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第65話 殺人鬼と殺人鬼
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ここからどうにか交渉を進めるしかない。
向こうの出方が分からないので、臨機応変に会話を進めねば。
まずは戦闘を始まらせないことが優先だろう。
そう考えていた次の瞬間、ストレングスが雄叫びを上げる。
彼女は車止めのブロックを掲げて二人の殺人鬼に突進していった。
事前に伝えていた内容や目的など完全に忘れてしまった様子だ。
闘争本能が暴走したようだ。
もう、これは、止められそうになかった。
対する道化王子と紙袋姫は、手を繋ぎながら後退する。
彼らは向けられる殺気すらも楽しんでいた。
叩き付けられたブロックを難なく躱すと、反撃に打って出る。
まず道化王子が何かを投擲した。
ストレングスは怯まずに突っ込んでいく。
彼女の顔に何かが刺さった。
それはどうやらダーツの矢らしい。
この施設にあった備品だろう。
別の階にダーツができるスペースがあるのだ。
小さな矢はストレングスの右目と頬と首に刺さっている。
激しく動いているというのに、恐ろしいほどに正確な投擲術だった。
次に紙袋姫が服の袖を振る。
そこから緑色の蔦が飛び出してボーリングの球に巻き付いた。
蔦は遠心力を乗せて球を振り回すと、ストレングスの顔面を殴り付ける。
肉と骨の潰れる音が響き渡った。
紙袋姫は甲高い笑い声を上げながら、道化王子と共に二階へと消えていく。
残されたストレングスの顔面には、ボーリングの球がへばり付いたままだった。
やがてそれが剥がれ落ちて床にぶつかる。
ストレングスの顔は派手に破裂していた。
前面がボーリングの球の形に陥没している。
原形が分からなくなっており、粘性のある血を垂れ流していた。
矢の刺さった目玉も潰れてはみ出していた。
裂けた唇は赤い泡を吐いている。
ただの呼吸か、それとも何か発言を試みているのかは不明だ。
紙袋姫の操る蔦は何らかの変容だろう。
おそらくは植物系のモンスターから取得したに違いない。
彼女の間合いは見かけ以上に長いようだった。
ストレングスは動かない。
まさか死んだのかと思っていると、全身が震え出した。
そして彼女が大量の血を吐き出してから、腹を抱えて大笑いする。
まるで咆哮のような声量に驚く間に、潰れた顔が再生していった。
彼女は眼球を元の位置にはめ戻し、首に刺さった矢も引き抜いて乱雑に捨てる。
仕上げに顔の血を拭ったストレングスは、目を輝かせて周囲を見渡す。
そうして彼女が手に取ったのはビリヤードのキューだ。
先端を折って鋭利にさせると、満足そうに肩を叩いてまた笑う。
コック帽の殺人鬼は、同類との邂逅を心の底から満喫していた。
向こうの出方が分からないので、臨機応変に会話を進めねば。
まずは戦闘を始まらせないことが優先だろう。
そう考えていた次の瞬間、ストレングスが雄叫びを上げる。
彼女は車止めのブロックを掲げて二人の殺人鬼に突進していった。
事前に伝えていた内容や目的など完全に忘れてしまった様子だ。
闘争本能が暴走したようだ。
もう、これは、止められそうになかった。
対する道化王子と紙袋姫は、手を繋ぎながら後退する。
彼らは向けられる殺気すらも楽しんでいた。
叩き付けられたブロックを難なく躱すと、反撃に打って出る。
まず道化王子が何かを投擲した。
ストレングスは怯まずに突っ込んでいく。
彼女の顔に何かが刺さった。
それはどうやらダーツの矢らしい。
この施設にあった備品だろう。
別の階にダーツができるスペースがあるのだ。
小さな矢はストレングスの右目と頬と首に刺さっている。
激しく動いているというのに、恐ろしいほどに正確な投擲術だった。
次に紙袋姫が服の袖を振る。
そこから緑色の蔦が飛び出してボーリングの球に巻き付いた。
蔦は遠心力を乗せて球を振り回すと、ストレングスの顔面を殴り付ける。
肉と骨の潰れる音が響き渡った。
紙袋姫は甲高い笑い声を上げながら、道化王子と共に二階へと消えていく。
残されたストレングスの顔面には、ボーリングの球がへばり付いたままだった。
やがてそれが剥がれ落ちて床にぶつかる。
ストレングスの顔は派手に破裂していた。
前面がボーリングの球の形に陥没している。
原形が分からなくなっており、粘性のある血を垂れ流していた。
矢の刺さった目玉も潰れてはみ出していた。
裂けた唇は赤い泡を吐いている。
ただの呼吸か、それとも何か発言を試みているのかは不明だ。
紙袋姫の操る蔦は何らかの変容だろう。
おそらくは植物系のモンスターから取得したに違いない。
彼女の間合いは見かけ以上に長いようだった。
ストレングスは動かない。
まさか死んだのかと思っていると、全身が震え出した。
そして彼女が大量の血を吐き出してから、腹を抱えて大笑いする。
まるで咆哮のような声量に驚く間に、潰れた顔が再生していった。
彼女は眼球を元の位置にはめ戻し、首に刺さった矢も引き抜いて乱雑に捨てる。
仕上げに顔の血を拭ったストレングスは、目を輝かせて周囲を見渡す。
そうして彼女が手に取ったのはビリヤードのキューだ。
先端を折って鋭利にさせると、満足そうに肩を叩いてまた笑う。
コック帽の殺人鬼は、同類との邂逅を心の底から満喫していた。
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