶら下げていた。
「今俺たちが世話してる若い奴らだ。できればこいつらも同行させてもらっていいか?依頼料は今のままで構わないから。」
マクスウェルはそう言うと、エルモンドに向かって頭を下げた。
同様に【赤の防壁】の面々と子供たちも頭を下げる。
「私は構わないよ。次世代の育成も仕事のうちだからね。君たちの弟子ってことだね?」
「たまたま俺たちが指導官を努めたんですよ。で、だったら卒業後もって話になったってわけなんです。そろそろ護衛の訓練も必要だろうと思って。王都までならちょうど良さげだったんです。」
エルモンドの即答にマクスウェルは一瞬戸惑いを見せた。
マクスウェルとしては断られることを前提に頭を下げていたからだ。
基本的に若手を護衛につけるのを嫌がる商人は多かった。
当然トラブルがあった際に対応が遅れる可能性を考慮しての事である。
だからこそこういった機会に経験を積ませて、早く一人前だと保証してやることが必要となってくるのだ。
「私は君たちを信用してるってことさ。よかったら未来の英雄たちを紹介してもらえるかい?」
おどけた口調でにこやかに答えるエルモンドに、少年たちは安堵の表情を浮かべていた。
リーダーらしき少年がルリに背を押されて一歩前に出て挨拶を交わしていく。
「リックです。リーダーをやってます。」
腰にはショートソードをぶら下げ、全身を革鎧をまとう少年。
冒険者となってまだ日が浅いのか、どこかあどけなさが抜けきってはいなかった。
「アイーシャです。風魔導士です。」
旅装束にローブを羽織った少女は、手にした杖をギュッと握りしめており、緊張していることが伺えた。
「ロックです。盾使いです。」
一際ガタイのいい少年は、背にルーズハルトが今まで見たことのない大きさの盾を背負っていた。
「エリーゼですわ。シスター見習いです。どうぞお見知り置きくださいまし。」
エリーゼと名乗っと少女は、それは見事なカーテシーを行っていた。
その姿は貴族と言われとも違和感がないようだった。
これにはエルモンドも感心しており、本物の貴族令嬢では?とルーズハルトは思ってしまった。
「ケ、ケ、ケインです。」
「セインです。」
エリーゼに続いて二人の少年が同時に頭を下げる。
その見た目は髪型が逆なだけで全く同じと言っていいほどであった。
金髪のロングヘアを左右に分けているが、ケインが左分けで前髪で左目が隠れていた。
変わってセインが右分けで前髪で右目を隠していた。
だが、それ以外の違いを見つけるのが難しいほどだ。
二人のメインウェポンは弓の様で、二人とも同じ弓を装備していた。
「あの、ケインさんとセインさんに一つ質問をしてもいいですか?」
ルーズハルトは構成的に弓士が二人いることを不思議に思っていた。
なぜそうなのか気になって仕方がなかったのだ。
「なんでしょう?」
まさか質問が来るとは予想していなかったのか、ケインはきょとんとした目でルーズハルトを見つめていた。
「お二人はなぜ弓をメインいしているんですか?失礼ながら構成を考えると、弓は一名で、もう一人近中距離戦の方がいる方が良いと考えるのですが。」
「お、良いところに目をつけるな。」
ルーズハルトの質問に反応を示したのがマクスウェルだった。
答えたくてうずうずしていると言わんばかりだった。
「この二人は双子なんだが、特性が真逆なんだ。ケインは中長距離から超長距離を得意とした弓士で、セインは近中距離を得意とした弓士なんだ。二人の弓は一見の価値があるぞ。」
「二人を育てたのは私……。マクスウェルが自慢するの違う……とおもう。」
自信満々に答えたマクスウェルはそのガタイの良い身体をすべて使ってどうだと自慢していた。
それに待ったをかけたのがミッシェルだった。
マクスウェルの陰に隠れていたせいで、マクスウェルが歩くとそれにつられて前に出る形になっていた。
どうやらケインとセインの先生はミッシェルだったようで、それが納得いかなかったようだった。
「セインもケインもすごい……。将来私を超える……ともう。」
「「師匠……」」
ミッシェルをそう言うとすぐにマクスウェルの後ろに隠れてしまった。
やはり褒めたことでテレがかってしまい、顔を真っ赤にしていた。
「よろしい、では今日から三日間よろしく頼んだよ?」
「「「「「「はい!!」」」」」」
話を締めるようなエルモンドからの激励に、6人の少年少女は声を弾ませていた。
「やめてくれよハウエルさん。俺たちは新人の頃から世話になりっぱなしだ。これくらいさせてもらわなきゃ罰が当たっちまう。」
エルモンドの紹介にマクスウェルは照れ隠しをしながら、朗らかに笑みを浮かべる。
だがそのあと不意にまじめな顔に切り替わった。
「ハウエルさん、一つお願いがあるんだけどいいか?」
「なんだい改まって。」
そのまじめな表情に何か問題が発生したのかと身構えるエルモンド。
するとマクスウェルはルリに目配せすると、ルリは一つ頷いてこの場を離れていった。
少しすると、ルリは6人の少年少女を連れて戻ってきた。
その子供たちも旅装束に身を包んでおり、冒険者の証であるドックタグを首にぶら下げていた。
「今俺たちが世話してる若い奴らだ。できればこいつらも同行させてもらっていいか?依頼料は今のままで構わないから。」
マクスウェルはそう言うと、エルモンドに向かって頭を下げた。
同様に【赤の防壁】の面々と子供たちも頭を下げる。
「私は構わないよ。次世代の育成も仕事のうちだからね。君たちの弟子ってことだね?」
