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そっとしておいて欲しい
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アマリアさんと庭園のガゼボに行くと、そこには公爵様のムカつく弟のアーサーさんがいた。
公爵邸で私を公爵様の愛人呼ばわりし、私が公爵邸を出て行くきっかけになった人。公爵邸を出て、今は楽しく過ごしているから別にいいのだけど、気不味いわー。しかも、上手く避けていたつもりでいたけど、私がいることがバレていたのね…。うっ、うっ、うっ。
やっぱり、あの時にダイアナと名乗った上に、ソフィアさんのこの目立つ容姿は良くなかったのか…。
アマリアさんは、私達が何か大切な話をすると聞いていたらしく、少し離れたベンチで彼氏と座って待っているようだ。アマリアさんが離れると、アーサーさんが口を開く。
「まさか、ここで君に再会出来るとは思わなかった。……謝罪をさせて欲しい。何も知らないで、君を兄上の愛人呼ばわりして、邸を追い出すようなことをして申し訳なかった。兄上は君が邸から出て行ったことに胸を痛めているし、君の実家の兄上殿や将軍閣下も、君を捜している。みんな、君を心配しているようだった。すぐに戻るか、手紙で無事を知らせるくらいはしてあげてくれないか?君に酷いことをした私が、こんなことを言うのはおかしいが…。どうか頼む。」
跪き、必死な表情で謝罪するアーサーさん。あの時のムカつく、煩い小舅のような雰囲気はなくなっていた。私がいなくなった後に、公爵様にお説教でもされたのか?
しかし、物騒なことも言ってるよね。元クソ旦那の将軍と、ソフィアさんの兄ちゃんが探しているって?ソフィアさんをずっと放っておいたくせに、何で今更捜すんだよ。体が弱った状態でいなくなったから、どっかで死んだと思ってくれたかと思っていたのに。
どうする?このアーサーさんに何て言う?連れ戻されたくないし、どうしよう?
「……ダイアナさん?顔色が悪いが?私が君を怯えさせているか?」
「…何のことでしょうか?私には全く心当たりのないお話ですし、私達は初対面ですわよね。ですから、謝罪も必要ありません。私に兄はいませんし、将軍閣下とは誰のことでしょう?…私は今の生活が気に入っていますので、今後はそっとしておいて下さいませ。人違いで連れ戻されたくもありませんから。よろしくお願いします。」
遠回しに、アンタとは関わりたくないし、公爵様の所には戻りたくないことと、兄と将軍とも関わるつもりはないから、余計な連絡をすんなよ!って、伝わったかな?
「…そこまで、嫌われていたとはな。私が勝手に勘違いして、君を傷付けたことは本当に申し訳なかった。しかし、私のことが嫌いであっても、兄上のことは嫌わないでくれ。君がいなくなって、兄上は深く悲しんでいたし、あんな風に怒りを露わにした兄上を初めて見たのだ。そこまで君が大切だったのだろう。どうか兄上に無事だという知らせくらいは出して欲しい。お願いだ!」
どこかで聞いたことのあるようなセリフだが。
公爵様にキツく怒られたってこと?確かに怒ると怖いよね。前に店で貴族令嬢を怒った時とか、怖かったもん。しかし、アンタが公爵様に怒られようが私には関係ないのだ。ざまぁ!
