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新たな町へ
閑話 愚痴?
しおりを挟む自分の素性が素手に、冒険者ギルトのギルマスに知られ。そしてその素性を、騎士団に報告されているとは。全く想像もしていない商業ギルドのマスターは?ニヤニヤしながら、ドレイドが経営する宿屋まで出向き、宿のフロントで宿主を呼び出す。
「よう!客は入ってるかよ?ドレイド!」
「今日はどうしましたか?今は時期的に落ち着いてますからねぇ~。そう客はこないですよ?で!何の用ですかね?キングス」
ギロリと、商業ギルドのギルマスであるキングスを睨み付ける。
「別に用って訳じゃねぇんだがよ!お前知ってるか?」
「なにがです?」
「神殿近くに、デカイ屋敷が在ったろ?」
「屋敷ですか、それがにか?」
在りましたかね?そんな屋敷は、余り神殿近くに用がないし。
出向く事はしないので……記憶にないですね?
「それがよ!昨日辺りからそのボロ屋敷が、変だと手下から聞いてよ?俺も様子を見に行ったらよ、なんと!あのボロ屋を囲む塀が綺麗に成っててな?屋敷が覗けなくなっちまってんだよ」
おかしいよなぁ~。
おもしれぇよな?と言うが………また何か企んでるのかと………呆れる。
「そう言われましてもね?私には関係ないですね?さぁ、私はこれから仕込みなんですよ!帰って下さいよ」
「ま、そう言うなよ?あの場所を、どこぞの金持ちが買ったとしてよ?そいつが貴族、もしくは商人だったら、こっち側に引き込むのも面白いだろ?」
「………貴方また、引き込んで潰す気ですか?」
「何だよ!俺が悪党見たいじゃねえかよ?俺は、あの商人に旨い話を、紹介してやった嵩だろ?後は商売が上手く行くか、行かないかなんて……運次第だろ?フフフ」
と、悪い笑みを浮かべる。
嘘をつけと、内心思うが。
キングスを怒らせて、此方に被害を出す訳にも行かないので、敢えて深く聞かないが。
全く、悪い知り合いを作って仕舞ったと後悔をする。
だが、今更なので言わない事にする。
ですが………巻き込まれない様に気を付けないと行けませんねぇ?火の粉を浴びない様に気を付けないと。
「それで?私にそんな話をして、どうしたいのですかね?」
「いや、愚痴だよ!愚痴。今その屋敷を買い取った人物を探ってんだがよ!あの屋敷の管理が冒険者ギルドの管轄なんだが……。中々管理をしっかりしてやがって、買い取った奴の情報が盛れて来ねぇ~ったく」
がっちり管理しやがってと、頭をガシガシと掻く。
「私に、それを言っても仕方ないでしょ?それに、私に文句を言われても困りますよ?愚痴なら別の場で言ってくださいよ?」
全く私は忙しのだ!巻き込まれるのはごめんだ!
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