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新たな町へ

418話 面接開始 7

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 次に入って来たのも女性です……。

《主……》

『黙って……』

 出入り口に立ったまま部屋に入って来ないけど……。
 どうしたのか?

「そこの人、立ってないでそこに来て座って下さい。ですが…旦那様と話しをする気がなければ、そのままお帰り下さい」

「は、はい。ごめんなさい」

 女性は慌てて部屋に入り、空いた椅子にストンと座って俺達を見る。

「あ、あの……」

「なんですか?」

「ほ、本当に住み込みであの金額の、お給金を貰えるの?」

「……先ずは貴女の事を聞かないと、こちらも判断出来ませんよ?」

「す、すみません…………。私……」

「取り敢えず落ち着いてよ?お姉さん」

「は、はい……。こ、子供………!」

「子供じゃないんだけど……カシュー……笑うなよ?」

「ククク。すみません旦那様」

「だ、旦那様……貴方が、ですか?」

「そうだけど、なにか文句でも?」

「い、いえ、ありません」

「まあ、良いけど……。じゃ、名前と年齢に職業教えてよ」

「はぁ……あ、あの!名前とか教えれば、雇ってくれるんですか?」

 人の聞いた事には答えが帰って来ない。

 俺はニングスとカシューの二人と、顔を見合わせてこれはないねと確認……。
 そして、暗黙の了解で三人が頷いた。

「ギルマス!」

 カシューが部屋の外で待つだろうと踏んでギルマスを呼ぶ。

「なんだ?呼んだか?」

「呼びましたよ、この方はお帰り頂いても結構ですよ?」

 にこりと爽やかに笑うニングス。

「そうなのか?」

「ああ、早く次の人呼んでくれ」

「分かった、おい!そこの人、部屋を出てくれ」

「えっ、え、ち、ちょっと待ってよ!あたし未だ何にも聞いてないわ」

「お嬢さん……聞きたいのは、こちらも同じですよ?人の話しは、ちゃんと聞かないとねっ?さ、早く出て下さい」

「嬢ちゃん、だとよ。ほら」

 ギルマスが、女性の肩を叩いて立ち上がらせ、そして部屋の外に出て行って貰う。

「はぁ、なんだ?あれは。ギルマス本当に、ちゃんと人選したのか?」

「ま、まぁ人それぞれ、性格までは把握出来ませんよ?我々もそうでしたでしょ?」

「…そうだったね?でも、今屋敷に居る君達には感謝してるけどね…。俺は」

「それは有難いお言葉ですね。私たちは貴方が主人で良かった。でしょカシュー?」

「ええ、それはもう」

 な、なんとも返答に困るし…照れる。

「お、おう。任せろ?」

 なに言ってんだ?俺は!
 恥ずかしいやり取りをしてると次の人物が部屋に入ってくる。
 次の人も女性の様だ。

「失礼します」

 おや?
 しっかりしてる?
 嫌々騙されないぞ!

 鑑定しながら面接してないんだよね?今回はさ。
 でも鑑定しながら、面接しないと駄目かね?

「どうぞ座って下さい」

「はい、失礼します」

 用意された椅子にストンと座り、ちゃんと膝を付けて座ってるね。
 なんか日本にいた頃の会社面接みたいだ(笑)

「お名前と、年齢に職業を教えてください」

「はい、名前はセリナです。年は29才。職業は…メイドでした」

「メイド……?辞めてきたのですか?」

「ええ、そんなところです」

 メイドってそんな気楽に辞めれるのか?

《なにか不祥事でも起こして、辞めさせれられるか。その家が潰れたか、理由は色々あります》

『ふぅ~ん』

「辞めて来た理由は聞いても?」

「はい、ある貴族のお屋敷にお勤めしてましたが。私が使えていた主人が、亡くなってしまい。お屋敷の方で、私の配置替えをしていただいたのですが。暫く勤めましたが、どうにも新しい主人と、馬が合わずにお暇を頂きまして。実家に近いこの王都に来ました。そして、住む場所も職もなく困っていたところに、こちらの募集を目にしました」

「そ、そうですか。今は何処に?」

「宿屋にて寝泊まりして居りますが、そろそろ仕事を決めないと。金銭的に」

「王都の宿屋は1泊いくらするの?」

「え?それは必要な情報ですか?」

「まぁ、良いけど?で…家にくるのなら、君より年下の先輩が居るけど。その者の、言うことは聞けるかな?」

「私より下ですか?」

「そう、例えば俺は16才で、君の主になる俺とか?それと君の同僚には、15才のメイドと門番が居るけど?」

「………それは、先輩ですから尊重はします。それとご主人様が幾つでも、給金が払えるならお仕え致します」

「………っ!旦那様の……」

「カシュー良いよ、大丈夫。別に気にしないから。そうかなら、別室で待っててよ」

「はぁ、では失礼します」

 スッと立ちがって部屋を出ていった。
 その後…残った人達の面接も終わらせる事が出来た。


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