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新たな町へ

397話 食糧補充

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「旦那様、少し宜しいですか?」

「いいよ、なに?」

「旦那、人を雇う時に俺は居なくて平気か?俺そろそろ、ここを出たいんだがな?」

「そんなん良いよ、気にしなくても。早く行かないと季節が変わるだろ?こっちに冬ってあるのか分からないけど……。この辺って寒くなるのかな?」

「さぁ、私もこの国の出身ではないので……。でも、確か寒くなる筈です。あそこに居た頃は、寒い思いをしましたから」

「そう……なら急いで行った方が、良いんじゃないのかな?」

「そ、そうか?なら明日の朝早く出たいが良いか?」

「いいよ?なら、今夜はご馳走にするか?」

「え、毎晩ご馳走食べてますから、普通でいいですって!」

「そう?なら普通にか……。それよりクレド、ちゃんと食糧持ったの。金は……足りるの?」

「金は旦那から貰った給金でなんとか……。食糧は、少し心許ないな」

「なら、厨房に行こうか?俺の手持ちを渡すからさっ!それに俺も補充しょうかな」

「補充ですか?手伝いは……」

「いいよ!俺が一人でやった方が早いし。ほら、行くよ!ニングスも来なよ」

「畏まりました」

 そして、三人で厨房に入り手持ちの料理を次々出して渡していく。それとネットから食パンと、ロールパンを出して渡す。

「だ、旦那こんなにですかい」

「こんなにだよ、行きは一人でしょ?帰りは?食べ盛りの子供居るんでしょ?」

「い、居るが……こんなに……」

「ま、あって困るもんでもないでしょ?まぁ、安全に気を付けて早く帰って来てよ」

「こっちで住む部屋も探すんでしょ?」

「そ、それはそうだがな」

「さて、俺はチャチャっと料理をしちゃうけど、どうするの?グレドは、最後の夕食作りだよね」

「作りますよ!今夜が最後ですからね!それに明日の朝飯も作って置きますから。でもそれは、もう少し後にします」

「そう?なら宜しく」

 なら、俺は先に補充の料理を作るかな?

 大方飯は渡したから……揚げ物から作って行くかな?

 案外定番の物を作っていく……。
 煮込みに、炒め物に、焼き物に……スープ類と各種それからサンドウィッチに、おにぎり。
 これくらいかな?

「ふぅ~出来上がりだな」

「旦那様……お見事です。どれも美味しそうでしたね?」

「そう?ここで食べてるのと変わらないだろ?」

「そうですが……グレドの作った物と旦那様の作った物とでは少し、違いますから」

「そう……か、同じだろ?」

 出来上がった料理を仕舞って行きながら話しをニングスとする。

「それよりさ、もしかしたら子供がここに通いで働きに来るかも」

「ああ、先程すれ違った子供ですか?」

「そう、13才なんだってさ。神殿の孤児院の子供で……ここで仕事したいんだってさ」

「雇うのですか?」

「ん~分からないな。子供を面倒みてるシスター次第だね」

「それは?」

「承諾書を持たせたからね。それにシスターの、サインがあれば雇うかな……。仕事はいくらでもあるからね」

「まぁ、そうですね……。畑に、屋敷の清掃にですかね?」

「まぁ、後は算学を教えても良いかな?」

「それは?」

「だって、これから働くなら字も読めれば、越したことはないだろ?時間は掛かるだろうけどさ。なんならゲイルと年が近いから、一緒に学ばせても良いだろ?」 

「ですが……誰が教えるのですか?」

「…………」

 にっこり笑ってニングスを見る。

「え?私ですか」

「そうそう、頼むね?」

「………はぁ、まっ時間も有りますからね……」

「そうそう宜しく。俺も偶に見るからさ?後ゲイルは………希望しないなら、無理に教えなくて良いから」

「…………なんでですか?」

「だって本人が希望しなければ、教えても覚えないし、逃げるぞ?」

「そういう物ですか?」

「そういう物だよ。だからね子供だけでも頼むね。簡単な足し算と引き算に、字が書ければ困る事はないでしょ?ま、それもあのシスターからの許可を貰ってからだけどね?」

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