僕だけの箱庭

箱庭の崩壊を防ぎ、正しく導くには……

「あなた。ちょっと、そこのあなた」
 室内に響いた先生の声に顔を上げると、僕を見ている先生の視線と僕の視線がぶつかった。
 先生の視線を受けつつ、僕は自分の鼻先をさし、自身が呼ばれているのかをジェスチャーで確認する。僕のそのしぐさに、先生は大きく頷くと手招きをしてみせた。
「そう。あなた、あなたです。私に付いていらっしゃい」
 先生に連れられてやってきた部屋。自分の名前と同じ呼び名で呼ばれているその部屋で、僕は箱庭の世話をすることになった。
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