上 下
17 / 29
我が家で、そして……

第3話

しおりを挟む
母よ、私の肩をがっちり掴んで威圧しないでくださいませ!それに痛いですわ。

「お、お母様…お顔が怖いです。それに肩も痛い……」
「あら~シェルちゃん? お母様のお顔が怖いですって?」

ひぃーーこ、怖い。
お父様と、お兄様に助けて!と目で訴えると二人に目を逸らされたわ!
うぅ酷いぃ~もう、助けてよ!

「い、いえ~別に。わ、私の気のせいでしたわ!」
「んフフ、そうよね?シェル」 
「ですがお母様、その…肩からは、手を離してくれるとありがたいですわ!」
痛いわよ!母。
「あらあら、ごめんなさいね? シェルちゃんが、あんまり我が儘を言うものだから、お母様手に力が入ってしまったわ。うふ♡」

不気味に笑う母に寒気を覚える。
母は普段は温厚で優しい方だけれど怒ると怖い。
それに母の怒りに触れると、父でも押ささえ切れない程の威圧感が荒れ狂う始末。
本当に怖いのだ。

「そうか、納得したのかシェル。それなら決まりだな! 社交シーズンを乗り切ってからの領地へ戻るで良いな。シェルよ、お前の気持ちは良く分かる。だが、ここは大人しくしててくれ。学園も卒業したことだし、もう暫くこの屋敷でのんびりしても良いだろう。それに任せたい事も有るんだ」
「ま、任せる?」

一体なにを遣らせる気なのかしら?
簡単なお仕事でしたらお手伝い致しますが…何をさせる気かしら。

「まあ、そう身構えるな。シェル、なに簡単な仕事だぞ、なぁマーガレットよ!」
「ええ、そうよ~!私のお仕事に付き合って頂戴ねっ」
「お、お母様の……ま、まさか社交…なんて事は無いですわよね?」
「ウフフ、そんなことはさせんよシェルちゃん。お仕事と言っても大した事ではない」
「そうねぇ~あれは……お仕事では無いわね。むしろ奉仕ね無料の」
奉仕?無料……ああ、ボランティア!
「奉仕ですの?」
「そう、奉仕よ。私が王妃と一緒に神殿に居る子供達や、最下層の民達に神殿の前で炊き出しを毎月二回行っているでしょ~?」
「ええ、存じてますが……。ですが…あれは王妃様の」
「知ってるなら話は早いわ。王妃様はね、前々からお考えが有ったのよ?」

考え?何かしら。

「お考えですか……」
「シェルちゃんが王家の一員に成ったら私と貴女と三人で、神殿での炊き出しの手助けを一緒に遣りたかったそうなのよ。だからねシェルちゃん、私とその現場に行って貰うわ」
「まさか王妃様と炊き出しをですの?」

ええ~行きたくない。

「ええ、そうよ。どうせうちに居ても遣ることがないのでしょ?」
「……まあ、それもそれはそうかも知れませんが」

けれど私は先に冒険者登録をしたいのよね。
それでお兄様と狩りに行きたいし。
それに……リドも連れて行きたい。
あっ、リドって私の従魔なのよ。
普段は子猫なんだけど、実は大きく成れるのよ。
リドはアリスタス様からのプレゼントに……為るのかしら?種類はサーベルタイガーなのですって。
まあ要はね、アリスタス様からのお詫びだそうなの。私の従魔だと言って渡されたのよ。
渡された時はビックリしたけどめっちゃ可愛いのよ!
だからこんな狭い王都の屋敷じゃなくて、思いっきり領地のあのだだっ広い山の中で狩りをさせたかったのだけどねぇ~。
ま、王都の近くにも森は有ってそこにも魔物は出るからそこで狩りでも良いんだけれどね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

前世は最悪だったのに神の世界に行ったら神々全員&転生先の家族から溺愛されて幸せ!?しかも最強➕契約した者、創られた者は過保護すぎ!他者も!?

