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新たな町へ

386話 使用人達の話し

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 食事の時間を使ってみんなに人を雇い入れるかと確認……と言うか……。

 宣言と言うか……なんだろうか?

 うん!確認だな。

「なら……取り敢えずは、そう言う事で良いかな?」

「ああ、構わねぇぞ」

「グレドは、何時行くんだ?」

「ん~支度があるからな、明後日には出るよ」

「そうか、なら早速募集を頼んで来るよ。カシュー明日ギルドに付き合え」

「分かりました」

「よし……で?みんなは食事は終わったのか?」

「「「はい!」」」

「「「「「「「なら、ごちそうさまでした」」」」」」」

「さて旦那、お茶はどうするよ?」

「今日はいいや、みんなも好きにしてて。じゃおやすみ」

「はい!おやすみなさい」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 使用人達………side…………。



「おい、グレド本当に行くのか?」

「おお、留守は任せたぞ?特にあの旦那の身辺には、気を付けてな?カシュー、カナル」

「任せろ!あのしつこい執事は、絶対に寄せ付けないぜ!」

「それと……新しく雇うと言ってたろ?そいつらにも気を付けろよ?この屋敷は……宝の山だ。変な奴が入って来たら………ゴタゴタするぞ?」

「分かってるって!」

「多分俺は半年、ここに戻って来れねぇだろうからな」

 グレドが半年と言うと、イリヤが悲しそうな顔をする。

「グ、グレドさん……そんなにですか?」

「おう、そんなにだぞ!イリヤにマイナもケイトも、頼んだぞ?厨房は。本当は、お前達に任せたかったんだが。お前ら、壊滅的なセンスしてやがるから……、せめて旦那に負担を掛けるなよ?」

「わ、分かってるわよ、そんなんはさっ!」

「だ、旦那様の料理には、敵わないし……。グレドの料理にも追い付かない」

 と、落ち込むマイナだった。

「ま、マイナ……それは言わない約束だよ!」

「えっ どうして?敵わないのは事実だよね?」

 マイナがこてんと頭を傾げる。

「くぅ~!あんたボケッとしてるけど、偶にグサッと来ることを言うんだから!」

「えっ なに?」

「まぁ、まぁ、ケイト……事実………だし」

「ほ、ほら、貴女方……そろそろ厨房で練習してきなさい。せめてお茶の入れ方ぐらいは覚えてください。それと……物を壊さない様にしてください」

「ニングス………あんたもお茶の入れ方覚えなよ!」

「わ、分かってますよ!(やぶ蛇でした……突っ込まなければよかった……)」

「ハハハ!全く、良かったよなぁ~。俺らの主人があの人で……」

「全くだ。けど、俺あの人に借金作ちまって……。金を、全額返せるのかわからん」

「まあ、破格の給金が出てるんだ!返せるだろうよ?だけどあの人、屋敷内にグレド達一家の住む部屋も、造ちまうんじゃないのか?ハハハ」

「か、カナル……それは、洒落にならん。本当に造りそうだから、それだけは言うなよ?」

「そうだよ!あの人は、人が良すぎるんだから……ね!」

「ゲイルもそう思うのか?」

「うん、思う……。人が良すぎる。俺……心配だ!」

 15才の子供に心配だと、言われる暁彦…。
 こんな会話を暁彦が聞いたら、激怒しそうだ。
 
「だ、だけど俺には、外で部屋を借りて云々と言ってたぜ?だからそこまではしないだろ?それに屋敷には、土地も場所もないぞ?」

「「「「「「「あ!それも」」」」」」そうか?」

「なら、大丈夫だな!」

「しかし、グレド気を付けて旅しろよ?」

「大丈夫だ!旦那からは結界石を預かってる。これには、認識阻害も付与もしてあるそうだ。それと、マジックバックに水の魔石も借りてる」

「至れり尽くせりだな!グレド。……それに、あの馬車か?」

「そうだ!あの馬車だ!かみさんも、子供達も喜ぶよ」

「そうか……会えるのが、楽しみだな?」

「おう、だからみんな……任せたぞ?」

「「「「「「「おう!」」」」」」」

 使用人達のこの会話は暁彦には、伝わる事がない。だから安心して………使用人達は話しを続けるのだった。

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