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第2章
第8話 不審者
しおりを挟む「きゃーーー!」
な、なに?叫び声?なぜだ、誰かが喧嘩でもしてるのか?
「ちょっと、どいて?」
ピンク色の髪をした、見た目が華奢な女が突然側にいた令嬢を突き飛ばしながら、誰かを探しているようにパーティー会場に現れた。
「きゃ!」
「な、なんですの!」
「どいて、どきなさいよ!邪魔よ!」
と言いって、外のご令嬢に無礼を働きながら歩く女の姿が……チラリと見えた。
だが、俺もチラ見しただけなので、何が起こっているのかが、今一把握出来ない。
把握はしていないが………嫌な予感はするのだ。
しかし、こちらには未だ気が付いていない様で逃げれるぞ!
けれど、何故この場にあの女が来るのだろう?
…………おかしいだろ?こんな場面はなかった筈だが……?
「ラインハルト殿下?なんだか会場が騒がしいですわね?それに、お顔の色が?お加減でも悪くされましたの?」
「い、嫌。何でもないよ?サリア。そうだね何か会場が騒がしい。ここは危ないね、父上達の側まで戻ろうか?サリア、それとグランバルも戻るぞ?」
「ええ?そうしましょうか?」
「ああ、そうだね。彼処なら誰か来てもすぐに対処出来ます。アリア?」
「なんですの?」
「義兄上の元に、戻れるかい?」
「ええ、声がする方を避けて戻りますわ。グランも気をつけて?」
「悪いね?」
アリア嬢と別れると、俺たち三人は父上達の元に戻る。
「さ、戻ろうか?」
「ええ」
「急ごう?なんだか嫌な予感がする」
感が鋭いねグランバル!流石だよ!
「グラン?私が送った物に、魔力流しておくと良いぞ?」
「あぁ……あれにですね?」
「ああ、サリアもね?」
俺のその言葉に何かを感じ取ってくれたのか二人は無言でうなずいた後に、送ったアクセに魔力を流す。俺もついでに魔力を流しておく。
騒がしい会場の中を、三人で歩き父上の元に戻る。
「ライト?どうした?」
「父上?それに義父上?なにか会場に……」
「やっと見つけたわぁ~!」
その後の言葉を遮られてしまった……。
またかよまったく!誰だよ!
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