a.m.
ファンタジー
主人公柳沢 尊(やなぎさわ たける)は最悪な人生だった・・耐えられず心が壊れ自殺してしまう。 気が付くと神の世界にいた。 そして目の前には、多数の神々いて「柳沢尊よ、幸せに出来なくてすまなかった転生の前に前の人生で壊れてしまった心を一緒に治そう」 そうして神々たちとの生活が始まるのだった... もちろん転生もします 神の逆鱗は、尊を傷つけること。 神「我々の子、愛し子を傷つける者は何であろうと容赦しない!」 神々&転生先の家族から溺愛! 成長速度は遅いです。 じっくり成長させようと思います。 一年一年丁寧に書いていきます。 二年後等とはしません。 今のところ。 前世で味わえなかった幸せを! 家族との思い出を大切に。 現在転生後···· 0歳  1章物語の要点······神々との出会い  1章②物語の要点······家族&神々の愛情 現在1章③物語の要点······? 想像力が9/25日から爆発しまして増えたための変えました。 学校編&冒険編はもう少し進んでから ―――編、―――編―――編まだまだ色んなのを書く予定―――は秘密    処女作なのでお手柔らかにお願いします。文章を書くのが下手なので誤字脱字や比例していたらコメントに書いていただけたらすぐに直しますのでお願いします。(背景などの細かいところはまだ全く書けないのですいません。)主人公以外の目線は、お気に入り100になり次第別に書きますのでそちらの方もよろしくお願いします。(詳細は200) 感想お願いいたします。 ❕只今話を繋げ中なためしおりの方は注意❕ 目線、詳細は本編の間に入れました 2020年9月毎日投稿予定(何もなければ)  頑張ります (心の中で読んでくださる皆さんに物語の何か案があれば教えてほしい~~🙏)と思ってしまいました。人物、魔物、物語の流れなど何でも、皆さんの理想に追いつくために! 旧 転生したら最強だったし幸せだった

【完結】捨てられ令嬢は王子のお気に入り

怜來
ファンタジー
「魔力が使えないお前なんてここには必要ない」 そう言われ家を追い出されたリリーアネ。しかし、リリーアネは実は魔力が使えた。それは、強力な魔力だったため誰にも言わなかった。そんなある日王国の危機を救って… リリーアネの正体とは 過去に何があったのか

婚約破棄された悪役令嬢。そして国は滅んだ❗私のせい?知らんがな

朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
婚約破棄されて国外追放の公爵令嬢、しかし地獄に落ちたのは彼女ではなかった。 !逆転チートな婚約破棄劇場! !王宮、そして誰も居なくなった! !国が滅んだ?私のせい?しらんがな! 18話で完結

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。

音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。 その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。 16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。 後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

ママチャリってドラゴンですか!? ~最強のミスリルドラゴンとして転生した愛車のママチャリの力を借りて異世界で無双冒険者に~ 

たっすー
ファンタジー
フードデリバリーをしていたオレは、仕事中の事故で死んでしまい、異世界に転生した。 だけど転生した後も日雇い仕事に精を出すだけのうだつのあがらない毎日は変わらなかった。 そんなある日、路地裏の揉め事に巻き込まれる。 手酷い暴行を受け意識を失ってしまったオレを宿まで運び傷を治してくれたのは、オレよりも遅れてこの世界に転生してきた、元の世界にいた頃の愛車(ママチャリ)シルバーチャリオッツ号だった。 シルバーチャリオッツ号はこの世界にドラゴンとして転生してきており(でも見た目は自転車のまんま)、思念伝達のスキルで会話ができる(でもちょっとウザい)オレの相棒となる。 転生にともなって思念伝達以外にも様々なスキルを獲得していたシルバーチャリオッツ号は、この世界では超つよのチートドラゴンだった(でも見た目は自転車)。 転生前の自炊生活で学んだオレの料理の知識と、シルバーチャリオッツ号のチート能力を駆使して、オレたちは様々な問題を解決していく。 最強ママチャリとちょっと料理ができるだけのオレの異世界活躍譚。 あれ、もしかしてオレってオマケ?

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

処理中です...