母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

文字の大きさ
上 下
183 / 235
第8章

第19話 ダンジョンに潜る前に……何故か来た。

しおりを挟む
「樹里さん!」
「ぬぬぬ、また邪魔者が…なんですか?」

 また神さん出て来ゃがったかぁ~。
 今度はなんですかね?

「いえね? 思いっ切り、近場に住むお積もりなのかを確認です」

 近場……まあそうなるのか?だけどここの辺境伯の領地は大きく栄えてるし?
 別に俺は関係ないし家を出て8年も経ってるし?
 もう実家も潰れて無いんだろうし。
 それなら全く関係ないじゃんか。

「まぁ、そうなのですが…お母様生きてらっしゃいますよ?」
「ふん、そんなもんは俺には居ないよ」

 捨てられた身にもなれ。

「ですが、ご実家の屋敷はもう…朽ちてますが残ってますよ。貴方のご実家、今はゴーストの居る邸に為ってます」
「ハハハそれは楽しい事に。それで?男爵領は、誰が吸収したんだ?」

 マップで反応したのは、どうやら朽ちて無くなり掛けてる屋敷だったんだ…ハハハ笑えるぜ!  
 だったら、屋敷に戻って跡形もなくぶち壊して遣りてえ!

「ええっと、男爵家の領地ですが…。数年間前に、男爵家と所縁のある子爵家が領地を吸収しました」

 子爵家………えっとなんだっけ……子爵…子爵……居たかそんな……。
 あっ!あの母さんに、しつこく色目を使って来てたあの子爵か?

「えっ…ええ、そうですね。ですが……」
「なに?妾に成れたんだろ。ハハハ、良いんじゃないの? どうせそこでも、大した扱もされてないんだろ? だが、それは俺の知ったことじゃないよ」

「それはそうですが……」

 なに?そのなんとも言えないって顔は!

「神さんなに? 泣きたかったのは昔の俺だろ。何であんたが今更そんな顔をする?」

 そんな切ない顔をするなよ!あんたは当事者じゃないだろうが!

「そうなんですけどねぇ……。樹里さんがあそこを追い出され8年経ちますが、その間……もあの方は、辛い思いをされてましたよ? 今も尚辛い思いをされてるのでなんとも」
「それを俺に言ってどうすんの? 今更? あれから8年も経ってるんだぜ?」

 捨てたのはあっちで、俺はあ人に捨てられたんだ。
 今更何の関係が?全く関係ないだろ!

 それに、俺だって辛い思いをしてるんだが?
 何でこの神さんは、俺が幸せだと思ってるのかな。

「なぁ…神さん?」
「はい、なんですか」
「あんたさっ、俺が冷たいと思ってるんだろうがさっ? それは勘違いだからな!」
「……」

 なんで、そこで黙る?
 俺はあの家を出る前、すんごく苦労をしたろ?それも16年もだ!
 その間あんたは一度も、俺の前に顔を出さなかったろ?助けてもくれなかった。
 なのにあの家を出たとたんに顔を見せるとか。
 俺からしたら信じられねえんだが?

「それは…ご家族で、助け合って暮らせて行ってくれると思ってたのですよ!仕方ないでしょ? ご家族がいれば私が干渉せずとも、なんとか暮らして行ってくれればと思って居たのですから」
「ふん!また人の思考を読みやがって」
「それはすみませんでした。さて、では本当に関係無いのですね?」
「ああ、関係ねぇよ!」
「そうですか…でしたらもう、私も口は出しません。それから、この領地で暮らせる様にお力添えも少ししましょう!無人島のお礼がまだ、出来てませんでしたからね。ここでの暮らしを、上手く回る様にお力をお貸ししましょう」

 おお、それは有難い!

「願っても無い事ですよ。それは神さん」
「フフフそうでしょ? それから明後日のダンジョンは100階が最下層に為ります。出てくる魔物は……樹里さんなら楽勝でしょう。それから100の階の最下層でエンシェントドラゴン…古竜に合ったらこれを渡してください」

 と、手に渡されたのは丸い野球ボール位の球だが…何気に魔力が宿ってるんだけど?
 なにこれ……。

「それは私の魔力が少し宿ってます」
「なんで!そんな危ない物を、俺に持たせるんだよ!」

 直接持って行けよ!
 どうせあんたの眷属とかなんだろう。

「フフフ当たりです。私かは暫く此方へ来れないので、お願い出来ませんか?と言うか頼みました!」
「ったく……人を使いやがって!ムカつくったら」
「はいはい!すみません。お礼はまた後程しますから」

 では頼みますと言って、スッ~と消えて行くが神さん……神出鬼没は本当にやめてください。

 100階層ねぇ…ちっ!楽しみが減っちゃったぜ!

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

裏切られ追放という名の処刑宣告を受けた俺が、人族を助けるために勇者になるはずないだろ

井藤 美樹
ファンタジー
 初代勇者が建国したエルヴァン聖王国で双子の王子が生まれた。  一人には勇者の証が。  もう片方には証がなかった。  人々は勇者の誕生を心から喜ぶ。人と魔族との争いが漸く終結すると――。  しかし、勇者の証を持つ王子は魔力がなかった。それに比べ、持たない王子は莫大な魔力を有していた。  それが判明したのは五歳の誕生日。  証を奪って生まれてきた大罪人として、王子は右手を斬り落とされ魔獣が棲む森へと捨てられた。  これは、俺と仲間の復讐の物語だ――

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜

西園寺おとば🌱
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て… これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです… +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-  2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます  時々さかのぼって部分修正することがあります  誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)  感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫
ファンタジー
 孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。  僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。  そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。  それから、5年近くがたった。  5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

処理中です...