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新たな町へ
450話 依頼の報告と回復薬。
しおりを挟むギルマスがニングスに目を向けて話し出す。
「わ、私ですか?」
「あぁ、お前さん前に依頼出してたろ?」
「ええ、そうですが……」
「でな、お前さんの嫁さんの情報が、住んでる村のギルドから直接届いた。向こうではお前さんが言った女性の特徴で、町中探してくれたんだとよ」
「……それはまた」
「まぁ、こんなことは、稀にあるか無いかだな。今回は、情報報酬が良かったからな。それでじゃぁねえの?」
「はぁ……そうでしたか。それで?あれは見っかったのですか?」
「ああ、元気に暮らしてるそうだぞ?」
「ほっ………そうでしたか。それなら……」
「ちょっと待てよ?俺の話しは終わってねぇぞ?」
「え?私が迎えに行けば良いことでは?」
「それがな、そうも行かないんだよ」
「は?なんで……あっ!」
「察したか?勘が良くて助かるが……。向さんもう、再婚してんだよ」
「で、では……こ、子供達は?」
「子供は良くわからんが……存在には、扱われてはないと報告が来た。ほれ、それが報告書だ!」
ギルマスが雑に、ニングスの前に書類を差し出すとニングスはそれを受けとる。
そして、書類に目を通して行く。
これは席を外すかな?
「ニングス、少しここで待っててくれ。俺はギルマスと話があるんだ」
「…分かりました…では、私は少し……」
「ああ、ギルマス。済まないが…?」
「ああ此方で話を聞くよ」
「悪いね?ゲイル行くよ」
「はい」
ニングスを一人部屋に置いて俺達はギルマスの執務室に足を入れる……がなんだこれは!
「ギルマス……なにこの部屋?書類だらけじゃんか!」
「ああ、悪いな……だがよ、ここ最近お前さん狩に出てないだろ?」
「そうだけど……なに?俺の所為なの?これ」
「いや、そうは言わねぇんだがよ…」
「なら言うなよ!ふん」
「ハハハ悪いね。ってことでその辺に、適当に座ってくれよ。書類は汚すなよ?」
汚しはしないが……邪魔だ。
ソファーの上野書類を、纏め揃えてテーブルの上に置くとソファーに座る。
「で、なんだ話って?」
「いや、別に話しはないけど…。ニングスも俺らが居るとなぁ…」
「ああ、気を遣ったと?」
「だよ」
「フフフ、お前さん良い所あるじゃんかよ!」
「ギルマス……俺を何だと思ってる?」
「ハハハ、悪い悪い。で、俺から話があるんだがよ?」
「なに?」
「回復薬な?」
「なに?増やすのか?」
「お前も察しが良いねぇ…?数は増やさなくて良いんだがよ。今までは、三ヶ月に一度の納品を頼んでだがな。すまん、少し日を短くしたいんだが…良いか?勿論必要な薬草は、こっちで出すからよ」
「えぇーーなんで?」
実に面倒なのだが?
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