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第5章 首都圏解放戦線
100 欺瞞
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「言わないとダメですか?」
俺は、出来る事なら隠したいと思っていた。
面倒事は勘弁してほしいというのが本音だったからだ。
だけど、黙っていてもいずれバレるだろうけど……さてどうしたものか……
加賀谷も自衛隊員としてというよりは、【神の権能】の保有者として聞かざる得ないという状況なんだと思う。
「むろん秘密は約束しよう。」
「なるほど……わかりました。」
仕方がないか……さすがにタケシ君が居ないんじゃ言い訳すら出来ないからね。
「【召喚】」
スキルの発動と共に2つの影が姿を顕わした。
もちろんタケシ君とタクマだ。
タクマはそのままではいられないようで、直ぐに座り込んだみたいだった。
まあ、それは当然と言えば当然か……
それでも身体をかがめているんだから、その巨体の存在感は半端ないだろうね。
「隊長!!いかがなさいましたか!?って、敵襲⁈」
外から加賀谷の部下が声をかける。
その声は焦りを帯びており、今すぐにでも入ってこようとしているのが良く分かった。
「待て!!大丈夫だ!!そのまま警備を続けてくれ!!」
加賀谷も、焦ったように部下に指示を出していた。
さすがの加賀谷も、タクマには驚きを隠せなかったようだ。
その頬には、汗が垂れていたのだから。
『加賀谷一等陸尉……このような姿で申し訳ありません。』
姿を現したタケシ君は、すぐに加賀谷の元へ行き、びしっとした敬礼を決めていた。
俺はその姿を見て、存在が無いとは言え刻み付けられた上下関係とはいつまでも続くんだなと、どうでもいいことを考えてしまった。
「待ちたまえ。君は既にこの世界にいない存在だ。つまり私と君には上下関係は存在していない。そこまでかしこまる必要はないよ。」
『はっ!!』
長年しみ込んだものはすぐさま抜けるはずもなく、タケシ君は気を付けの姿勢のまま微動だにしなかった。
それを見た加賀谷は少し困ったような表情を見せるも、今は何を言っても無駄だと悟り、自衛官風に返していた。
「直れ!!では多田野三等陸曹、現状報告を。」
『はっ!!先程まで我々は通称【ゴブリンダンジョン】に潜入。全階層攻略を完了。最終ボス部屋を攻略後、最下層ダンジョンコアルームを制圧。【ゴブリンダンジョン】の踏破を完了しました!!』
「うむ、ご苦労!!」
『はっ!!』
俺はそんな二人のやり取りを他人事のように眺めていた。
うん、タケシ君ってこうやって見ると自衛隊員だったんだな。
タケシ君と相対していた加賀谷は、俺に補足説明を求めてきた。
さて、どう説明したものかな。
「で、この状況になったことを教えてくれないか。」
「なんて言っていいんでしょうか……。第30層ボスがタクマで、タクマと相対した時にタケシ君が暴走。力に飲まれたって言った方がいいんでしょうか、ほぼ自滅した感じです。死にゆく命を俺が回収したというところでしょうか。タクマは……自分から進んでそうなりましたね。」
俺の話を聞いていた加賀谷は、話の途中から頭を抱えていた。
あれ?一応事実を伝えたつもりだったんだけどな。
伝わらなかったか?
「すまないケント君。今そこにいる大男が、ボスだったという事で良いのか?」
「そうですね。そしてこの存在こそが、おそらく政府が隠したい存在そのものでもあります。いや、政府ではないですね。内閣……総理大臣がですが。」
加賀谷は既に総理大臣自体が【魔王】であることを知っている。
日本人の中でもわずかにしか知られていない事実。
「こっから先は簡単に説明しますね。命を落とした二人を俺のスキルで魂をいじって【召喚獣】にしました。そして【スキルクリエイター】でスキルを作って今に至るって事です。」
もう面倒だからこの説明でいいよな?
