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新たな町へ
112話 有るじゃないか!
しおりを挟むパトリックさん親子と、市場の露店や店を覗き時には冷かしながらゆっくり歩く。
パトリックさんは目に着いた食材を買って居る。
俺は全く知らない食材が多いので、鑑定をしながら品物を見ていく。
するとある店の前で俺は立ち止まった。
ん?
店はどうやら乾物屋のようだった。
「パトリックさんすまん」
「なんだい、アキくん」
「少し聞きたいんだが、この店の品物って、パトリックさんは買ったことがあるか?」
「え? この店の品をかい?」
パトリックは店の品を見るが興味が無さそうに言う。
「そうそう、この店の品だよ」
「ん……悪いアキくん、ここの店の物は買ったことがないな。それに……これらの使い方が分からない」
おお………なんて勿体無い事だろう。
使い方がわからないなんて!海辺に住んでて使い方がわからない?あり得ないだろ!
店の品は昆布に、かつお節に似せた物や乾燥アワビ、小エビの乾燥させたものと他にも色々な食材……乾物があった。
本当に…勿体ない。
ここにあるじゃん!出汁になる物がこんなにあるよ勿体無い。
《主勿体無いを、言い過ぎです(笑)》
『そうか? だって勿体ないんだぞ。これで料理の巾が広がる』
それに小麦粉も……強力粉もあるし、片栗粉も大豆もあるよ何だここ?
さらに店を散策するとあるよ!色んな物が。
なにここ?と品を見ていると店の店主が声を掛けてくる。
「いらっしゃい。お客さんうちの店の品を買ってくれるのかい?」
「え?あぁぁ、買うよ? 何故だい?」
「か、買ってくれるのかい?」
「え?買うけど。……えっ何かあったのか?」
「うちの店の品はな、輸入した物なんだが。ここの町の人には今一受けなくて困って居るんだ。売れなくてなぁ~」
店主の困り顔……これは余程困ってるのか?
「ええ、何で? 勿体ないぞ!この乾燥アワビ!戻して食べれば旨いのに。それに大豆!これも煮豆に、豆腐に……。それに、この店は食材に溢れてるでわないか~~~!!」
大きな声が出てしまうくらい大興奮だ。
《主興奮し過ぎです、周りの皆が引いてます……恥ずかしいからやめて下さい》
ナビの声で正気を取り戻した俺。
は!周りを見回すと俺の事を見て若干引いてる人が……
アハハ……興奮し過ぎた。
「は………す、すみません。騒がしくしました」
店の店主に謝った。
…………ほんと恥ずかしい。
「アキくん、気持ち悪いよ? どうしたの?」
マルクくん、真顔で言わないで……俺もそう思うから。
俺どうしたのだろうか?
日本食はネットで買えるのになぁ…
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