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第8章

第5話 苦手な釣り。

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 カイトと空を飛んで南の無人島の上空迄たどり着いたが……。
 そう言えば、神さんが南の島の無人島がどうのと言ってなかったか?
 と……ハタと思い出したが……まあ、ここではないだろうと踏んで島に下り立った。
 下りた場所は川の近くに一応下りた。
 飲み水確保は大事だからね。

「はい、到着!カイトお疲れ!」
「ハハ着いた……陸地大好き!俺は二度と空を飛ばない!アハハ!」

 お~い!カイト~気が触れたか?

「大丈夫か?お前……なんかヤバくねぇ?」
「ヤバくないから!それで、ベルセスとか出して良いのか?」
「そうだな…取りあえず、人の気配がこの島からはしないからな。皆を出しても良いぞ!寧ろ出せ俺らが危ないから!」

 ここでは、どんな魔物が出てくるか分からんからな!探索して住みやすそうなら、ここを居住にしても良いかも知らないしな。

「了解!ベルセス出て良いぞ!」

 カイトの声を聞いたベルゼスが、鞄から頭をひょいと出して俺に話し掛けてくる。

「《ヌヌ!樹里殿…もう着いたのか?》」
「だよ!レツ達も出て来なよ!」
「ガウゥ!〔何処についたの?]」
「ヴガァー!〔遊んでいいの?]」
「(遊んでもいいが……あんまり離れるなよ?)」
「〔分かった!その辺見てくるだけにするよ!ご主人様!]」
「[僕もレツと一緒に行って来るよ!]」
「(おう!レツにレオ…気を付けろよ)」

 レツたちが遊んで来ると言って飛び出していったので好きにさせて。
 それから今度は、ベルゼスだがお前どうすんの?そのまま四足歩行で行くか?

「ベルゼスお前どうする?人形になるの?」
「《いや、我もその辺を見てこようと思う》」
「そうか?なら見てきてよ…。ただし、あんまり森の奥まで行くなよ?」
「《分かった!なら行ってくる》」

 それだけ謂うと、草むらに駆け出して行くベルゼスを見送った。その場に残されたのは俺とカイトは、この場にベースを作る事にするのだが…。 どうやらカイトはご立腹らしく、やや怒り口調で話し掛けられた…。

「で!兄ちゃん?」
「……なんだ?」
「まさかここを、ベースにするとか言わないよね?」

 ここと言って川岸の草むらを指さして怒る。

「お!よく分かったな!よしよし、良く分かったな?」
「分かるよ!もう、兄ちゃんは直ぐに俺を馬鹿にしてさっ!こんな場所に下りたから、まさかとは思ったけどさ…」

 馬鹿にはしてないがなぁ…。
 逆に誉めたのに、なに怒ってんのかねこの子は?

「なに?カイト、カルシウム不足か?」
「カ、カル、カル?……なにそれ?」
「何でもないよ、さて!ベース作るぞ手伝え!」
「なんだよもう!まったく……。で?なにするの?」
「そうだな……まあその辺にいてくれ。まずは土台になる土地を広げて、その上に家を置いちゃうから」
「り、了解……」
「ああ、手持ち無沙汰なら。ほれ釣り道具渡しておくぞ!使えるだろ?」
「…………分かった釣れと言うんだな?」
「ま、期待はしてないから気楽にな?」

 こいつに釣りをさせても、殆んど坊主の方が多いんだよな……。なんと言うか運がない?嫌…才能無しの残念イケメンだね。ハハ!

「……兄ちゃん今なにか、考えたろ?」
「い、嫌?何も。(感が良いね…)さて、俺は作業を始めるからそっちは適当に頼むな?」
「……むぅ……了解………」

 手渡された釣り道具を見て一言…俺は釣りが苦手なのに…。
 兄ちゃん意地悪だぞ!


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