ざっくりとしてるけど間違っていないはずだ。
加賀谷を見てみると、なんとも言えない表情を浮かべていた。
今にも耳を塞いでしまうんじゃないかというほど、動揺している感じだった。
だけど、タクマの存在については聞かなくてはならない立場にいるであろう加賀谷は、気持ちを奮い起こしタクマについて質問を重ねてきた。
「今後ろにいる第30層階層主……タクマと言ったか。なぜそれが【召喚獣】になったんだ?そもそも、私には意味が分からんのだが……」
うん、それはそうだろうね。
話した人十中八九そうなるよな。
だって大事な部分は一切話していないから。
これについてはタクマと事前にすり合わせを行い、敢えて話す必要はないだろうという結論に達したのだ。
『ふむ、それについては吾から話そうぞ。簡単だ。ダンジョン内が退屈だったからの。稀にしか来ない人間種と遊ぶよりも、外に出たいと思うのが当然ではないかの?』
タクマの言い分に納得したような加賀谷、何か聞こうとするも、次の言葉を紡げない様子だった。
加賀谷は標的を俺とタクマから、一番話をしそうなタケシ君へ移そうと、視線を移動させていた。
ところがどっこい、それは無理な話だよ。
だってタケシ君はすでに俺の中に戻っているんだから。
残念だったね?
「わかった……これ以上は詮索はしない。しかしだ、私たちは君の味方だ。これだけは覚えておいてくれ。」
「わかってますよ。それと加賀谷さん……。俺はあなたを信用しない。理由は言いませんが、もっとレベルを上げるべきです。では俺はこれで失礼しますね。」
俺は一方的に話を打ち切ると、その場を後にした。
天幕に残された加賀谷が、いったい何を考えているのかは俺には分からない。
ただ自身の失態を後悔しているだろうなとは思った。
それにしても……何が〝私たちは君の味方だ〟だ。
さすがにあれはないよな。
——————
基本情報
氏名 :加賀谷 邦武(かがや くにたけ)
年齢 :ーーー
職業 :陸上自衛隊 東部方面隊 一等陸尉 【魔王軍 諜報部】
称号 :話術士
——————
レベルが上がる前であれば加賀谷のスキル【欺瞞】が機能しておて、俺はその情報を信用していた。
つまり、一ノ瀬さんの仲間内だと言いう事を。
しかし蓋を開けてみた場合は違っていた。
一ノ瀬さんの敵側……つまりは【魔王】側の人間だった。
当初見た時の職業は、自衛隊のみだった。
だけど、今回鑑定して見えたのが【魔王軍 諜報部】。
これを信用しろと言われて、ハイそうですかと信用するほど俺はお花畑じゃない。
「さて、これからどうなる事やら……。自衛隊内もかなりごたごたしてそうだよな。大丈夫かな一ノ瀬さん。」
一人天幕を出た俺は、その足でタケシ君の車に向かった。
しかしそこには車は無く、止まっていた形跡すらなかった。
「あぁ~失敗したぁ~。消滅の遡及効果ってここまで遡るのかよ……」
恐らくタケシ君が消滅したおかげで、そこに関わったこと全てが遡及効果で改ざんされている可能性が高かった。
仕方ない、歩いて戻るとするかねぇ。
——————
「くそ!!せっかくの情報が!!おい誰か!!」
「はっ!!」
荒れに荒れる加賀谷。
今回も難しくない任務だと考えていた。
加賀谷はケントたち【神の権能】の保有者から得た情報を、情報部に伝える事を任務としていた。
そしてそこから得た情報は、今後の【魔王軍】の行動指針ともなる予定だったのだ。
既に【魔王】は【神の権能】の保有者の当りをつけていた。
そしてそれとなく保有者には監視をつけているのだ。
カイリたちにそういった者が付かなかったのは、ひとえに一ノ瀬のおかげだ。
一ノ瀬が先んじて自分の信頼のおける部下をカイリたちにつける事によって、【魔王】からの妨害を阻止した形だ。
「富士駐屯地へ連絡。雛が巣立った。」
「復唱します!!雛が巣立った!!」
「よし!!」
指示を受けた自衛官は、一目散に通信室へ急いだ。