「騎士様。どうかお立ちくださいませ。私のような平民に跪くなどしてはいけませんわ。私は平民ですので、騎士様のお兄様のことも知りませんので、どうかお許し下さいませ。……失礼します!」
もう話すのも面倒になった私は、その場を早歩きで立ち去ることにした。この人も、今後は初対面の知らない人として関わろう。
しかし、その様子を遠くから見ていたアマリアさんとその彼氏には、とても驚かれたようだった。
翌日。
「ねえ、アーサーさんってダイアナの恋人?それとも、元カレとか?あの人、公爵令息よね?そんな身分の高い人がダイアナに跪いて、必死に何かを頼んでいたけど、復縁要請とかプロポーズだったりする?」
はあー。確かにあれは遠目から見たらそんな風に見る人がいてもおかしくはない。
私はアマリアさんにだけ、ザックリと話す事にした。
貴族と白い結婚で離縁して、店で住み込みで働いている時に、貴族令嬢に絡まれたりして困っていたら、アーサーさんのお兄様に助けられたこと。しばらく公爵邸でお世話になっていたが、それを見たアーサーさんに愛人と勘違いされたので、公爵邸を出て、この治療院で働く事になったこと。昨日は、アーサーさんから勘違いの謝罪をされたが、もう関わりたくないので、知らないフリをして話を終わらせて帰ったこと。
アマリアさんは、訳ありとは思っていたけど、良く頑張って来たわね!と言ってくれた。
しかし、アマリアさんの彼に何かを聞いたらしいオリバーさんが、やたら過保護で強引に関わって来るようになる。
公爵邸で私を公爵様の愛人呼ばわりし、私が公爵邸を出て行くきっかけになった人。公爵邸を出て、今は楽しく過ごしているから別にいいのだけど、気不味いわー。しかも、上手く避けていたつもりでいたけど、私がいることがバレていたのね…。うっ、うっ、うっ。
やっぱり、あの時にダイアナと名乗った上に、ソフィアさんのこの目立つ容姿は良くなかったのか…。
アマリアさんは、私達が何か大切な話をすると聞いていたらしく、少し離れたベンチで彼氏と座って待っているようだ。アマリアさんが離れると、アーサーさんが口を開く。
「まさか、ここで君に再会出来るとは思わなかった。……謝罪をさせて欲しい。何も知らないで、君を兄上の愛人呼ばわりして、邸を追い出すようなことをして申し訳なかった。兄上は君が邸から出て行ったことに胸を痛めているし、君の実家の兄上殿や将軍閣下も、君を捜している。みんな、君を心配しているようだった。すぐに戻るか、手紙で無事を知らせるくらいはしてあげてくれないか?君に酷いことをした私が、こんなことを言うのはおかしいが…。どうか頼む。」
跪き、必死な表情で謝罪するアーサーさん。あの時のムカつく、煩い小舅のような雰囲気はなくなっていた。私がいなくなった後に、公爵様にお説教でもされたのか?
しかし、物騒なことも言ってるよね。元クソ旦那の将軍と、ソフィアさんの兄ちゃんが探しているって?ソフィアさんをずっと放っておいたくせに、何で今更捜すんだよ。体が弱った状態でいなくなったから、どっかで死んだと思ってくれたかと思っていたのに。
どうする?このアーサーさんに何て言う?連れ戻されたくないし、どうしよう?
「……ダイアナさん?顔色が悪いが?私が君を怯えさせているか?」
「…何のことでしょうか?私には全く心当たりのないお話ですし、私達は初対面ですわよね。ですから、謝罪も必要ありません。私に兄はいませんし、将軍閣下とは誰のことでしょう?…私は今の生活が気に入っていますので、今後はそっとしておいて下さいませ。人違いで連れ戻されたくもありませんから。よろしくお願いします。」
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どこかで聞いたことのあるようなセリフだが。
公爵様にキツく怒られたってこと?確かに怒ると怖いよね。前に店で貴族令嬢を怒った時とか、怖かったもん。しかし、アンタが公爵様に怒られようが私には関係ないのだ。ざまぁ!
「騎士様。どうかお立ちくださいませ。私のような平民に跪くなどしてはいけませんわ。私は平民ですので、騎士様のお兄様のことも知りませんので、どうかお許し下さいませ。……失礼します!」
もう話すのも面倒になった私は、その場を早歩きで立ち去ることにした。この人も、今後は初対面の知らない人として関わろう。
しかし、その様子を遠くから見ていたアマリアさんとその彼氏には、とても驚かれたようだった。
翌日。
「ねえ、アーサーさんってダイアナの恋人?それとも、元カレとか?あの人、公爵令息よね?そんな身分の高い人がダイアナに跪いて、必死に何かを頼んでいたけど、復縁要請とかプロポーズだったりする?」
はあー。確かにあれは遠目から見たらそんな風に見る人がいてもおかしくはない。
私はアマリアさんにだけ、ザックリと話す事にした。
貴族と白い結婚で離縁して、店で住み込みで働いている時に、貴族令嬢に絡まれたりして困っていたら、アーサーさんのお兄様に助けられたこと。しばらく公爵邸でお世話になっていたが、それを見たアーサーさんに愛人と勘違いされたので、公爵邸を出て、この治療院で働く事になったこと。昨日は、アーサーさんから勘違いの謝罪をされたが、もう関わりたくないので、知らないフリをして話を終わらせて帰ったこと。
アマリアさんは、訳ありとは思っていたけど、良く頑張って来たわね!と言ってくれた。
しかし、アマリアさんの彼に何かを聞いたらしいオリバーさんが、やたら過保護で強引に関わって来るようになる。
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