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第10章

第4話 返事はギルドで

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 屋敷の中を案内して貰い、ついでに庭も見せてもらった。そしたら、なんとなんと、ちゃんとしたガセボまでまもが有ったよ。でも蔦が絡まって直ぐには使えない。

 だが、またカイトの愚痴が始まった。
 色々案内して貰う間のカイトが「まだ歩くの?」とほざき、「もう少しですよ」バランさんに言われ、その言葉を訊いたカイトはげんなりしてて笑ったが。

 少しこいつの体力鍛えないと駄目だな。

 まあ、そんなことは後だ。


 屋敷の間取もまあまあだ。
 傷んでる箇所も少ないから、ちゃんと補修して掃除もすれば住めそうだ。
 でも庭だよなぁ~バランさんが申し訳無さそうに言う、「手を入れれば元に戻りますね」だそうだ。
 ……誰が手を入れるんだって話だが。
 庭のガゼボには、雑草が伸び蔦も絡んでで、人の手を借りるなら金が掛かりそうだ。

 でも、この土地を囲む貴族屋敷よりは広くは無いけど、ここも程々には広い敷地何だよなぁ~さてどうするか?

 少し待て、考える。

 気になるとしたら、ここは貴族街って事だけだ。 
 でも、買うならここだろうか?
 敷地の広さも十分だし。
 だけど屋敷はどうにも古臭いんだよね。だったら、屋敷を壊して更地にしよう。おお!それが一番良い解決策。

 更地した上に、アイテムボツクスの中に入れてある家を出せば直ぐに住める。   
 庭はそうだなぁ~ああ、訓練場を端に寄せて余ったスペースに畑を作れば良いな。

 今ある場所のガゼボは要らん。客が来るわけでも無いだろうし、ましてや何処ぞのご令嬢が来るわけでも、俺が招待するわけでも無いしな。

 手持ちの家も、狭ければ増築はせずに建物の中を拡張すればそれでは良いし。
多分今の屋敷より手持ちの家の方が広い。
 よし!ここは、買いかな。
 まあ細かい事は、実際購入してから考えた方が良いだろう。
 好き勝手するのは買ってからだけれどね。値段次第ってな。

「さて、屋敷を含め敷地内を全てご案内しましたが。どうでしたか?」

 どうでしたか?かぁ~と考える振りそれに………。

「すまん、バランさん」
「はい?」
「どうと言われてもな、俺らはまだこの屋敷の値段訊いてないんだわ」
「あっ、そうでしたね」

 今気がついたと言って手を軽くポンと叩く。うん天然入ってる?

「ああ」
「えっと少しお待ちを…………」

 バランさん、手にしていたのは…あれはバインダーかな??
 そのバインダーみたいな板に、屋敷の書類が挟んであって、それをパラパラめくり資料を確認してる。

 何だよ、屋敷の書類を見ないと把握出来てないとか。
 人を案内するなら、少しは書類の内容を把握しておいた方が良いんじゃないかな?
 まあ別に良いけど。

「あっ、見つかりましたよ。此方の屋敷の値段ですが。金貨にすると、総額大金貨三百枚と金貨六十枚に大銀貨三十五枚になりますが、此方の物件をご購入頂けるなら、端数は切り捨てて大金貨三百枚と金貨六十枚で」
「ふ、ふぅ~ん。(たかだか、大銀貨三十五枚分とかショボい値引きだな)」

 値引き大銀貨を引いた総額が、三千六百万は安いのか? 
 まったく高いのか、安いのかが分からん。

 ここでちょいとアイテムボツクスの中の総額確認。

 おっ!買えるじゃねぇ~のよ。
 今までちょいちょい魔物を課金して貯めてたから。
 うん余裕で買える。
 だったら買っても良いかな。

 しかも当分働かなくても暮らせる程、金が貯まってた。

 ま、金が無くなっても困りはしない。
 何せ、俺にはネット様が有るからな。
 食っては行けるし、木材や鉱石に宝石は山に籠れば幾らでも調達出来るし。

 俺が購入を来んがえてる振りをして、アイテムボツクスと睨めっこしてるとカイトから声が掛かった。

「(コソ)なあなあ、兄ちゃん。幾ら何でも高くない?大金貨三百以上とか」
「(コソ)大丈夫、買える。しかも余裕で」
「(コソ)そ、そんなに持ってたの?」
「(コソ)二人で何をソコソコと喋ってるんだ?」
「(コソ)兄ちゃんの臍繰りの多さにビックリしてるところ」
「(コソ)カイト、臍繰りとは?」
「(コソ)(そこからかぁ~!)い、いや、後で説明するよ。で、兄ちゃんどうするの?」
「(コソ)即買い!」
「「ええ!」」

「あの~?皆様、お話し合いは済ましたか?」
「おっと、すみません。話し合いました。なので、一旦ギルドに戻って貰って良いですか? ギルドで、お返事します」
「分かりました。確かにそうですね。では戻りましょう。ではまた馬車にお乗り下さい」
「「了解。カイトベルゼス行くぞ」
「「ええ……」承知」

 カイトの不満はこの際、訊かない事にする。
 行きも帰りも煩い。少しは馴れろ。





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