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7.女王の奏でるラプソディー
13.嵐の夜に……①
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「予測が甘かったようですね……」
航海長の記憶にある無人島へとQAが舵を切ったのですが、既に波の高さは四メートル前後に達していました。当然の事ながら、海はつながっていますから、すでに嵐の海域に五十キロ以内の距離では、波や風の影響が出てきています。
僕は船務長であるユイに下命します。
「船務長、全艦に荒天準備を発令します。船体の動揺に対する処置、波の衝撃及び波の打ち込みに対する処置を実施させてください」
ユイは頷くと、艦内放送で総員起こしを行い、荒天準備作業を発令します。荒天準備作業とは、艦体が揺れる事に対抗する処置と、波の衝撃、波の打ち込みなどに対する措置に分かれます。
艦体が揺れる事に対する処置は、簡単にいうと船体が波によって揺れるので、移動物の固定やバラ積み貨物の安定、艦体の左右で積載物の極端な重量差をなくすことですね。重量差がある場合には、左右のバラストタンクへの注水量の調整も行います。
波の衝撃、波の打ち込みなどに対する措置には、艦体外部への扉と天窓の厳重な閉鎖や舵などの操舵関連の機器の点検、排水管・放水口の点検、浸水に備えた水密扉の閉鎖、艦底部にたまったビルジと呼ばれる不要水の確認と、ビルジの排水を行うビルジポンプの動作確認、錨の点検準備などがありますね。
続いてリアンに代わって艦橋要員になってもらったアーシャにも、別の命令をくだします。新人さんが増えたことで、機関長であるリアンは機関室に居た方が良いとの判断と、やはり婚約者同士が同じ職場にいると、いろいろまずい場合がありますので交代してもらったのです。
「副機関長、本艦は荒天に対応するため、艦内各所の風力発電システムへの風の供給口を閉鎖します。主機関のタービンだけの発電量になりますので、発電機とバッテリーのチェックをお願いします。また、機関部などの立ち作業を行う人の転倒防止に、命綱を装着する準備をお願いします」
ユイの艦内放送と、アーシャの連絡によって、艦内でも嵐への対策が行われていますが、実は艦橋も荒天対策をしなければいけないんですよね。いつやろうか悩んでいたのですが、今後を考えて、艦橋内部も荒天に備えた仕様に変更しましょう。
軍艦の艦橋というのは、某宇宙戦艦と違って、人間は立ってる場合が多いのです。これは、戦闘指揮所が運用され始めると、艦橋は航海・操艦と目視による目標の発見に目的が移ったためです。そのために、椅子があっても簡易な物が多いようです。
QAの場合は、僕が操艦する必要上一か所に集めたのですが、複数の士官で運用する場合、立ち作業ではきつい場合が増えてきています。青家の人間はなれていますが、それ以外の人間は長時間の立ちっぱなしの作業には不慣れなのと、荒天で揺れた場合に手すりや支柱にとっさに掴まるのは女子にはキツイですからね。
対策として、シートベルト付きの座席と、座っていても情報を確認できるように、職務に合わせた情報の表示装置を備えた操作卓を配置します。まあ、操作卓は機器類との接続まではすぐにはできませんので、後々調整するとします。
艦橋内に色々設置し始めた僕を、皆さん怪訝な目で見ていますが、座席を固定して各士官に座ってもらうと、イリスさんやユイを始めとした女性陣には好評です。操舵を行う航海長は、舵輪回りに手すりと命綱を用意させてもらいました。その後は、艦内各所からの荒天準備の状況を確認します。
「船務長、砲雷科では両舷魔導砲全門に対し、砲栓を行い射角を伏角にとりました。各砲座の防水対策は完了済みです」
「こちら航空指令です。飛行甲板上の荒天作業準備は完了しました。発着艦作業員は待機所に待機完了。現在格納庫では荒天に対して、各機の固定作業を実施中です」
「荒天時マニュアルに沿って、艦外に接する区画は両隣の区画との防水扉を五分後に閉鎖します。各デッキR5通路の水平移動は、指示あるまで禁止します」
さっそくユイが固定座席に座っての作業を開始しています。最低限必要な機器は動作可能にしましたが、既に使い慣れているようですね。
イリスさんは椅子へのおさまりが悪いのか、いまいちしっくりこないようです。あぁ、トイレは今のうちに行っておいてもらいましょう。傾斜や衝撃で水があふれる可能性があるので、荒天時はトイレは使用できないのです。
アーシャはさすがに紅家の頭首筆頭嫁候補(いや婚約者でしたね)なだけあって、座席に座ると機関各部の出力表示などを確認しています。すでに発電量は風力・太陽光ともに零ですので、機関の発電機がおちるとかなり厳しい状態になりますね。
「艦長、艦内の不要箇所の照明を、非常灯に切り替えたいのですが、許可を願います」
アーシャからの意見に僕は少し考えて了承します。考えたのは、赤色照明だけだと不安になる人も出るんじゃないかと思ったのですが、いきなり暗くなるよりは良いでしょう。
「航海長、目標の島には間に合いそうもありません。座礁の危険を考慮して、近海の安全な海域を航行しながら嵐の領域を避けます。それと、航海長といえど、動力船での大きな嵐に対した経験は無いでしょうから、『クイーン』に直接操艦を任せます。それを見て、荒天時の操艦や機関出力の状況を把握してください」
僕の指示に、航海長は頷いたのでした……
*****閑話休題*****
QAの艦橋から見ていても、嵐の海は生きている心地がしませんね。大波によって上下する艦首、艦橋よりも高いんじゃないかと思える大波は、波頭が強風によって白く砕けています。
時折、艦首で砕かれた波しぶきが、艦橋の窓を激しく打ち、視界が途切れる時もあります。艦橋でこれなのですから、舷側の窓から外を見ていると、時折水の中に潜っているように見えるんじゃないでしょうか?
