475 / 761
新たな町へ
418話 面接開始 7
しおりを挟む次に入って来たのも女性です……。
《主……》
『黙って……』
出入り口に立ったまま部屋に入って来ないけど……。
どうしたのか?
「そこの人、立ってないでそこに来て座って下さい。ですが…旦那様と話しをする気がなければ、そのままお帰り下さい」
「は、はい。ごめんなさい」
女性は慌てて部屋に入り、空いた椅子にストンと座って俺達を見る。
「あ、あの……」
「なんですか?」
「ほ、本当に住み込みであの金額の、お給金を貰えるの?」
「……先ずは貴女の事を聞かないと、こちらも判断出来ませんよ?」
「す、すみません…………。私……」
「取り敢えず落ち着いてよ?お姉さん」
「は、はい……。こ、子供………!」
「子供じゃないんだけど……カシュー……笑うなよ?」
「ククク。すみません旦那様」
「だ、旦那様……貴方が、ですか?」
「そうだけど、なにか文句でも?」
「い、いえ、ありません」
「まあ、良いけど……。じゃ、名前と年齢に職業教えてよ」
「はぁ……あ、あの!名前とか教えれば、雇ってくれるんですか?」
人の聞いた事には答えが帰って来ない。
俺はニングスとカシューの二人と、顔を見合わせてこれはないねと確認……。
そして、暗黙の了解で三人が頷いた。
「ギルマス!」
カシューが部屋の外で待つだろうと踏んでギルマスを呼ぶ。
「なんだ?呼んだか?」
「呼びましたよ、この方はお帰り頂いても結構ですよ?」
にこりと爽やかに笑うニングス。
「そうなのか?」
「ああ、早く次の人呼んでくれ」
「分かった、おい!そこの人、部屋を出てくれ」
「えっ、え、ち、ちょっと待ってよ!あたし未だ何にも聞いてないわ」
「お嬢さん……聞きたいのは、こちらも同じですよ?人の話しは、ちゃんと聞かないとねっ?さ、早く出て下さい」
「嬢ちゃん、だとよ。ほら」
ギルマスが、女性の肩を叩いて立ち上がらせ、そして部屋の外に出て行って貰う。
「はぁ、なんだ?あれは。ギルマス本当に、ちゃんと人選したのか?」
「ま、まぁ人それぞれ、性格までは把握出来ませんよ?我々もそうでしたでしょ?」
「…そうだったね?でも、今屋敷に居る君達には感謝してるけどね…。俺は」
「それは有難いお言葉ですね。私たちは貴方が主人で良かった。でしょカシュー?」
「ええ、それはもう」
な、なんとも返答に困るし…照れる。
「お、おう。任せろ?」
なに言ってんだ?俺は!
恥ずかしいやり取りをしてると次の人物が部屋に入ってくる。
次の人も女性の様だ。
「失礼します」
おや?
しっかりしてる?
嫌々騙されないぞ!
鑑定しながら面接してないんだよね?今回はさ。
でも鑑定しながら、面接しないと駄目かね?
「どうぞ座って下さい」
「はい、失礼します」
用意された椅子にストンと座り、ちゃんと膝を付けて座ってるね。
なんか日本にいた頃の会社面接みたいだ(笑)
「お名前と、年齢に職業を教えてください」
「はい、名前はセリナです。年は29才。職業は…メイドでした」
「メイド……?辞めてきたのですか?」
「ええ、そんなところです」
メイドってそんな気楽に辞めれるのか?
《なにか不祥事でも起こして、辞めさせれられるか。その家が潰れたか、理由は色々あります》
『ふぅ~ん』
「辞めて来た理由は聞いても?」
「はい、ある貴族のお屋敷にお勤めしてましたが。私が使えていた主人が、亡くなってしまい。お屋敷の方で、私の配置替えをしていただいたのですが。暫く勤めましたが、どうにも新しい主人と、馬が合わずにお暇を頂きまして。実家に近いこの王都に来ました。そして、住む場所も職もなく困っていたところに、こちらの募集を目にしました」
「そ、そうですか。今は何処に?」
「宿屋にて寝泊まりして居りますが、そろそろ仕事を決めないと。金銭的に」
「王都の宿屋は1泊いくらするの?」
「え?それは必要な情報ですか?」
「まぁ、良いけど?で…家にくるのなら、君より年下の先輩が居るけど。その者の、言うことは聞けるかな?」
「私より下ですか?」
「そう、例えば俺は16才で、君の主になる俺とか?それと君の同僚には、15才のメイドと門番が居るけど?」
「………それは、先輩ですから尊重はします。それとご主人様が幾つでも、給金が払えるならお仕え致します」
「………っ!旦那様の……」
「カシュー良いよ、大丈夫。別に気にしないから。そうかなら、別室で待っててよ」
「はぁ、では失礼します」
スッと立ちがって部屋を出ていった。
その後…残った人達の面接も終わらせる事が出来た。
25
お気に入りに追加
1,305
あなたにおすすめの小説
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
ダンマス(異端者)
AN@RCHY
ファンタジー
幼女女神に召喚で呼び出されたシュウ。
元の世界に戻れないことを知って自由気ままに過ごすことを決めた。
人の作ったレールなんかのってやらねえぞ!
地球での痕跡をすべて消されて、幼女女神に召喚された風間修。そこで突然、ダンジョンマスターになって他のダンジョンマスターたちと競えと言われた。
戻りたくても戻る事の出来ない現実を受け入れ、異世界へ旅立つ。
始めこそ異世界だとワクワクしていたが、すぐに碇石からズレおかしなことを始めた。
小説になろうで『AN@CHY』名義で投稿している、同タイトルをアルファポリスにも投稿させていただきます。
向こうの小説を多少修正して投稿しています。
修正をかけながらなので更新ペースは不明です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる