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第10章
第13話 歩くんだよ!
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バランさんが戻って来るまでの間カイトと二人で、遅い昼飯を食ってる。
「ほら、喉詰まらせてないでゆっくりと食べろ。そんで、バランさんが戻って来たら直ぐに仕舞うからな」
「ん、分かった。ムグ……ってか、ゆっくりとか食ってたら、あのオッサン戻って来そうじゃん。それに、腹減ってたし」
「ま、そうだけどな」
「兄ちゃんも屁理屈捏ねてないで食ったら? 戻って来そうだぜ、あのオッサンさっ」
「煩いよ、屁理屈とか生意気!」
文句を言って、カイトの頭を小突いてから、俺も籠に盛ったパンに手を出して食べ始めた。
それから暫くしてバランさんが戻って来た。
「大変、お待たせ致しました」
「まあ、待ったね」
「こら、カイト。お前さ、思ってても言うもんじゃ無いよ」
ペシッっとカイトの後頭部を軽く叩いたが、あっ!俺も何気に失礼な事を言ったが、気にしない。
「いって!兄ちゃん。俺が馬鹿になったら、兄ちゃんの所為だぞ」
「煩いよ。ほら、バランさんに謝罪しろ。すみません、教育が成ってなくて」
「……すんません」
セーフ、カイトが気付いてない。
ってか、謝罪が軽いったら。
兄ちゃん恥ずかしいぞ!
「ハハ、良いですよ。お待たせしているのは此方ですから。では此方が、これから見ていただく屋敷の書類です。屋敷の間取り図も有りますので、ご確認しながら、屋敷を見てください。それから此方が、屋敷の鍵一式に成ります」
バランさんが、屋敷の見取り図と鍵を俺に渡してくる。
渡された鍵は、大きな輪っかに鍵が何本も下がっていて、じゃらじゃらと音がして結構煩いし重かった。
なにこれ、全部鉄で出来てるのか?
「それは、結構な鍵の本数ですね。それに、重いんですね」
「ええ、重さも多さも有ります。何せ、古い屋敷ですので、母屋の鍵やら倉庫の鍵やらと、色々あるようですから」
「分かった。じゃ、鍵と屋敷の見取り図を預かるよ。これ借用書ね。鍵を返すのは、明日の午後で良いよな? 此から屋敷を見るったって、時間がかかるし」
「ええ、構いませんが移動はどうされますか? 此から屋敷に行くにしても時間は掛かりますよ?」
「ま、なんとか成りますよ。では、明日中ににまた顔を出しますので」
「分かりました。確認ですが、屋敷を気に入ればそのままご購入で、よろしいのですよね?」
「ああ、そのつもり。じゃ見に行って来ますので」
「はい、お気をつけて。また明日に」
俺達はバランさんにヒラヒラと手を振ってギルドを出た。
やっとだぜ!
ギルドを出て足早に、屋敷の有る方向に歩く。
「兄ちゃん、なに急いでんの?」
「馬鹿、屋敷の場所がすこし遠いんだよ。早く歩け」
「ええ!飛んでかないの?」
「バッカ!こんなところで飛べるかよ」
「町中だぞここは。結構人の往来が有るだろ、良く周りを見てみろ」
「………おお、ほんとだな。兄ちゃん」
「なんか、お前さっ」
「なんだよ」
「子供の頃より馬鹿に成ってないか?今幾つだよお前は」
「へっ?」
「だから、考えが幼すぎる」
「ええ‼俺の頭が悪いとか!あり得ないしっ!これでもリリデアで、頭が良くて………あれ?」
「良くてなんだよ」
「アハハ、ギルドでは評判だったって話をね、しようかと」
「バカは、子供の頃からだったか」
俺達は歩きながら馬鹿話をして歩く。
カイトの気を反らしながら歩くのも用意ではない。
コイツ直ぐに疲れたとかほざくからな。
「なんだよ兄ちゃん、失礼だな~。ってかどこまで歩くんだよ」
「この先を、もう少し歩くみたいだな」
もう少しっと言って誤魔化す。
本当は結構歩く。
歩きで三十分は余裕で歩かんと成らんし。
これは本格的に移動手段を出すかな。
でも、この町で目立つのはなぁ~俺達は平和に暮らしたいんだよなぁ。
でも、カイトが馬車が苦手と来てるし。さて、町中をどうやって移動するか?
自転車か?車か?それともバイクか?
あっ、キックボードっう手も有るには有る。だけどなぁ~と考えながら歩く。
「なあ、兄ちゃん!!」
突然カイトが、大きな声で俺を呼ぶが……どうした?
「なんだ?」
「なに考えてんの? 兄ちゃん、また考え事かよ。剥げるぞ」
「カイト!こら誰が剥げだこら」
隣に歩くカイトの頭をヘッドロックして、こめかみに拳骨をつくり中指の第二間接を、グリグリと押し付けて遣るとカイトが騒ぐ。
「いっ、いってぇーー兄ちゃんそれ駄目!痛い話せ頭グリグリするな!痛いしっ!」
「失礼な事をほざくから、鉄槌だ!ハハハ」
笑ってヘッドロックを外した。
「もう兄ちゃん、手加減してよ」
「してるぞ。ほら、歩け」
「うっせぇわ!お前は、すこし歩け」
「ったく毎回毎回、歩け歩けって煩くない?」
「煩くない。ほら、もう少し歩いたらあそこが、今度見る屋敷だ。彼処まで有るんだよ」
やっと見えてきた屋敷の門。
さてさて、どこまで古い屋敷やら。
屋敷の中は荒れてないと良いけどな。
あっ!宿を取ってないぞ。
どうする?
「ほら、喉詰まらせてないでゆっくりと食べろ。そんで、バランさんが戻って来たら直ぐに仕舞うからな」
「ん、分かった。ムグ……ってか、ゆっくりとか食ってたら、あのオッサン戻って来そうじゃん。それに、腹減ってたし」
「ま、そうだけどな」
「兄ちゃんも屁理屈捏ねてないで食ったら? 戻って来そうだぜ、あのオッサンさっ」
「煩いよ、屁理屈とか生意気!」
文句を言って、カイトの頭を小突いてから、俺も籠に盛ったパンに手を出して食べ始めた。
それから暫くしてバランさんが戻って来た。
「大変、お待たせ致しました」
「まあ、待ったね」
「こら、カイト。お前さ、思ってても言うもんじゃ無いよ」
ペシッっとカイトの後頭部を軽く叩いたが、あっ!俺も何気に失礼な事を言ったが、気にしない。
「いって!兄ちゃん。俺が馬鹿になったら、兄ちゃんの所為だぞ」
「煩いよ。ほら、バランさんに謝罪しろ。すみません、教育が成ってなくて」
「……すんません」
セーフ、カイトが気付いてない。
ってか、謝罪が軽いったら。
兄ちゃん恥ずかしいぞ!
「ハハ、良いですよ。お待たせしているのは此方ですから。では此方が、これから見ていただく屋敷の書類です。屋敷の間取り図も有りますので、ご確認しながら、屋敷を見てください。それから此方が、屋敷の鍵一式に成ります」
バランさんが、屋敷の見取り図と鍵を俺に渡してくる。
渡された鍵は、大きな輪っかに鍵が何本も下がっていて、じゃらじゃらと音がして結構煩いし重かった。
なにこれ、全部鉄で出来てるのか?
「それは、結構な鍵の本数ですね。それに、重いんですね」
「ええ、重さも多さも有ります。何せ、古い屋敷ですので、母屋の鍵やら倉庫の鍵やらと、色々あるようですから」
「分かった。じゃ、鍵と屋敷の見取り図を預かるよ。これ借用書ね。鍵を返すのは、明日の午後で良いよな? 此から屋敷を見るったって、時間がかかるし」
「ええ、構いませんが移動はどうされますか? 此から屋敷に行くにしても時間は掛かりますよ?」
「ま、なんとか成りますよ。では、明日中ににまた顔を出しますので」
「分かりました。確認ですが、屋敷を気に入ればそのままご購入で、よろしいのですよね?」
「ああ、そのつもり。じゃ見に行って来ますので」
「はい、お気をつけて。また明日に」
俺達はバランさんにヒラヒラと手を振ってギルドを出た。
やっとだぜ!
ギルドを出て足早に、屋敷の有る方向に歩く。
「兄ちゃん、なに急いでんの?」
「馬鹿、屋敷の場所がすこし遠いんだよ。早く歩け」
「ええ!飛んでかないの?」
「バッカ!こんなところで飛べるかよ」
「町中だぞここは。結構人の往来が有るだろ、良く周りを見てみろ」
「………おお、ほんとだな。兄ちゃん」
「なんか、お前さっ」
「なんだよ」
「子供の頃より馬鹿に成ってないか?今幾つだよお前は」
「へっ?」
「だから、考えが幼すぎる」
「ええ‼俺の頭が悪いとか!あり得ないしっ!これでもリリデアで、頭が良くて………あれ?」
「良くてなんだよ」
「アハハ、ギルドでは評判だったって話をね、しようかと」
「バカは、子供の頃からだったか」
俺達は歩きながら馬鹿話をして歩く。
カイトの気を反らしながら歩くのも用意ではない。
コイツ直ぐに疲れたとかほざくからな。
「なんだよ兄ちゃん、失礼だな~。ってかどこまで歩くんだよ」
「この先を、もう少し歩くみたいだな」
もう少しっと言って誤魔化す。
本当は結構歩く。
歩きで三十分は余裕で歩かんと成らんし。
これは本格的に移動手段を出すかな。
でも、この町で目立つのはなぁ~俺達は平和に暮らしたいんだよなぁ。
でも、カイトが馬車が苦手と来てるし。さて、町中をどうやって移動するか?
自転車か?車か?それともバイクか?
あっ、キックボードっう手も有るには有る。だけどなぁ~と考えながら歩く。
「なあ、兄ちゃん!!」
突然カイトが、大きな声で俺を呼ぶが……どうした?
「なんだ?」
「なに考えてんの? 兄ちゃん、また考え事かよ。剥げるぞ」
「カイト!こら誰が剥げだこら」
隣に歩くカイトの頭をヘッドロックして、こめかみに拳骨をつくり中指の第二間接を、グリグリと押し付けて遣るとカイトが騒ぐ。
「いっ、いってぇーー兄ちゃんそれ駄目!痛い話せ頭グリグリするな!痛いしっ!」
「失礼な事をほざくから、鉄槌だ!ハハハ」
笑ってヘッドロックを外した。
「もう兄ちゃん、手加減してよ」
「してるぞ。ほら、歩け」
「うっせぇわ!お前は、すこし歩け」
「ったく毎回毎回、歩け歩けって煩くない?」
「煩くない。ほら、もう少し歩いたらあそこが、今度見る屋敷だ。彼処まで有るんだよ」
やっと見えてきた屋敷の門。
さてさて、どこまで古い屋敷やら。
屋敷の中は荒れてないと良いけどな。
あっ!宿を取ってないぞ。
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