699 / 761
新たな町へ
634話 親子の…
しおりを挟む屋敷に戻って来たニングス親子たち。
ニングスは自分の部屋に息子と二人で部屋に入ったのだが。。
ニングスは自分の部屋の中へ息子と入ると部屋のドアを閉めた。
そして、息子に声を掛けた。
「レクス、ほら、さっさとその荷物を整理するぞ」
「えっ、あっ、うん。父さん……」
レクスは急かされる様に父声を掛けられ慌てて部屋に入るが、レクスは持っていた鞄を床に下ろして部屋を見回すと部屋の豪華さに絶句した。
(なんかこの部屋凄いよね。と言うか豪華過ぎないかな? 本当に父さんは、この屋敷の使用人だよね? なんか…お屋敷も凄かったよな? あっ!あの主と言う人もしかしたら何処かの貴族なのかな?そうしたら…えっ、父さんは貴族の家で働いてるの? …す、凄い…けど聞いてないよ。僕はどんな仕事をさせられるのか。ふ、不安だ)
「おいおい、レクス。お前なにを固まってるんだ。ほら、固まってないで動け! レクス聞いてるか? ほら、このクローゼットは俺とお前の二人で使うから、空いてる場所を好きに使って構わないから。それと悪いのだが、今夜は俺と同じベッドで我慢してくれ。明日にはお前のベッドを用意出来ると思うから。俺と同室が嫌なら後で旦那様に相談するから言ってくれ」
「う、うん…」
「ほら、もたもたしないで早く動け!もうすぐ夕飯の時間だから。ほら荷物の整理が終わったら風呂に行くぞ」
「わ、分かったよ父さん」
レクスは父に言われた通りに、家から持って来た僅かな荷物を鞄から出すと、父に言われた場所に私物をクローゼットの中に入れた。
元々、レクスの荷物は多くはない。
数枚の着替えが入っているだけなのだから。
「父さん、終わった」
「ん?そうか…(随分早いな。まあ、あの鞄の小ささではそんなものか)なら、着替を持って風呂に行くぞ。レクスこの屋敷の風呂は凄いぞ? 馬車の中の風呂とはまた違うからな」
「へ、へぇ~そうなの? じゃあ楽しみだね」
そんな会話をしながら風呂場に向かう親子なのだ。
~風呂場にて~
「「ふぅ~」」
親子二人で湯船に浸かり、ニングスが安堵の溜め息を着いた。
旅の道中も風呂には入っていたが、屋敷の風呂の広さには居心地が良いものを感じる。
(私もこの風呂の良さにすっかりハマってしまったなぁ~)
ここに来るまでの道中で、レクスには風呂のは入方を教えてある。なので、風呂のは入方は合格だが。この風呂の広さに驚いた様だ。ここにも驚いた様子で、部屋同様に風呂の中を見た瞬間に、また固まっていた。まあ、これもそのうち慣れるだろうよ。慣れてくれ。
「父さん」
「なんだ、レクス」
「ここって凄いね」
ここ?ああ、風呂のことか?
「ああ、凄いだろ。並みの貴族屋敷でもこうは凄くないらしいぞ」
「らしいって…なんで? 父さん仕事で貴族と仕事してないの?」
「まあな、貴族の屋敷の中迄は知らんよ。知ってても、応接間の一室位だよ」
「へぇ~そうなんだ」
「そう、商人なんて貴族の屋敷に入れても、応接間一室位なもんだよ」
「……ふぅ~ん」
「商人の頃はな、貴族の類いは余り俺は相手にしなかったからな。だから知らないぞ」
「へぇ~」
「まっ、その内お前にも分かるさ。さて、腹が減った。レクス上がるぞ」
「うん」
ーーーーー
しばらくぶりの投稿でございます。
お待たせしました。
また、ポツポツ掲載しますのでよろしければお読み頂けたらと。
122
お気に入りに追加
1,306
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
成り上がり覚醒者は断れない〜魔王から得た力で自分を虐げてきた人類を救っていく〜
酒井 曳野
ファンタジー
ここはモンスターが湧き出る『ダンジョン』という試練、それらを攻略する『覚醒者』という武器、モンスターとダンジョンから採取できる『魔法石』による恩恵で成り立つ世界。
主人公レイン・エタニアは覚醒者でありながらランクが最も低いFランクの中でも最底辺だった。家族を守る為に活動したが、周りから見向きもされず虐げられ苦しい毎日を過ごした挙句に騙され死の淵を彷徨う事となる。
しかし死の先で出会ったかつての大戦で生き残った魔王に才能を認められ徹底的に鍛えられた。
人類には到達不可能な領域に達したレインはこれまで虐げてきた者たちに復讐をーーとはならず慕う者には慈悲を、敵には容赦しない元来の性格(無自覚)が影響して助けを求める声に手を差し伸べる。
それはやがて世界を巻き込む大いなる災いの最前線へと向かっていく。
これは魔王に認められ力を得た覚醒者が人類を助ける救世主となる物語。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる