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第2章
第23話 蟹を買う
しおりを挟むあれ!と言ってカイトが指をさす物を見る……。
「なんだ、あれは魚だぞ?カイト。あれが魚だ。色々種類有るだろ?」
鯵や鮭、鱈なんかは食卓に上げた筈だが……。
あれ?加工物しか見せて無かったか……。
「カイト?側に行ってみるか?」
「うん!見たい」
魚屋の側に近付き店頭に並ぶ魚を見回す。
「いらっしゃい!お、兄ちゃん達は旅の人かい?」
「ああ、そうなんだよ。今日この町に付いたんだ」
「そうかい、それなら魚は珍しいだろ?」
「そうだね。おやじさん、色々見て良いかい?弟が珍しがっててな」
「おお、良いぜ?見てくれよ?出来ればなにか買ってくれよ?」
「ああ、そうだな?何があるかな?」
店頭に並ぶ魚を見ると……有った!海老とカニ?が
「おやじさん!これは蟹か?」
「お、兄さん分かるのか?」
「おう!これいくらする?」
「ねぇ?兄ちゃん……それ買うの?」
「ん?これ蟹っていってな、旨いんだよ」
「えぇ!これが?」
カイトが初見の蟹の姿に嫌な顔をする。
まぁ、見た目は………余り良くないかな?
「ハハハ。おチビさんには……無理かな?だがこれは、食べると旨いんだぜ?」
「そうなの?おじさん」
「どれ、それなら食べさせてやるから、食べたいカニ選んで良いぞ?」
「それは悪いよ?なら買うからさ、悪いがこの場で茹でて貰って良いか?」
「それならこのカニを、茹でてやるぞ!坊主待ってろよ」
店のおやじさんが、店先に置いてある鍋に蟹を入れる。
茹でて貰う蟹は、多分タラバかな?殻がトゲトゲしてて大きい物だ。
蟹……久しぶりだなぁ~旨そうだ。
そして店の魚を色々見て回る。
カイトに、色々質問されて答えていたら、どうやら蟹が茹で上がったのか、店のおやじさんが声を掛けてくる。
「兄さん達、蟹茹で上がったぜ!ほれ食え!」
「おお!タラバだ!旨そう~」
「に、兄ちゃんこれ食えるの?」
赤く茹で上がった蟹を見てカイトは怯む。
「おやじさん。悪いね?店先でこんなにして貰って?」
「良いってことよ!それより早く食えよ!」
おやじさんが、蟹の足を折って身を殻から出して渡してくれので、それを受け取り身を食べる。
「おお、旨そう!ありがとう頂くよ?アム……。ん~うめぇ~!蟹だ!」
「ほれ、坊主お前も食えよ!旨いぜ?」
「う、うん………いただきます………」
カイトは目を瞑って口に蟹の身を入れる。
「アム…………?むぐぐ……う旨い。美味しい!なにこれ!旨いジャン!兄ちゃんなんでこんな旨いの知ってるのさ!」
「フフフ兄ちゃんに知らないことはない!旨いだろ?カイト!」
「うん!もっと食べたい!」
「旨いだろ?兄さん方どうだい?もっと食べろよ?」
「ありがとう。それでこれいくらだい?」
今二人で食べている蟹の値段を聞く。
「お、悪いね買ってくれるなら……銀貨一枚大銅貨三枚だよ」
てことは……1300円ぐらいかな?安いねぇ……。
「なら、これで宜しく」
と言って銀貨を2枚渡す。
「おっと釣りだな?ちょっと待っててくれ」
「おやじさん。釣りはいいよ?蟹を茹でてくれたからね?手間賃だよ。それに店の魚を買いたいんだよ」
「わるいね兄さん!なら、おまけするから買ってくれよ。どれが良いんだい?」
「なら、この蟹を有るだけと、海老も有るだけくれ。それと、これは鱈かな?」
「たら?違うぞ!これは白だ!」
「なら、この白を卸して貰っていいかい?三匹分」
「いいせ?三匹分だな?」
「ああそれと、この貝とこっちの魚をくれよ」
「分かった!貝と魚は、ざるに乗ってるだけで良いのか?」
「ああそれでいいよ?全部でいくら?」
「ちょっと待っててくれ、包んじまうからよ!……………っと、これに、これと……あと……。よし!これで全部だな。兄さんこんなに買ってくれて、ありがとうよ!全部で金貨一枚に大銀貨一枚、銀貨三枚に、大銅貨5枚だ」
「ならはい!金貨二枚だ。釣りはいいや?その代わりにさ、良い宿知らないか?」
「わ、悪いね?兄さん毎度。宿かい?宿だったら……そうだな……。ああこの先に港屋と言う、飯屋があるんだ。そこを通り越すとジンクと言う宿屋がある。そこは、おすすめだぞ?飯が旨い」
「そ、そうか?なら、行ってみるよ?」
「おう、行くならベイルからの紹介と言えば少しは融通してくれる筈だ」
「じゃそこに言ってみるよ。あと蟹ごちそうさま」
「おじさん、ありがとう」
「おう、坊主また来いよ?」
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