これだけ巨大な船なのに、左右への傾斜は時折二十度を超えているようにみえますね。固定されていなければ、ものが左右に転がっているでしょう。
「クイーン、操艦に問題はない?」
僕の質問に、クイーンは素っ気無く答えてくれます。
『あまり船速を落とすと、舵の効きが悪くなるね。船首を風浪に立てるか、艦尾を向けるかは状況次第だけど、真横から喰らえば僕でも横転するね。あと、大きな転舵は危険』
航海長はクイーンの説明をしっかりとメモを取っていますが、話自体は難しいわけではありません。それを操舵と機関出力だけで調整するのが難しいのだと思います。艦全体もバラストタンクに注水して、いつもより喫水が深くなっています。そうでもないと、波の振幅でスクリューが海面より上に出てしまえば、圧力差から機関に負荷がかかります。当然艦尾が水中をでてしまえば、舵も効かなくなりますからね。
その時前方を監視していた監視員から、悲鳴交じりの報告が入ります。
「前方大波、波高高い!!」
『ちっ、来るぞ!!』
クイーンの警戒を促す声と共に、大波が押し寄せ、うねりで艦首が下がったところに、波高二十メートルはありそうな波が打ち付けると、艦橋まで波が押し寄せます。
「きゃぁぁ、沈む~」
『この程度で沈みませんよ!!』
アーシャの悲鳴とクイーンの声が響く中で、艦橋の前面ガラスは、打ち寄せられた海水でまるで潜水して水の中に居るようです。時間にして十秒程度ではありましたが海水が流れ去ると、こんどは波にのり船底から突き上げる感じで浮遊感が襲った後、艦の重さで艦首が海面を割り、落下感が僕たちを襲います。
同時に飛行甲板上は、押し寄せた海水に覆われて、真っ白になりながら分かれて流れていきます。
「……生きた心地がしませんでしたよ。並みの船なら、いまので乗組員が落水しておしまいです」
航海長のつぶやきが聞こえますが、艦橋内の士官はみんな似たような状態です。僕自身、風浪階級9でも耐えられるように作ったつもりですが、魔法無しの艦構造だけで耐えられるとは思っていませんでした。
「……各部被害報告、特に乗組員に怪我人は出ませんでしたか?」
僕がたずねると、いつもならユイがすぐに返事をするのですが、今は無言です。というか、僕と航海長しか起きてないじゃないですか!
