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第47話 魔術適性の分析を受けてみた
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やがて独り言を終えた職員は、頬を掻きつつ結論を述べる。
「魔力量が微少すぎて、逆に制御が簡単になっている……可能性はありますね。それにしたって上手くいきすぎですが、そこはあなたの器用っぷりが発揮されたということで」
「納得できたか?」
「渋々ですけどね。未だに信じられません」
職員は不満そうに言う。
それでもこちらの説明を疑っているわけではないようだ。
微妙な空気感の中、ビビがここぞとばかりに発言する。
「ご主人すごいでしょ」
「地味な人だと思ってましたけど、意外とやりますね。ますます器用貧乏に磨きがかかってます」
「……それは否定できないな」
そこで一旦、此度の探索の話は終わった。
俺達は職員に頼んでトロールの防具を査定してもらう。
売却額が算出されて問題なければそのまま売ることになる。
まあ、ギルドがぼったくりをすることはまずない。
向こうの言い値で売る形になるだろう。
査定待ちとなったところで職員が話しかけてきた。
「これからどうするんです?」
「まずは治療術師に手当をしてもらう。魔術で処置は施したがまだ痛む」
「それは行った方がよさげっすね。紹介状を書きましょう。少し割引になりますよ」
「どういう風の吹き回しだ」
「魔術の習得記念っす。これくらいはさせてください」
何かを書き記した紹介状を職員が渡してくる。
俺は素直に受け取った。
紹介状に載せられた名前は知らない。
この街の治療術師らしいが、いつもギルドで頼むので利用したことがなかった。
まあ、彼女が勧める場所なら問題ないだろう。
ここは行ってみようと思う。
治療が終わる頃には査定も完了するはずだ。
ギルドを出る際、職員が良い笑顔で俺の肩を叩いた。
彼女は囁き声で告げる。
「雷属性について知りたくなったらいつでも訊いてくださいね」
「分かった。助かる」
俺はそれだけ答えると、ビビと共にギルドを後にするのだった。
「魔力量が微少すぎて、逆に制御が簡単になっている……可能性はありますね。それにしたって上手くいきすぎですが、そこはあなたの器用っぷりが発揮されたということで」
「納得できたか?」
「渋々ですけどね。未だに信じられません」
職員は不満そうに言う。
それでもこちらの説明を疑っているわけではないようだ。
微妙な空気感の中、ビビがここぞとばかりに発言する。
「ご主人すごいでしょ」
「地味な人だと思ってましたけど、意外とやりますね。ますます器用貧乏に磨きがかかってます」
「……それは否定できないな」
そこで一旦、此度の探索の話は終わった。
俺達は職員に頼んでトロールの防具を査定してもらう。
売却額が算出されて問題なければそのまま売ることになる。
まあ、ギルドがぼったくりをすることはまずない。
向こうの言い値で売る形になるだろう。
査定待ちとなったところで職員が話しかけてきた。
「これからどうするんです?」
「まずは治療術師に手当をしてもらう。魔術で処置は施したがまだ痛む」
「それは行った方がよさげっすね。紹介状を書きましょう。少し割引になりますよ」
「どういう風の吹き回しだ」
「魔術の習得記念っす。これくらいはさせてください」
何かを書き記した紹介状を職員が渡してくる。
俺は素直に受け取った。
紹介状に載せられた名前は知らない。
この街の治療術師らしいが、いつもギルドで頼むので利用したことがなかった。
まあ、彼女が勧める場所なら問題ないだろう。
ここは行ってみようと思う。
治療が終わる頃には査定も完了するはずだ。
ギルドを出る際、職員が良い笑顔で俺の肩を叩いた。
彼女は囁き声で告げる。
「雷属性について知りたくなったらいつでも訊いてくださいね」
「分かった。助かる」
俺はそれだけ答えると、ビビと共にギルドを後にするのだった。
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