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新たな町へ
672話 知らない情報
しおりを挟む出した魔物を仕舞って、俺はギルマスと、ヤザンさんに連行される。
着いた先が執務室だ。
そしてヤザンさんさんと一緒にソファーに座ったけど……。
何で、ヤザンさん俺の腕をガッチリ掴んで離さない?
もう座ったんだから離そうよ。
腕が痛いし!
「さて、お前さん」
「あの、さっきからお前としか俺呼ばれて無いんですが。もしかして、ギルマスさん達は俺の名前ちゃんと覚え無いのか?」
「……ハハ、変な所に拘るなお前」
「だから、お前呼びは止めて貰えますか?」
「……済まんな、微かには覚えてるんだが~、言い間違っても悪いかと思ってな」
「なんだギルマス、この兄ちゃんの名を覚えていのか? お前さん耄碌したな。ハハハ」
「煩せぇ!黙ってろヤザン。さて、お前さんの名前は…確か………………………」
「間が長いですよ、ギルマスさん。俺の名前は彰彦ですよ。全く早く帰るつもりなのに」
「そ、そうだった!彰彦だったな。で、彰彦君お前さん、あの魔物の数はなんだ?」
「なんだと言われても、あちこち旅をして狩った物だとしか」
「ハハ、すげぇなぁ~兄ちゃん。あんなに魔物を持っててよ」
「まあ、数だけはあるんですけどね」
肩掛けている、アイテム鞄をパンパンと叩いて見せた。
「はぁそうかよ旅でな。で、あの魔物全部売りもんにしたいのか?」
お、お怒りではなかったのかな?
良かった~、今回も説教コースまっしぐらかと、ヒヤヒヤしたよ。
「だから出したのですがね」
「そ、そうか。だがなぁ~、あの数はちとこっちも厳しいぞ?」
「だな、熊は無理だろ。一体くらいなら行けるのか?」
「おいヤザン、ギルドを潰す気か?」
おやおや、そんなにお高くなるのかな。熊さんは。
これは他の町に持ち込むのは有りか!
良い事訊いた。るん♪
なんて思て、二人の会話を訊いてたらヤザンさんは渋い顔をして、ギルマスに謝った。
「済まねぇなぁ~」
この人、なんだかんだ言ってギルマスにつかかるのは、ギルマスと仲が良いからなんだな。
「では、熊は要らないと?」
「ああ、オークやオーガ。それに、ゴブリンとそれから…コボルトあとはなんだっか?」
「レッドウルフ、サラマンダー。あ、それとボアだな」
「そうそれだ!それなら買い取る」
「その他は買い取れないと?」
「ああ、無理だな。それと数は全部十匹ずつだ」
「分かりました。では、それで買い取って下さい。あっ、それと回復薬を要りませんか?」
エンバルの冒険者ギルドも商業ギルドも欲しがってたし。
ここでも欲しがるかな?
「な、なにぃーーー回復薬だと!」
「ええ、初級と中級、それから数は少なめですが高級もあります」
何せ手作りだ、いくらでもある。
「そ、そんな。お前さん何者んだ?」
「別に、普通の冒険者ですよ?」
「此方の疑問を、疑問系で答えるな!」
「ええ、普通なのに。怒られる筋合いはないですよ」
「まあ、良い。回復薬は助かるんだ、何せ錬金術ギルドが閉鎖しちまって、何処の町でも品薄なんだ」
「それって、各国のギルドが閉鎖してるのですか?」
「そうだ。何せ、王都………アイストリア国の王都にあるのが、錬金術ギルド総本部だからな。そこから各国へギルド支部を配置してるんだ。だがなぁ~本部のギルド…特にギルドマスターが暗躍したらしく、アイストリア国王に何やら悪さしたらしい。詳しくは伝わって居ないが、いきなり各国の錬金術ギルドが閉鎖と決まってしまって、此方としては大騒ぎなんだよ」
「そうなんですね。でも、錬金術師とかはどうしてるんですか?」
「それが………分からんのだよ」
「そう、だから薬が減るのは痛いんだよ」
「だけど、それって世界中の人間が困るんじゃ無いのか? 錬金術師を確保出来ないのか?」
「出来んよ」
「へっ?どうして、錬金術師って各支部に配置されてるんじゃないの?」
「それが違うんだよ」
つか、知らん情報満載!
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