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新たな町へ

290話 ギルマスが訪ねて来た訳

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「旦那様……」

「なに、ニングス?」

「いえ、中々意地が悪いな?と、思いまして……」

「何処がよ!俺を囮にして悪い奴らを引っ捕らえるとか言いだしたんだぜ?」

「それは、私には訳が分からないので。なんとも……」

「ああ、そうだっったよね?俺さこの屋敷買う前に町の……噴水がある広場の近くで宿借りてたんだけどね?」

「はぁ……?」

「宿のオーナにね………よっと」

 鞄から鷲置物を取り出して、ニングスにそれを見せながら再び説明をする。

「これ、これが売れるか聞きたくて。宿のオーナーに話を聞きに行ったら、商業ギルドのマスターを紹介して貰えると言ってな………」

「はぁ……旦那様……申し訳ありませんが。こちらの置物……触っても?」

「お、おぉ良いけど……?」

 話の途中だぞぉ~!

「旦那様……これはどちらで?」

 置物を持ち上げなから何処で手に入れたのかを聞いてくる。

「え、俺の手作りだけど?」

「は?手作り……ですか?(これを?旦那様が?)」

「なに?なんか文句でも?」

「あ!いえ、飛んでもございません!実に見事な置物だと思いまして……」

「そうなの?」 

「ええ、これは売れますよ?!そうですね……大金貨数枚で必ず売れます!オークションにもでも出せば……もっと高く売れるのでは?」

「そうかぁ……売れるなら、売りたいんだけどさ!」

「商業ギルドのマスターがなにか?」

「あぁ、それね。それがさっ!俺の姿見たとたんに、態度変えやがって!俺を買うと良いやがった!しかも、あ………お前には……」

「あぁ、大丈夫ですよ?お気になさらず?」

「すまん……奴隷商人に売れば金になると言いやがった!本人目の前にしてな!」

 危うく売られる所だったぜ!

「そ、そんな!ギルトマスターがですか?」

「あぁ、だから。冒険者ギルドの、あの人だが……マスターに、助けを求めてこの屋敷を買ったんだよ」

「(それもまた、飛んでもない話ですが……)そうでしたか……それで、何で助けを求めたのに囮に等と……?」

「普通商業ギルドの、ちゃんとした組織のマスターだ。そんな馬鹿げた事をしたら、身の破滅なのは分かってる筈だと、お偉いさんは思うだろ?」

「はぁ……まぁ、そうですよね?ギルドのマスターになるのも、色々大変だと聞きますし」

「そうそうだから、馬鹿な話だと言って、上が取り合わないんだろうね?だから、足が掴めないから俺に囮と言う話だよ」

「あぁ、そういう事でしたか。そうですねぇ~権力持ってるのなら秘匿、隠蔽はお手の物で。人を騙すのなんて直ぐに出来ますか……」

 おお、ちゃんと分かるか……まぁ騙されたと、言ってたからね。
 ニングスと、そんな話をしていたらギルマスがエントランスで何やら俺を呼んでる。

「な、なにやら旦那様、呼ばれてませんか?エントランスの方が騒がしいですよ?」

「そうみたいだね?まったく!あの人本当に直ぐ騒ぐんだよなぁ~」

 ウザイったら!

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