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第2章

第17話 港町アルガスト

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 町に入る列に並んでいると思い出す。
 二年前カイトと前の町に入った事を、あれからカイトは大きくなったねぇ~。
 うん、実に親父臭いな俺!

「兄ちゃん……?」
「なんだよ」
「思い出した」
「何を」
「こうやって、並んでると二年前兄ちゃんに抱っこされて、町に入ったのをさっ。あれ思い出した」
「そ、そうか?懐かしいな?カイトは泣き虫だったからな。ハハハ」
「ん~それは、恥ずかしい」
「仕方ないだろ?お前めっちゃ、怖がってたんだからさっ」
「そうだけど……」
「なに?チビの頃の事が嫌なの?今でも十分チビだけど?」
「ひでぇ……。でも、馬車から落ちたの思い出した」
「そうか、痛かったな。お前、あちこち怪我してたしな。だけど……その前の事は?」
「なんとなく覚えてる。俺が寝てたら、誰かが突然俺の目の前に立っててさ。そいつが俺に袋を被せたんだ」

 やっぱり人身売買の口減らしか。

「そうか……」
「それで、ガタンって音がしたら僕が落ちたんだ。それから転がった記憶があるけど……。後は兄ちゃんに会って」

 そこは変わってねえのな。アハハ。

「分かった、分かったからもう良いぞ?ほら、もうすぐ門番にカード見せないとな。町に入る手続きしないと」
「わ、分かった」

 そして、俺達の順番が来たので門番に呼ばれて側に行く。

「ようこそ、アルガストの町へ。君達、身分証はあるかい?」
「ええ、これです。カイトお前も出せ」
「あ、はいこれです」
「ほう、冒険者かい?随分ランクが高いな。Aランクとは凄い!連れの子供は……Dランクか。子供なのに凄いな!」
「ええ、二人でコツコツランク上げて。頑張ったんですよ」
「そうか、兄弟ですごいね?はい、どうぞ中に入ってくれ。通行税は半額の、銀貨1枚と大銅貨5枚だ」
「そうですか。ならこれでお願いします」

 素直に言われた金額を門番に支払うと、門番がニコリと笑って通って良いぞといってくる。

「はい確かに」
「あ、門番さん」
「なんだい、坊や?」
「冒険者ギルドは何処ですか?」
「ギルドなら、ここを真っ直ぐに行けばあるぞ!」
「そうですか、ありがとございます」
「おう、兄ちゃんと頑張れよ?坊主」
「はい!ありがとうございます。お兄ちゃん行こう」
「お、おう」

 カイトと二人で門を抜けて町に入ると、門番に聞いた通りに言われた道を真っ直ぐ歩く。

「カイト、やったな?」
「なに?」
「レツを見られないようにしたろ?お前」
「だって騒がれても困る。どうせギルドで騒がれるんだから、面倒は一回でいいよ」
「ま、そうなんだが……申告しなかったからなぁ……問題にならないと良いがね?」
「その時は任せた!兄ちゃん口が上手いからね」
「なんだそれは?」
「だって、毎回何かあると煙りに巻くじゃんか」
「お前、何処でそんな言葉覚えたの?」
「え?前のギルマスに教えて貰った」

 あいつ!碌な事を教えねぇ~。
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