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働きたいの!
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公爵家の居候生活が始まって、1ヶ月近く経った。
まあ、とにかく一部の人間を除いて、かなり親切にしてもらっている。
なぜか居候の私に専属のメイドが付けられ、メイド達は私を着飾るのが楽しいらしく、楽しそうに衣装やアクセサリーを勧めてくる。
メイド達は、着飾ると公爵様が喜ぶからとか言ってるけど、寵を競う後宮じゃないんだし、私は公爵様の愛人じゃないんだからね。出掛ける訳でもないし、もっとラフな格好でいいと思ってしまうのよ。
ああ!スウェットが欲しい。高校の運動着でもいい!あー、ポテチが食べたい!ラーメンも、カレーも。
今までは色々な意味で余裕が無かったから、そんなことを考えたことはなかった。しかし公爵家で、余裕たっぷり贅沢生活をするようになり、色々と前世日本の物が恋しくなってきている。要するに、私には贅沢過ぎる生活は合ってないらしい。この生活は自分をダメ人間にしている。
「ダイアナ、こっちに座りなさい。おいで。」
最近、公爵様が距離を詰めて来ている気がする。
恋愛経験のほぼ無い私は、正直困るし、居候の立場で、はっきりと拒否も出来ないし。拒否してもアンタそれは勘違いだよ!って思われるのも痛いよね。
食事やお茶の時は、初めは対面だったのに、今はなぜか隣に座らされ、スイーツを食べさせようとしたり、お肉を切ってくれたりする。
ぼっち飯を希望していた私としては、対面の席も微妙だったのに、隣にピッタリとくっついて座らされるのは更に疲れるのだ。
「…公爵様、自分で出来ますので、お気遣いなく。」
「ダイアナ。忙しい中で、これが私の息抜きの1つになっているし、毎日の楽しみにもなっているんだ。だから、受け入れてほしい。…すまない。」
「……そこまでおっしゃるなら。」
ペットに餌でも食べさせる感覚?
更に、食事中だけではないのだ。
「ダイアナ。庭園のバラが綺麗だから、一緒に見に行こう。」
普通に歩きたいのに、何で腰を抱いて歩くの?
「ダイアナ。今日は天気が良いから、ピクニックに行こうか。」
そんなに馬車のなかでピッタリくっついて座らなくても…。
「ダイアナ、執務が忙しく疲れが溜まってきたようだ。治癒魔法をかけてもらいたい。」
わざわざ手を握らなくてもいいのに。
こんなことが毎日続くと、ちょっと…。公爵様は何を考えているんだろう?私が都合の良い平民だから、愛妾にでもしようとしている?こんな身分の高すぎる人と、平民の私が親しくするのも、本当はよろしくないと思うんだよね。
使用人の中には、かなり少数だが、私に敵意を感じさせるような、視線を向けている人もいる。公爵家の使用人ともなると、子爵家とか男爵家の出身の人が多いから、平民の私がこんな生活をしているのが、気に食わないのだろうね。
私もこのままいるのは、危険だと思うし辛い。ここにずっとは居られないのだから、思い切って公爵様に話してみよう。
「公爵様、ここでの生活にも慣れて来ましたので、何か仕事をしたいのですが。」
「ダイアナはすでに働いているだろう。いつも、私に治癒魔法をかけてくれているから、それで十分だ。」
「いえ。このまま、ここにいるのは迷惑になってしまうので、外に働きに行きたいのですが。」
「迷惑?誰かに何か言われたか?」
「私が思っただけです。」
「迷惑じゃないから、ここにいてくれ。外は危険だから、ダメだ。…この話はもう終わりにしよう。」
何だか不機嫌になってしまったようだ。
ここまでいい生活を送らせてやっているのに、外に出たいとは何事だ!って思われたかな…。
でも、居候でいるのも辛いのよ!ずっとこのまま居れないし。いずれは、どこか住み込みで働ける仕事を紹介してくれるのかと思っていたのに、ただの同棲?ペット代わり?暇つぶし?家族代行?とか思ってしまうよね。
なんだかモヤモヤする。
この先も、こんな日々が続くのかなぁ?でも、公爵様はいずれ結婚するだろうから、私みたいなのがいたら、奥様になる方に悪いよね?だから、早く自立して出て行かないと。後見人としていてくれるなら、別々に住んでもいいよね?