上司より受けた指示を実行するために。
「そういえば彼に名乗り忘れていたな……私は【慈悲】であると……。さて、私も行動に移ろうではないか。」
先程まで浮かべていた焦りは消えており、今は涼やかな表情を浮かべる加賀谷。
それは加賀谷の表情だったのか、それとも……
俺は、出来る事なら隠したいと思っていた。
面倒事は勘弁してほしいというのが本音だったからだ。
だけど、黙っていてもいずれバレるだろうけど……さてどうしたものか……
加賀谷も自衛隊員としてというよりは、【神の権能】の保有者として聞かざる得ないという状況なんだと思う。
「むろん秘密は約束しよう。」
「なるほど……わかりました。」
仕方がないか……さすがにタケシ君が居ないんじゃ言い訳すら出来ないからね。
「【召喚】」
スキルの発動と共に2つの影が姿を顕わした。
もちろんタケシ君とタクマだ。
タクマはそのままではいられないようで、直ぐに座り込んだみたいだった。
まあ、それは当然と言えば当然か……
それでも身体をかがめているんだから、その巨体の存在感は半端ないだろうね。
「隊長!!いかがなさいましたか!?って、敵襲⁈」
外から加賀谷の部下が声をかける。
その声は焦りを帯びており、今すぐにでも入ってこようとしているのが良く分かった。
「待て!!大丈夫だ!!そのまま警備を続けてくれ!!」
加賀谷も、焦ったように部下に指示を出していた。
さすがの加賀谷も、タクマには驚きを隠せなかったようだ。
その頬には、汗が垂れていたのだから。
『加賀谷一等陸尉……このような姿で申し訳ありません。』
姿を現したタケシ君は、すぐに加賀谷の元へ行き、びしっとした敬礼を決めていた。
俺はその姿を見て、存在が無いとは言え刻み付けられた上下関係とはいつまでも続くんだなと、どうでもいいことを考えてしまった。
「待ちたまえ。君は既にこの世界にいない存在だ。つまり私と君には上下関係は存在していない。そこまでかしこまる必要はないよ。」
『はっ!!』
長年しみ込んだものはすぐさま抜けるはずもなく、タケシ君は気を付けの姿勢のまま微動だにしなかった。
それを見た加賀谷は少し困ったような表情を見せるも、今は何を言っても無駄だと悟り、自衛官風に返していた。
「直れ!!では多田野三等陸曹、現状報告を。」
『はっ!!先程まで我々は通称【ゴブリンダンジョン】に潜入。全階層攻略を完了。最終ボス部屋を攻略後、最下層ダンジョンコアルームを制圧。【ゴブリンダンジョン】の踏破を完了しました!!』
「うむ、ご苦労!!」
『はっ!!』
俺はそんな二人のやり取りを他人事のように眺めていた。
うん、タケシ君ってこうやって見ると自衛隊員だったんだな。
タケシ君と相対していた加賀谷は、俺に補足説明を求めてきた。
さて、どう説明したものかな。
「で、この状況になったことを教えてくれないか。」
「なんて言っていいんでしょうか……。第30層ボスがタクマで、タクマと相対した時にタケシ君が暴走。力に飲まれたって言った方がいいんでしょうか、ほぼ自滅した感じです。死にゆく命を俺が回収したというところでしょうか。タクマは……自分から進んでそうなりましたね。」
俺の話を聞いていた加賀谷は、話の途中から頭を抱えていた。
あれ?一応事実を伝えたつもりだったんだけどな。
伝わらなかったか?
「すまないケント君。今そこにいる大男が、ボスだったという事で良いのか?」
「そうですね。そしてこの存在こそが、おそらく政府が隠したい存在そのものでもあります。いや、政府ではないですね。内閣……総理大臣がですが。」
加賀谷は既に総理大臣自体が【魔王】であることを知っている。
日本人の中でもわずかにしか知られていない事実。
「こっから先は簡単に説明しますね。命を落とした二人を俺のスキルで魂をいじって【召喚獣】にしました。そして【スキルクリエイター】でスキルを作って今に至るって事です。」
もう面倒だからこの説明でいいよな?