艦橋内を見回すと、イリスさんが前かがみになってぐったりしています。ほとんどの士官は着席していましたので、怪我人はいませんが、確認するとユイとアーシャはシートベルトに身体を支えられながら、イリスさんと同じような状況です。
『クイーン、船体は大丈夫?』
僕が声をかけると、クイーンは大きく伸びをして『問題ない』とつぶやきます。クイーンが問題ないというのですから、船体への深刻なダメージはないのでしょうが、乗員の疲労が激しいようですね。昨夜から十時間余り、嵐の海との格闘でしたからね。
幸い先ほどの大波が一番きつい部分だったようで、徐々に収まりつつある波浪をみながら、僕はベルトを外すとイリスさんに近寄り、肩をゆすります。四点式のシートベルトだったので、操作卓に頭をぶつけたりはしていないでしょうけど、圧迫感になれていませんからね。すぐに目覚める様子はありませんので、仕方なく僕は自席にもどって艦内放送を流します。
『こちら艦橋です。各部の被害報告、装備及び人に関して報告願います』
僕の声による艦内の損害報告を促す放送によって、ひとまず嵐の航海が終了しました。
航海長の記憶にある無人島へとQAが舵を切ったのですが、既に波の高さは四メートル前後に達していました。当然の事ながら、海はつながっていますから、すでに嵐の海域に五十キロ以内の距離では、波や風の影響が出てきています。
僕は船務長であるユイに下命します。
「船務長、全艦に荒天準備を発令します。船体の動揺に対する処置、波の衝撃及び波の打ち込みに対する処置を実施させてください」
ユイは頷くと、艦内放送で総員起こしを行い、荒天準備作業を発令します。荒天準備作業とは、艦体が揺れる事に対抗する処置と、波の衝撃、波の打ち込みなどに対する措置に分かれます。
艦体が揺れる事に対する処置は、簡単にいうと船体が波によって揺れるので、移動物の固定やバラ積み貨物の安定、艦体の左右で積載物の極端な重量差をなくすことですね。重量差がある場合には、左右のバラストタンクへの注水量の調整も行います。
波の衝撃、波の打ち込みなどに対する措置には、艦体外部への扉と天窓の厳重な閉鎖や舵などの操舵関連の機器の点検、排水管・放水口の点検、浸水に備えた水密扉の閉鎖、艦底部にたまったビルジと呼ばれる不要水の確認と、ビルジの排水を行うビルジポンプの動作確認、錨の点検準備などがありますね。
続いてリアンに代わって艦橋要員になってもらったアーシャにも、別の命令をくだします。新人さんが増えたことで、機関長であるリアンは機関室に居た方が良いとの判断と、やはり婚約者同士が同じ職場にいると、いろいろまずい場合がありますので交代してもらったのです。
「副機関長、本艦は荒天に対応するため、艦内各所の風力発電システムへの風の供給口を閉鎖します。主機関のタービンだけの発電量になりますので、発電機とバッテリーのチェックをお願いします。また、機関部などの立ち作業を行う人の転倒防止に、命綱を装着する準備をお願いします」
ユイの艦内放送と、アーシャの連絡によって、艦内でも嵐への対策が行われていますが、実は艦橋も荒天対策をしなければいけないんですよね。いつやろうか悩んでいたのですが、今後を考えて、艦橋内部も荒天に備えた仕様に変更しましょう。
軍艦の艦橋というのは、某宇宙戦艦と違って、人間は立ってる場合が多いのです。これは、戦闘指揮所が運用され始めると、艦橋は航海・操艦と目視による目標の発見に目的が移ったためです。そのために、椅子があっても簡易な物が多いようです。
QAの場合は、僕が操艦する必要上一か所に集めたのですが、複数の士官で運用する場合、立ち作業ではきつい場合が増えてきています。青家の人間はなれていますが、それ以外の人間は長時間の立ちっぱなしの作業には不慣れなのと、荒天で揺れた場合に手すりや支柱にとっさに掴まるのは女子にはキツイですからね。
対策として、シートベルト付きの座席と、座っていても情報を確認できるように、職務に合わせた情報の表示装置を備えた操作卓を配置します。まあ、操作卓は機器類との接続まではすぐにはできませんので、後々調整するとします。
艦橋内に色々設置し始めた僕を、皆さん怪訝な目で見ていますが、座席を固定して各士官に座ってもらうと、イリスさんやユイを始めとした女性陣には好評です。操舵を行う航海長は、舵輪回りに手すりと命綱を用意させてもらいました。その後は、艦内各所からの荒天準備の状況を確認します。
「船務長、砲雷科では両舷魔導砲全門に対し、砲栓を行い射角を伏角にとりました。各砲座の防水対策は完了済みです」
「こちら航空指令です。飛行甲板上の荒天作業準備は完了しました。発着艦作業員は待機所に待機完了。現在格納庫では荒天に対して、各機の固定作業を実施中です」
「荒天時マニュアルに沿って、艦外に接する区画は両隣の区画との防水扉を五分後に閉鎖します。各デッキR5通路の水平移動は、指示あるまで禁止します」
さっそくユイが固定座席に座っての作業を開始しています。最低限必要な機器は動作可能にしましたが、既に使い慣れているようですね。
イリスさんは椅子へのおさまりが悪いのか、いまいちしっくりこないようです。あぁ、トイレは今のうちに行っておいてもらいましょう。傾斜や衝撃で水があふれる可能性があるので、荒天時はトイレは使用できないのです。
アーシャはさすがに紅家の頭首筆頭嫁候補(いや婚約者でしたね)なだけあって、座席に座ると機関各部の出力表示などを確認しています。すでに発電量は風力・太陽光ともに零ですので、機関の発電機がおちるとかなり厳しい状態になりますね。
「艦長、艦内の不要箇所の照明を、非常灯に切り替えたいのですが、許可を願います」
アーシャからの意見に僕は少し考えて了承します。考えたのは、赤色照明だけだと不安になる人も出るんじゃないかと思ったのですが、いきなり暗くなるよりは良いでしょう。
「航海長、目標の島には間に合いそうもありません。座礁の危険を考慮して、近海の安全な海域を航行しながら嵐の領域を避けます。それと、航海長といえど、動力船での大きな嵐に対した経験は無いでしょうから、『クイーン』に直接操艦を任せます。それを見て、荒天時の操艦や機関出力の状況を把握してください」
僕の指示に、航海長は頷いたのでした……
*****閑話休題*****
QAの艦橋から見ていても、嵐の海は生きている心地がしませんね。大波によって上下する艦首、艦橋よりも高いんじゃないかと思える大波は、波頭が強風によって白く砕けています。
時折、艦首で砕かれた波しぶきが、艦橋の窓を激しく打ち、視界が途切れる時もあります。艦橋でこれなのですから、舷側の窓から外を見ていると、時折水の中に潜っているように見えるんじゃないでしょうか?
