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第57話 武器調達

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 その日のうちに武器の調達を始めた。
 殺人鬼を仕留めるための道具だ。
 今後の生存を考えると、すぐにでも用意しておくべきである。
 ストレングスと対面してそれを確信した。

 ただの包丁や拳銃では力不足だろう。
 戦法の工夫は必須の上で、ある程度は自作することになりそうだった。
 ネットに掲載された情報を参照して、候補となる武器をピックアップしていく。

 必要な材料をまとめると、近所で販売していそうな店を検索した。
 タブレットの地図アプリに登録して、午後から材料集めに向かう。

 人の多そうな店舗を避けながらの調達なので、やたらと時間がかかる。
 それでも戦闘は数度のモンスターとの遭遇だけで済ませて、欲しかった材料の大半を入手した。
 これだけ揃えば及第点だろう。
 自転車に載せた大量の収穫を部屋へと運んでいく。
 そして製作を開始した。

 まず最初に完成したのは、ステンレスのワイヤーロープだ。
 長さ二メートルほどで両端に革とゴムを巻いて持ち手を作っている。
 サイズを調節して持ち手を確保するだけなので、工作とも言えないほど簡単だった。
 それを四つ用意した。

 ワイヤーは相手に巻き付けて引き絞ることで切断できる。
 怪力が前提で、武器の性能が使う人間の変容度合いに依存する。
 今後もモンスターを殺し続けることで有用性が増していくだろう。
 密着した際に使う武器である。

 次に追加の火炎瓶を拵えた。
 ホームセンターにて配合して、より燃えやすくなっている。
 取り扱いには注意だが、回復力の高い殺人鬼にも通用するはずだ。
 着火用の百円ライターは常にポケットに入れておこうと思う。

 草刈り鎌は、まだ何の改造もしていない。
 柄が長いタイプで、死神の持つ大鎌と違って刃は小ぶりだ。
 リーチが優秀なので振り回せば牽制になりそうだった。
 過信はできないものの、役には立つだろう。

 自作の槍は、使い捨てで数を揃えた。
 相手に突き刺して動きを止めるのが目的である。
 心臓を刺せば多少は痛手にもなると思う。
 モンスターが相手でも使えるのではないか。

 電動タイプのチェーンソーはなぜか持ってきてしまった物の一つだ。
 取り回しは悪いが、身動きを封じた殺人鬼への駄目押しには適している。
 これで首や四肢を切断すれば終わりだ。
 ビジュアルや音による威圧感も大きいだろう。

 スレッジハンマーは強力な鈍器だ。
 人間の頭蓋などあっけなく粉砕できる。
 これもやはりモンスターとの戦闘にも併用するために持ってきた。

 他にも様々な武器や防具を手に入れたが、使う時に改めて確認しようと思う。
 結局、製作だけで一日が終わってしまった。
 集中して疲れたのでその日は大人しく寝た。
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