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新たな町へ
406話 お前も悪………ちがうか……(笑)
しおりを挟む書き上がった張り紙の貼る場所をニングスと二人で相談し悪巧みをする。
「ニングス君、何処にこれを貼るかね?」
「…く? オホン…失礼しました。それでしたら、そうですねぇ…目立つ場所が良いですね。このルールですと、仕事をサボる者を見つけることが容易になりますねぇ…ふふふっ」
「だろう? ふふふっ、これは今日の朝から!つまり今から執行だぞ!」
「「フフフッ」」
「それは……意地がお悪いですねぇ」
「ニングス…お前もな?」
「いえいえ、旦那様程では。ククク」
なんだか悪代官と、越後屋みたいな会話をしてるが……良く考えると恥ずかしい。
「さて、貼りに行くぞ」
「私も行きましょう!」
ニングスと連れ立って、二階に上がる。
二人でどの辺りに、張り紙を貼るかを検討して貼る位置を決めた。
「フム…ニングスくん、ここで良いかね?」
「そうですねぇ~、やはり水回りがある場所ですから。ここなら、必ず目に入りますからね!」
見ない人は居ないかと。
といって太鼓判を押してくれたぞ!ふふふっやはりここだよなぁ~。
「そうか?なら、ここに貼るぞ!ニングスそっち押さえててくれ。今こっちを先に貼るから」
「こ、こうですか?」
「そう、そこで良いよ」
暁彦は鞄から画鋲を出して、四角に画鋲を差し込み満足してニンマリする。
「よしできた!さて、俺も朝飯にするかな?」
「ええ、そうして下いませ」
ニングスと食堂迄下り、暁彦は自分の食事を取りに厨房へ向かい料理を取ると、トレーに乗る料理を持ち食堂へ戻り食事を始める。
そうして、食べ終わる頃にケイト達がバタバタと騒がしく食堂へやって来て、俺の顔をみたとたんに文句を言って来た。
「旦那!なに、あの洗面所の張り紙は!」
「……なにケイト、文句の前に挨拶」
文句を言って来るケイトの顔を見ず、目の前に有る料理を黙々と食べ進める暁彦。だが、一応はケイトの声に耳を傾けてるので、ケイトからの挨拶が無いと声を落として叱咤する。
「あ、おはようございます」
「はい、おはよう?三人お揃いで、遅いご起床だな? 今日はグレドの旅立ちの日だったんだが、お前ら忘れたか?」
「「「あ!」」」
「そうでした……グレドは?」
「当の昔に発ちましたよ。あなた方は、随分と冷たいのですね?」
「ニングス……そんなことはないよ」
でも事実なんだなぁこれが……。
「それでな? 余りにもお前達三人の行動が(特にイリヤ)目に余るのでな? あの張り紙を貼ったが何か?」
「え~ぇ!マジですかい?旦那ぁ~」
「え~ぇ!」
「……」
情けない声を出すケイトそれと、イリヤお前はどの口が云うんだよ!
ふん自業自得だよ。
だが…マイナはショックで黙りかな?
「そうマジだ。ああ、あれは今日から執行するからな。三人共、この箱に一人銀貨三枚ずつ入れろ!」
「ええ!それはないよぉ~。聞いてないしぃ~」
マイナさん……言葉遣い!
「イリヤ……おまえは?どの口が云うのかな?」
「…その…あたしもかい?旦那……」
「ったり前だろうがよ!せめて、カシュー達が起きる少し前には起きろよ。今までグレドが何時に起きて、お前らの飯を作ってたと思うんだ!俺が屋敷を離れがちなのを、良いことに弛んでるだろ」
畑だって朝採りする野菜は有るだろうがよ!
それも仕事、お し ご となんだよ!
「………分かりました。後でお金入れて置きますよぉ~」
「イリヤも、分かったな!」
「…はい」
「でも……時間が分からない」
「時計がなかったか……。なら、これを渡すから使えよ。置時計を各部屋に置くから」
「それなら、なんとか頑張れる?」
「る?なに、その疑問系な返事はマイナさん?」
「え、えぇっとぉ……」
「まぁ決まったことだから!守れよ」
「えぇ!本当にかい」
「なに?ケイト文句があるなら聞くぞ?」
「だって今までそんなこと……」
「今迄は、グレドが食事の支度をしてたんだ!奴は仕事はちゃんとこなしてたぞ?」
「あたしらだって、ちゃんと外で仕事してるわよ!寝坊ぐらいで……」
「なら、元の場所に戻るか? 俺は、お前らがいなくても暮らせるからな」
「そ、それは……」
「誰が主か、忘れてないかお前ら?」
「………」
「奴隷に戻って、無給で使い潰されたいなら。他の貴族にでも買って貰えばいいよ。それにケイト、足の治療費はしっかり貰うぞ」
「も、申し訳ありません旦那様。それだけは勘弁してください。あたしが悪かった」
「そう?なら、頑張って仕事をしてよ。俺朝採りの野菜食べたいなぁ。あと、イリヤも同じだからね君は。屋敷の掃除の他に庭も掃除してね?落ち葉とか?色々掃除する場所は多いだろ」
「は、はい……」
「マイナ…は、ま、頑張れ」
「むぅ………酷い」
「ハハハ。なら、飯食って仕事をしてくれ」
「「「分かりました」」」
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