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閑話 マーティン侯爵 11
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ソフィア嬢がエドワーズ公爵家から出て行ってしまったと聞いた後、公爵閣下から話を聞く為に、エドワーズ公爵家に向かう事になった。
あのエドワーズ公爵閣下が、大変申し訳なさそうにして謝罪をしている。顔色が悪くて寝不足のようだ。恐らく、ソフィア嬢を心配して眠れていないのだろう。
話を聞くと、公爵閣下が登城している間に、愛人だと勘違いした公爵閣下の弟に、出て行くようにと言われて、公爵閣下の帰りも待たずに、すぐに出て行ってしまったと言うのだ。
家令やメイド長達は最後まで引き留めたようだが、彼女は、命令ですからすぐに出て行きますと言って引かなかったようだ。
愛人だと勘違いされるようなことをしていたのか…?そんな話を聞かされて、気分のいいものではない。一緒に話を聞いているクラーク卿からは、殺気を感じる。名門侯爵家の令嬢である義妹が、愛人呼ばわりされたことが面白くないのだろう。
しかし、すぐに出て行ってしまったというのは、ソフィア嬢自身の愛人ではないという意思表示の表れではないかと思う。
公爵である兄を心配してそういう行動に出たのだろうが、詳しい事情も知らず、一部の使用人だけの言葉を鵜呑みにしてそのような行動をとるなんて、公爵家の子息としては望ましいことではないと思う。第三者から見ても、公爵閣下の弟を見る目は冷え切っているのが分かる。
ソフィア嬢を見送った使用人達や家令、メイド長、そして駅まで送ったという御者の話を詳しく聞き、エドワーズ公爵家を後にする。
ソフィア嬢は駅に行ったというが、駅構内での目撃情報は無かった。駅員からは大きな街の駅で、利用客が多いので、分からないと言われてしまう。
またソフィア嬢探しは振り出しに戻ってしまった…。
駅近くにある教会にも尋ねてみるが、何も答えられないと言われてしまう。しかし何となくだが、シスターのあの雰囲気は、何か知っていそうな気もする。教会で保護されているなら、それはそれで安心ではあるが、きっと私には何も教えてくれないだろう。
側近や影を使って、また探していくしかないようだ。
そんな日々が続いていたある日。ソフィア嬢の白い結婚の手続きをした、神官から手紙が届く。
手紙には、神殿で噂になっている治療師がいると書いてあった。神殿所属の治療院で働いている元貴族令嬢らしい治療師がいるのだが、とても美しく、治癒魔法の評判がいいらしい。美しくて、強力な治癒魔法の使い手の彼女を、他の神官達が目をつけ、神官長の子息との縁談の話を進めてはどうかと話が出ていると言う。
手紙をくれた神官は、直接はその治療師とは話したことはないが、遠目で見た感じがソフィア嬢に似ていると思ったと書いてあった。
これはすぐに確認に行った方がいいな。明日は休日だから、週明けにでも治療院に患者として行ってみるか。神殿周辺も、影を使って調査してみよう。
治療院に行く計画を立てている時であった。エドワーズ公爵家から使者がやって来る。使者が持って来た手紙には、エドワーズ公爵閣下からの直筆で、ソフィア嬢を保護したことが書いてあるのであった。
彼女が見つかって安心はしたが、この胸騒ぎは一体…。
あのエドワーズ公爵閣下が、大変申し訳なさそうにして謝罪をしている。顔色が悪くて寝不足のようだ。恐らく、ソフィア嬢を心配して眠れていないのだろう。
話を聞くと、公爵閣下が登城している間に、愛人だと勘違いした公爵閣下の弟に、出て行くようにと言われて、公爵閣下の帰りも待たずに、すぐに出て行ってしまったと言うのだ。
家令やメイド長達は最後まで引き留めたようだが、彼女は、命令ですからすぐに出て行きますと言って引かなかったようだ。
愛人だと勘違いされるようなことをしていたのか…?そんな話を聞かされて、気分のいいものではない。一緒に話を聞いているクラーク卿からは、殺気を感じる。名門侯爵家の令嬢である義妹が、愛人呼ばわりされたことが面白くないのだろう。
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公爵である兄を心配してそういう行動に出たのだろうが、詳しい事情も知らず、一部の使用人だけの言葉を鵜呑みにしてそのような行動をとるなんて、公爵家の子息としては望ましいことではないと思う。第三者から見ても、公爵閣下の弟を見る目は冷え切っているのが分かる。
ソフィア嬢を見送った使用人達や家令、メイド長、そして駅まで送ったという御者の話を詳しく聞き、エドワーズ公爵家を後にする。
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またソフィア嬢探しは振り出しに戻ってしまった…。
駅近くにある教会にも尋ねてみるが、何も答えられないと言われてしまう。しかし何となくだが、シスターのあの雰囲気は、何か知っていそうな気もする。教会で保護されているなら、それはそれで安心ではあるが、きっと私には何も教えてくれないだろう。
側近や影を使って、また探していくしかないようだ。
そんな日々が続いていたある日。ソフィア嬢の白い結婚の手続きをした、神官から手紙が届く。
手紙には、神殿で噂になっている治療師がいると書いてあった。神殿所属の治療院で働いている元貴族令嬢らしい治療師がいるのだが、とても美しく、治癒魔法の評判がいいらしい。美しくて、強力な治癒魔法の使い手の彼女を、他の神官達が目をつけ、神官長の子息との縁談の話を進めてはどうかと話が出ていると言う。
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これはすぐに確認に行った方がいいな。明日は休日だから、週明けにでも治療院に患者として行ってみるか。神殿周辺も、影を使って調査してみよう。
治療院に行く計画を立てている時であった。エドワーズ公爵家から使者がやって来る。使者が持って来た手紙には、エドワーズ公爵閣下からの直筆で、ソフィア嬢を保護したことが書いてあるのであった。
彼女が見つかって安心はしたが、この胸騒ぎは一体…。
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