ざっくりとしてるけど間違っていないはずだ。
加賀谷を見てみると、なんとも言えない表情を浮かべていた。
今にも耳を塞いでしまうんじゃないかというほど、動揺している感じだった。
だけど、タクマの存在については聞かなくてはならない立場にいるであろう加賀谷は、気持ちを奮い起こしタクマについて質問を重ねてきた。
「今後ろにいる第30層階層主……タクマと言ったか。なぜそれが【召喚獣】になったんだ?そもそも、私には意味が分からんのだが……」
うん、それはそうだろうね。
話した人十中八九そうなるよな。
だって大事な部分は一切話していないから。
これについてはタクマと事前にすり合わせを行い、敢えて話す必要はないだろうという結論に達したのだ。
『ふむ、それについては吾から話そうぞ。簡単だ。ダンジョン内が退屈だったからの。稀にしか来ない人間種と遊ぶよりも、外に出たいと思うのが当然ではないかの?』
タクマの言い分に納得したような加賀谷、何か聞こうとするも、次の言葉を紡げない様子だった。
加賀谷は標的を俺とタクマから、一番話をしそうなタケシ君へ移そうと、視線を移動させていた。
ところがどっこい、それは無理な話だよ。
だってタケシ君はすでに俺の中に戻っているんだから。
残念だったね?
「わかった……これ以上は詮索はしない。しかしだ、私たちは君の味方だ。これだけは覚えておいてくれ。」
「わかってますよ。それと加賀谷さん……。俺はあなたを信用しない。理由は言いませんが、もっとレベルを上げるべきです。では俺はこれで失礼しますね。」
俺は一方的に話を打ち切ると、その場を後にした。
天幕に残された加賀谷が、いったい何を考えているのかは俺には分からない。
ただ自身の失態を後悔しているだろうなとは思った。
それにしても……何が〝私たちは君の味方だ〟だ。
さすがにあれはないよな。
——————
基本情報
氏名 :加賀谷 邦武(かがや くにたけ)
年齢 :ーーー
職業 :陸上自衛隊 東部方面隊 一等陸尉 【魔王軍 諜報部】
称号 :話術士
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レベルが上がる前であれば加賀谷のスキル【欺瞞】が機能しておて、俺はその情報を信用していた。
つまり、一ノ瀬さんの仲間内だと言いう事を。
しかし蓋を開けてみた場合は違っていた。
一ノ瀬さんの敵側……つまりは【魔王】側の人間だった。
当初見た時の職業は、自衛隊のみだった。
だけど、今回鑑定して見えたのが【魔王軍 諜報部】。
これを信用しろと言われて、ハイそうですかと信用するほど俺はお花畑じゃない。
「さて、これからどうなる事やら……。自衛隊内もかなりごたごたしてそうだよな。大丈夫かな一ノ瀬さん。」
一人天幕を出た俺は、その足でタケシ君の車に向かった。
しかしそこには車は無く、止まっていた形跡すらなかった。
「あぁ~失敗したぁ~。消滅の遡及効果ってここまで遡るのかよ……」
恐らくタケシ君が消滅したおかげで、そこに関わったこと全てが遡及効果で改ざんされている可能性が高かった。
仕方ない、歩いて戻るとするかねぇ。
——————
「くそ!!せっかくの情報が!!おい誰か!!」
「はっ!!」
荒れに荒れる加賀谷。
今回も難しくない任務だと考えていた。
加賀谷はケントたち【神の権能】の保有者から得た情報を、情報部に伝える事を任務としていた。
そしてそこから得た情報は、今後の【魔王軍】の行動指針ともなる予定だったのだ。
既に【魔王】は【神の権能】の保有者の当りをつけていた。
そしてそれとなく保有者には監視をつけているのだ。
カイリたちにそういった者が付かなかったのは、ひとえに一ノ瀬のおかげだ。
一ノ瀬が先んじて自分の信頼のおける部下をカイリたちにつける事によって、【魔王】からの妨害を阻止した形だ。
「富士駐屯地へ連絡。雛が巣立った。」
「復唱します!!雛が巣立った!!」
「よし!!」
指示を受けた自衛官は、一目散に通信室へ急いだ。
上司より受けた指示を実行するために。
「そういえば彼に名乗り忘れていたな……私は【慈悲】であると……。さて、私も行動に移ろうではないか。」
先程まで浮かべていた焦りは消えており、今は涼やかな表情を浮かべる加賀谷。
それは加賀谷の表情だったのか、それとも……
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