これだけ巨大な船なのに、左右への傾斜は時折二十度を超えているようにみえますね。固定されていなければ、ものが左右に転がっているでしょう。
「クイーン、操艦に問題はない?」
僕の質問に、クイーンは素っ気無く答えてくれます。
『あまり船速を落とすと、舵の効きが悪くなるね。船首を風浪に立てるか、艦尾を向けるかは状況次第だけど、真横から喰らえば僕でも横転するね。あと、大きな転舵は危険』
航海長はクイーンの説明をしっかりとメモを取っていますが、話自体は難しいわけではありません。それを操舵と機関出力だけで調整するのが難しいのだと思います。艦全体もバラストタンクに注水して、いつもより喫水が深くなっています。そうでもないと、波の振幅でスクリューが海面より上に出てしまえば、圧力差から機関に負荷がかかります。当然艦尾が水中をでてしまえば、舵も効かなくなりますからね。
その時前方を監視していた監視員から、悲鳴交じりの報告が入ります。
「前方大波、波高高い!!」
『ちっ、来るぞ!!』
クイーンの警戒を促す声と共に、大波が押し寄せ、うねりで艦首が下がったところに、波高二十メートルはありそうな波が打ち付けると、艦橋まで波が押し寄せます。
「きゃぁぁ、沈む~」
『この程度で沈みませんよ!!』
アーシャの悲鳴とクイーンの声が響く中で、艦橋の前面ガラスは、打ち寄せられた海水でまるで潜水して水の中に居るようです。時間にして十秒程度ではありましたが海水が流れ去ると、こんどは波にのり船底から突き上げる感じで浮遊感が襲った後、艦の重さで艦首が海面を割り、落下感が僕たちを襲います。
同時に飛行甲板上は、押し寄せた海水に覆われて、真っ白になりながら分かれて流れていきます。
「……生きた心地がしませんでしたよ。並みの船なら、いまので乗組員が落水しておしまいです」
航海長のつぶやきが聞こえますが、艦橋内の士官はみんな似たような状態です。僕自身、風浪階級9でも耐えられるように作ったつもりですが、魔法無しの艦構造だけで耐えられるとは思っていませんでした。
「……各部被害報告、特に乗組員に怪我人は出ませんでしたか?」
僕がたずねると、いつもならユイがすぐに返事をするのですが、今は無言です。というか、僕と航海長しか起きてないじゃないですか!
艦橋内を見回すと、イリスさんが前かがみになってぐったりしています。ほとんどの士官は着席していましたので、怪我人はいませんが、確認するとユイとアーシャはシートベルトに身体を支えられながら、イリスさんと同じような状況です。
『クイーン、船体は大丈夫?』
僕が声をかけると、クイーンは大きく伸びをして『問題ない』とつぶやきます。クイーンが問題ないというのですから、船体への深刻なダメージはないのでしょうが、乗員の疲労が激しいようですね。昨夜から十時間余り、嵐の海との格闘でしたからね。
幸い先ほどの大波が一番きつい部分だったようで、徐々に収まりつつある波浪をみながら、僕はベルトを外すとイリスさんに近寄り、肩をゆすります。四点式のシートベルトだったので、操作卓に頭をぶつけたりはしていないでしょうけど、圧迫感になれていませんからね。すぐに目覚める様子はありませんので、仕方なく僕は自席にもどって艦内放送を流します。
『こちら艦橋です。各部の被害報告、装備及び人に関して報告願います』
僕の声による艦内の損害報告を促す放送によって、ひとまず嵐の航海が終了しました。
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