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新たな町へ

692話 三人で

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 さて、今度は俺たちが旅に出る番だ。
 でも、ほぼほぼ日帰りで、泊まりは偶にする予定。
 だけど、屋敷移す拠点を決めるのに何日掛かるやら。
 皆で住める良さげな町や村を探すの大変そうだ。

 事前にマップを確認して、村や町をチェックしてあるけど。
 神さんから教えてもらった町や村は除外してるから、絞り込むのは簡単に出来たけどな。
 永住する場所を探すのは大変そうだし、果たしてそこが住み良い土地になるかは別の話だ。

 

 毎日の点呼を終わらせて、ニングスと、ケイルス君にグレドと話す。

「今日から暫く出掛ける事が多くなるからよろしくな」

「分かっておりますよ。旦那様」
 ニッコリと笑顔を張り付けたニングスが居た。
 な、なに?怖いんだけど。

「なに?ニングス怖いよ」

圧が!

「いえ、何でもございません」

「そ、そう?なら良いけど。後は任せる。それに頻繁には戻って来るよ。寝泊まりは屋敷が良いからね」

「そうですか、ですが」

「なに?ケイルスくん」

「いえ、本当に屋敷は守られてるんですよね?」

 なに、心配なの?

「大丈夫、悪意の有る奴らは結界を通れないし、屋敷に来客なんて来ないだろ?」

 門番を立たせないから心配してるのか? 

「そうですか?それなら良いのですが」

「大丈夫だって、もし人が屋敷に無理矢理入って来たら、防犯で音が鳴るから直ぐに分かる。その時は、モルマンや、ゲイルも居るしだから大丈夫大丈夫」

「はぁ~分かりました。いざと成れば、私も対処しますよ」

 おや?ケイルスくん、腕に自信有り?

「そうか、それなら安心だね。夜には戻るし、なんならカナルを置いて行くから」

「旦那、それはないですよ~」

「ハハ、もしもの話だよ。なら行ってくるぞ!カナル、カシュー俺の肩に掴まれ。っと、その前に渡したネックレスに、魔力流せ。そんで俺に掴まれ」

 二人は、俺が渡したネックレスに魔力を流す。
 すると二人の身体がふわりと浮かぶ。

「う、うお!」 

「だ、旦那様こ、これは慣れないです」

「慣れてくれ、カシュー、それから…カナルは平気……だな。よし行くぞ!ニングス留守は任せた!」

 それだけ行って、俺はカナルとカシューを連れて空に浮かび、目的地へと向かった。


~上空にて~

「旦那様!これは景色が凄いです」

「バカやろうぅぅ、なに景色が!なんて言ってんだよカシュー!」

「なんだ?カナルは怖いのか?」

「そりゃ~怖いですって、旦那の肩から手が離れたらと思うと」

「ハハ、大丈夫だよ、ネックレスにフライが仕込まれてるし。それに認識阻害と、結界を仕込んであるからね」

 そうそう落ちないし。
 低空で飛ぶならスケボーみたいな板を用意するけど、今回はもう少し高い位置を飛んでるからなぁ。
 なんか乗り物考えるか?
 けれど、そんな物の構造を俺は知らんし。箱物は無理に作らない方が良さそうだしな。
 あんまりハイテクなのは、程々にしないと神さんにしばかれそうだしな。

《馬車がハイテク過ぎますが?》

『おぅ、そうだったねぇ。でも空を飛ばないから許せよ』

「そ、それでも怖いですって」

「まあ少しの辛抱だ、我慢してくれ。それにお前が来たいと言ってたんだろ?カシューを見習え!」

 左肩を掴むカシューを見たら、何故かカシューは楽しそうだし。

「なに言ってんですか!カシューは諦めたんですよ!」

「違うぞカナル、俺は受け入れたんだよ。旦那様の規格外をね」

「カシュー、それって酷くない?俺に失礼だ!」

 なに、受け入れたって?

「ハハすみません。しかし、目的地は何処ですか?」

「ああ、ハイセス領の小さな村で、チョトル村へ行こうかと思う」

「チョトル村?」

「……」

「そうそう、そこが目的地」

 はてさて、今度はどんな村かなぁ~。
 トラブル無いと良いけど!

 珍しがられるのは当たり前だから、覚悟はしてるけどね。




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