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第4章

第11話 貸家の家賃が依頼の報酬より高いって……

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「なぁ、それはシーサーペントが出てるからなのか?」
「まぁ、それもあるがな……。町の町長が何もしねぇ無能だからだな」

 それで良いのか?
 この世界の町長なら貴族かその一族だろ?
 確か………あれ?違ったか…忘れた。
 まっ、無問題!

「へぇ……なら、税が高いのか?」
「いや、そうでもねぇな」
「なにそれ」
「さぁ?俺に訊かれても分からんよ。何せ代が変わってから、町長が町に顔を出すことは無いからな」
「えっ、視察とかは?」
「ねぇなぁ~。屋敷に出向けば、顔を見て話せるがな」
「く、屑じゃんか。警備は?」
「居るには居るぞ、門番が居たろ?」
「あ、居たな。なんか怪しまれたけど」
「そりゃ~子連れで、こんな町に来れば怪しいわな。……まっ、こんな町だよ。で、話しは戻るがよ。何なら、その家を貸してやっても良いぜ?」
「ほう……貸家にしてくれるのか?」
「あぁ、永住する気になったら買い取ってくれても良いぞ?こっちは助かるからな。だがなぁ、俺が忘れてたぐらいの家だ…期待はするなよ?」
「へっ?どういう」
「管理されてないからと、言ったが…俺は?」

 あぁ、外観と中身がボロボロと言う事ね……。

「なら、俺が建て替えて良いのか?」
「まぁ、良いぜ出来るならな。何でもして良いぜ?」
「ほぅ……なら、借りるかな?月々の家賃は?」
「家賃は……そうだな広いんだよなぁ……」
「てか、広いって?」
「結構デカイ屋敷でな、町長の屋敷程はデカくはないが…。まぁそれなりの屋敷だな」

 なんだその説明は?さっぱりわからん。
 あ!こう言う時はマップだよ!確認っと………。
 丘って言ってたな……ん~ここかな?
 なんとか分かったけど……地図上だからな。
 広いのは分かった気がする。
 仕方ないここ借りるかな?

「で、家賃は?」
「屋敷がボロいから、直す場所も多い。だからそうだな……金貨1枚と大銀貨2枚でどうよ」

 シーサーペントの討伐の報酬より高い。

「分かったならはい、金貨一枚と大銀貨2枚だ!」
「おう、確かに。これに一応サインしてくれるか?」
「お、おう」

 渡された書類に目を通す。
 何々……なんだ…屋敷を借りる誓約書だけど…中身 がうすっい。
 良いのかこんな契約で?
 毎月の家賃は必ず支払う事。
 まぁ、当たり前だよね?
 それから……?
 ………支払えなくなったら、即退去……これは厳しいな?
 有無を言わせず追い出すのか……。
 まっ、払えなく成る事は無いから良いけどね。
 と、これだけだよ良いのかね?こんなもんで。
かきかきと、サインをしてギルマスに書類を返す。
「はい!これ」
「お、書けたか?なら、これが屋敷の鍵だ」
「じゃあ、後で屋敷の場所教えてよ」
「なら今から行くか?魔物の討伐なんて、いつでも出来るからな。今日はギルドは閉店だな。ワハハハ!」

 笑うギルマスをガン無視して、カイトが俺のジャケットの裾を引く。

「ね、ねぇ兄ちゃん?そんなに簡単に決めていいの?」
「いいんだよ、どうせ宿屋には行きたくないし。カイトも嫌だろ?だったら貸家の方が楽だぞ?」
「分かった、兄ちゃん。でも抱っこ!」
「はっ?なにそれ歩けよ、途中迄でもいいからさ」
「えぇー」
「歩け!」

 ごちゃごちゃと、カイトと騒いでるとギルマスがクチを挟んでくる。

「なんだ、坊っちゃんは甘えん坊か?ハハハ。こりゃ兄ちゃんは、大変だ!」
「ハハハ。そうなんですよ」
「むぅ……歩くよ!」

 フフフ。膨れっ面で歩くと言うカイト……。
 ギルマス、ナイスアシストだよ。

「なら、すまないけど案内頼みますよ」
「おう、任せとけ!だったら馬車に乗ってくれ。今、裏から出してくるからよ!ここで待ってろ」
「へっ、馬車?嫌だぁ~!」

 カイトは歩く気満々だったのに、苦手な馬車に乗れと言われて絶叫する。ハハハ。笑える!
 そして、馬車が来る僅かな間にカイトに酔い止めの薬を飲ませる。

「ほらカイト、クスリ飲んどけ」
「うん。水頂戴よ兄ちゃん」
「待ってろ」

 鞄から水と薬を渡して飲ませた。

「ありがとう。ング…グ……ゴク…ふぅ…。てか、馬車は嫌だよ兄ちゃん」

 薬を飲み我が儘を言うカイトだ……そろそろ馬車に慣れてくれ。

「仕方ないだろ?まっ、そんなに長い距離を乗ってないと思うぞ?せいぜい5分10分だろうぞ。地図で確認したら」
「そうなの?」
「あぁ」
「仕方ないなぁ……なら我慢する」
「そうしてください。我が儘王子?」
「なにそれ!もう!兄ちゃん感じ悪い」
「ハハハ、そんなことはないだろ?それに、カイトには優しいつもりだが?」
「………………フン」

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