1人図書室で、そんなことを考えていると、
「失礼!ちょっといいか?」
誰かに話しかけられるのであった。
まあ、とにかく一部の人間を除いて、かなり親切にしてもらっている。
なぜか居候の私に専属のメイドが付けられ、メイド達は私を着飾るのが楽しいらしく、楽しそうに衣装やアクセサリーを勧めてくる。
メイド達は、着飾ると公爵様が喜ぶからとか言ってるけど、寵を競う後宮じゃないんだし、私は公爵様の愛人じゃないんだからね。出掛ける訳でもないし、もっとラフな格好でいいと思ってしまうのよ。
ああ!スウェットが欲しい。高校の運動着でもいい!あー、ポテチが食べたい!ラーメンも、カレーも。
今までは色々な意味で余裕が無かったから、そんなことを考えたことはなかった。しかし公爵家で、余裕たっぷり贅沢生活をするようになり、色々と前世日本の物が恋しくなってきている。要するに、私には贅沢過ぎる生活は合ってないらしい。この生活は自分をダメ人間にしている。
「ダイアナ、こっちに座りなさい。おいで。」
最近、公爵様が距離を詰めて来ている気がする。
恋愛経験のほぼ無い私は、正直困るし、居候の立場で、はっきりと拒否も出来ないし。拒否してもアンタそれは勘違いだよ!って思われるのも痛いよね。
食事やお茶の時は、初めは対面だったのに、今はなぜか隣に座らされ、スイーツを食べさせようとしたり、お肉を切ってくれたりする。
ぼっち飯を希望していた私としては、対面の席も微妙だったのに、隣にピッタリとくっついて座らされるのは更に疲れるのだ。
「…公爵様、自分で出来ますので、お気遣いなく。」
「ダイアナ。忙しい中で、これが私の息抜きの1つになっているし、毎日の楽しみにもなっているんだ。だから、受け入れてほしい。…すまない。」
「……そこまでおっしゃるなら。」
ペットに餌でも食べさせる感覚?
更に、食事中だけではないのだ。
「ダイアナ。庭園のバラが綺麗だから、一緒に見に行こう。」
普通に歩きたいのに、何で腰を抱いて歩くの?
「ダイアナ。今日は天気が良いから、ピクニックに行こうか。」
そんなに馬車のなかでピッタリくっついて座らなくても…。
「ダイアナ、執務が忙しく疲れが溜まってきたようだ。治癒魔法をかけてもらいたい。」
わざわざ手を握らなくてもいいのに。
こんなことが毎日続くと、ちょっと…。公爵様は何を考えているんだろう?私が都合の良い平民だから、愛妾にでもしようとしている?こんな身分の高すぎる人と、平民の私が親しくするのも、本当はよろしくないと思うんだよね。
使用人の中には、かなり少数だが、私に敵意を感じさせるような、視線を向けている人もいる。公爵家の使用人ともなると、子爵家とか男爵家の出身の人が多いから、平民の私がこんな生活をしているのが、気に食わないのだろうね。
私もこのままいるのは、危険だと思うし辛い。ここにずっとは居られないのだから、思い切って公爵様に話してみよう。
「公爵様、ここでの生活にも慣れて来ましたので、何か仕事をしたいのですが。」
「ダイアナはすでに働いているだろう。いつも、私に治癒魔法をかけてくれているから、それで十分だ。」
「いえ。このまま、ここにいるのは迷惑になってしまうので、外に働きに行きたいのですが。」
「迷惑?誰かに何か言われたか?」
「私が思っただけです。」
「迷惑じゃないから、ここにいてくれ。外は危険だから、ダメだ。…この話はもう終わりにしよう。」
何だか不機嫌になってしまったようだ。
ここまでいい生活を送らせてやっているのに、外に出たいとは何事だ!って思われたかな…。
でも、居候でいるのも辛いのよ!ずっとこのまま居れないし。いずれは、どこか住み込みで働ける仕事を紹介してくれるのかと思っていたのに、ただの同棲?ペット代わり?暇つぶし?家族代行?とか思ってしまうよね。
なんだかモヤモヤする。
この先も、こんな日々が続くのかなぁ?でも、公爵様はいずれ結婚するだろうから、私みたいなのがいたら、奥様になる方に悪いよね?だから、早く自立して出て行かないと。後見人としていてくれるなら、別々に住んでもいいよね?
1人図書室で、そんなことを考えていると、
「失礼!ちょっといいか?」
誰かに話しかけられるのであった。
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