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新たな町へ

120話 カレーパスタ

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「ま、まぁ……気にせず使ってくれ、それはあげるから。その代わり、絶対誰にも見せない様にね?」

「分かった!ありがとう。でも…これは便利だな」

 パトリックが何やらメモ帳に書き出した。

「さ、さてこっちは、今から作るよ」

 オニンをみじん切りに切っていく、終わったらフライパンに油を入れて、オニンが透明になるまで炒めその中に小麦粉を少しづつ入れていき炒める。

 オニンと小麦粉を炒めたフライパンに今度は調合したカレー粉を入れて更に炒め、コンソメスープを入れてカレールーを作る。
 ココナッツミルクは今回入れないぞ!

 そんな俺の横で、パトリックさんは真剣に見てるけど……できればもう少し距離を取って欲しいのだが。

「アキヒコ君、さっきも見せて貰ったが、やっぱりこの色がなぁ…」

 黄色いと言うが……仕方ないのだ!これがカレーですので。

「まあまあ、出来てからのお楽しみだよ。昨日も食ったろ?あれは辛かったから今日は少し辛さは押さえ目ね。マルクくんが居るしね(食べて貰えるかは…謎だけどな)」

 で、カレー作りだ。

 肉と野菜を切るなだが…まずは肉だ!

「パトリックさん、肉使いたいけど……なにが有るの」

「そうだな……何が良いんだ?保冷庫から取ってくるが……」

 ン~ここはやっぱりビーフは…無いのか? だったら…ブル系か!

「牛系の肉ある?」

「牛ね……待ってろ持ってくる」

 そして、持ってきたのはミノタウロスの、肉だったらしい。

「はいよ!これなら良いか?」

「ありがとう。これ使うよ」

 ミノタウロスの肉ね……ちょっと切って焼くか。

 焼いた肉を一口食べる。
 なんだこれ、凄い肉汁が出て臭みもなくて旨い!こらならカレーに合うな、勿論他の料理にも合う。

「パトリックさん、今夜の分のパンよろしく」

「分かった、任せろ」

 そうしてカレーを作る途中、でパトリックさんに作り方を教えながら作って行く。

「よし!こんなもんだろ出来た!後は火から外して、暫く置いておくよ。まだ夕飯には早いしな?」

「そうだな、だがさっき味見をしたが。カレー?旨いな! 今まで香辛料の使い方が分からなかったが。食うものにも使えるんだな」

「そうだね…香辛料って主には薬の材に使うからね。あんまり知られていないんじゃないのかな」

 俺も分からんよ、何せカレーくらいしか作った事がない。
 それも鑑定さんと、レシピさんが居るから作れるんだしね。

「後、小麦を使って麺を作ろうか? 今日と、明日で作り方が違う麺を作るぞ。今日はパスタの麺だよ」

「麺?」

「そう、麺だ。じゃ、見ててよ。ゆっくりメモを取りなから作ろう」

 今日、作るのはパスタにする麺だ。
 小麦粉と卵…油と塩だな……。
 油ラードは……だが。

「パトリックさん、玉子って今日もなかった?」

「いや、有ったから買ったよ」

「見せて貰っても良い?」

「持ってくる。使うのか?」

「ん~出来ればだけどね。もし玉子は貴重なら、後でマルクくんと食べてよ。俺は別に持ってるしな」

「…ハハハなら持ってくるよ。俺は君から教わらないと始まらないからな」

「り、了解!」

 そしてパスタの麺を捏ねて行く。
 油と塩と、卵、小麦で麺を作り麺を茹でる。


「パトリックさん、これがパスタ麺ね。で……これに作ったカレーを掛けて食べる」

 フォークで麺クルりと巻いて、食べるうん!我ながら完璧!

「食べてみる? 嫌なら良いけど?」

「い、嫌食べる!」

 フォークを渡すと、少し考え意を消して口の中に入れる。

「ん……?う、旨い!何だこれはこの麺?もちもちしてて、アキヒコ君!これ!作れる様になりたいぞ!練習させてくれ!」

 パトリックに両肩を持たれてガクガクと揺さぶる……。
 止めてくれぇ~、頭が揺れる酔うから止めて!

「わ、分かった、分かったから止めて!揺らすなよ!」

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