「たまたま俺たちが指導官を努めたんですよ。で、だったら卒業後もって話になったってわけなんです。そろそろ護衛の訓練も必要だろうと思って。王都までならちょうど良さげだったんです。」
エルモンドの即答にマクスウェルは一瞬戸惑いを見せた。
マクスウェルとしては断られることを前提に頭を下げていたからだ。
基本的に若手を護衛につけるのを嫌がる商人は多かった。
当然トラブルがあった際に対応が遅れる可能性を考慮しての事である。
だからこそこういった機会に経験を積ませて、早く一人前だと保証してやることが必要となってくるのだ。
「私は君たちを信用してるってことさ。よかったら未来の英雄たちを紹介してもらえるかい?」
おどけた口調でにこやかに答えるエルモンドに、少年たちは安堵の表情を浮かべていた。
リーダーらしき少年がルリに背を押されて一歩前に出て挨拶を交わしていく。
「リックです。リーダーをやってます。」
腰にはショートソードをぶら下げ、全身を革鎧をまとう少年。
冒険者となってまだ日が浅いのか、どこかあどけなさが抜けきってはいなかった。
「アイーシャです。風魔導士です。」
旅装束にローブを羽織った少女は、手にした杖をギュッと握りしめており、緊張していることが伺えた。
「ロックです。盾使いです。」
一際ガタイのいい少年は、背にルーズハルトが今まで見たことのない大きさの盾を背負っていた。
「エリーゼですわ。シスター見習いです。どうぞお見知り置きくださいまし。」
エリーゼと名乗っと少女は、それは見事なカーテシーを行っていた。
その姿は貴族と言われとも違和感がないようだった。
これにはエルモンドも感心しており、本物の貴族令嬢では?とルーズハルトは思ってしまった。
「ケ、ケ、ケインです。」
「セインです。」
エリーゼに続いて二人の少年が同時に頭を下げる。
その見た目は髪型が逆なだけで全く同じと言っていいほどであった。
金髪のロングヘアを左右に分けているが、ケインが左分けで前髪で左目が隠れていた。
変わってセインが右分けで前髪で右目を隠していた。
だが、それ以外の違いを見つけるのが難しいほどだ。
二人のメインウェポンは弓の様で、二人とも同じ弓を装備していた。
「あの、ケインさんとセインさんに一つ質問をしてもいいですか?」
ルーズハルトは構成的に弓士が二人いることを不思議に思っていた。
なぜそうなのか気になって仕方がなかったのだ。
「なんでしょう?」
まさか質問が来るとは予想していなかったのか、ケインはきょとんとした目でルーズハルトを見つめていた。
「お二人はなぜ弓をメインいしているんですか?失礼ながら構成を考えると、弓は一名で、もう一人近中距離戦の方がいる方が良いと考えるのですが。」
「お、良いところに目をつけるな。」
ルーズハルトの質問に反応を示したのがマクスウェルだった。
答えたくてうずうずしていると言わんばかりだった。
「この二人は双子なんだが、特性が真逆なんだ。ケインは中長距離から超長距離を得意とした弓士で、セインは近中距離を得意とした弓士なんだ。二人の弓は一見の価値があるぞ。」
「二人を育てたのは私……。マクスウェルが自慢するの違う……とおもう。」
自信満々に答えたマクスウェルはそのガタイの良い身体をすべて使ってどうだと自慢していた。
それに待ったをかけたのがミッシェルだった。
マクスウェルの陰に隠れていたせいで、マクスウェルが歩くとそれにつられて前に出る形になっていた。
どうやらケインとセインの先生はミッシェルだったようで、それが納得いかなかったようだった。
「セインもケインもすごい……。将来私を超える……ともう。」
「「師匠……」」
ミッシェルをそう言うとすぐにマクスウェルの後ろに隠れてしまった。
やはり褒めたことでテレがかってしまい、顔を真っ赤にしていた。
「よろしい、では今日から三日間よろしく頼んだよ?」
「「「「「「はい!!」」」」」」
話を締めるようなエルモンドからの激励に、6人の少年少女は声を弾ませていた。
37
お気に入りに追加
309
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました
雪華慧太
ファンタジー
会社が倒産し無職になった俺は再就職が決まりかけたその日、あっけなく昇天した。
女神の手違いで死亡した俺は、無理やり異世界に飛ばされる。
強引な女神の加護に包まれて凄まじい勢いで異世界に飛ばされた結果、俺はとある王国を滅ぼしかけていた凶悪な邪竜に激突しそれを倒した。
くっころ系姫騎士、少し天然な聖女、ツンデレ魔法使い! アニメ顔負けの世界の中で、無職のままカンストした俺は思わぬ最強スキルを手にすることになったのだが……。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
異世界のんびり冒険日記
リリィ903
ファンタジー
牧野伸晃(マキノ ノブアキ)は30歳童貞のサラリーマン。
精神を病んでしまい、会社を休職して病院に通いながら日々を過ごしていた。
とある晴れた日、気分転換にと外に出て自宅近くのコンビニに寄った帰りに雷に撃たれて…
================================
初投稿です!
最近、異世界転生モノにはまってるので自分で書いてみようと思いました。
皆さん、どうか暖かく見守ってくださいm(._.)m
感想もお待ちしております!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる