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第78話 望む生活

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 改めて決意を固めつつ、今日も探索を進めていく。
 殺人鬼とモンスターにはあまり遭遇しない。
 隠れている生存者や人間狩りはたまに見つかった。

 とりあえず敵対的な者は例外なく殺害し、逃げる者については放置する。
 そのくらいの分別が付く。
 無差別に襲いかかるほど狂ってはいない。

 数時間後、探索を中断して自宅のマンションへと向かう。
 四人で決めた担当のエリアに含まれているので、合間で休憩に使っているのだ。
 まだ体力的には余裕があるものの、すべての時間を殺し合いに費やすほど執心できない。
 集中力にも限界がある。
 万が一にも気が緩んで、そこを突かれて殺されては冗談にもならないのだ。
 疲れを自覚する前に休むべきだろう。

 ファミレスに戻るのも手だが、今は自宅がいい。
 共同生活が苦痛なわけではない。
 それでも落ち着くのは自宅だった。
 前からインドア派の自覚はあったものの、これほど重度だとは思わなかった。
 自分だけの空間を気に入っているのだ。

 腕時計で時間を確かめる。
 デジタル表示はちょうど昼過ぎを示していた。
 前回はコンビニ飯だったので、今日は自宅で料理をするつもりだ。
 冷蔵庫に材料を入れてある。
 調味料も足りているはずなので困らないだろう。

 こういうリラックスできる瞬間を作らないとやっていられない。
 殺伐とした日々に何の意味があるのか。
 安らぎを勝ち取るために殺し合いに身を投じているのだ。
 両者のバランスを取らないから狂っていくのだろう。

 マンションに着くと、敷地内の各所に死体が散乱していた。
 仕掛けておいた無数の罠が発動した結果だ。
 プロテクター等の防具を着けているのが生存者や人間狩りだろう。
 コスプレ風の衣服で人体の一部が異形なのが殺人鬼に違いない。

 だいたいが即死と思われる状態だった。
 感電していたり、飛び出した槍に胸を貫かれていたり、矢の雨を浴びてハリネズミのようになっている。
 家電がめり込んで頭部が潰れていたり、腰を境に上半身と下半身が分断されている者もいた。

 訪れるたびにマンションの罠は改良してある。
 他の人間の拠点にあった罠を参考に、できるだけ確実に殺せるように工夫しているのだ。
 殺人鬼までも始末できているのは自画自賛したい点だった。

 なぜ彼らがマンションを訪れるかは不明である。
 大方、物資を狙いに来ていたのだろう。
 不法侵入者は絶対に許さない。
 今後も罠はしっかりと張っておくつもりだった。

 時間があるので、マンションに罠を張り直す。
 使わない各部屋にも罠はセットした。
 知らない人間やモンスターが住み着くと面倒だ。
 この敷地はもう自分の物であり、誰にも譲る気は無かった。
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