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お小遣いと監査
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病院の後は、町の市場に来た私達。物価がどれくらいなのか調べておきたかったからだ。
あんな残飯ご飯を食べさせておきながら、食費の予算にいくら使ったのかが、気になるからね。
ふーん。トマトやジャガイモとか見たことのある野菜が沢山ね。1かごで、2ギルか。だいたい1ギルが100円ちょっと位かな。一応、野菜と肉類などメインの食材の値段をメモしておこう。
そして今気づいたけど、記憶はないけど文字は読めるのね。人や自分についての記憶が抜けてしまったのかな?
市場調査を終えた後、まだ時間があるから、教会に寄ってもらった私。御者とベスには、お祈りをしたいからと馬車で待ってもらうことにした。
教会の中に入ると、立派な祭壇がある。祭壇の前で跪き手を合わせる私。
『無事に離婚して、自由を手に入れられますように…。ナムナム。』
信仰深い私…のように見せておく。そして…、さっき見かけたおばちゃんシスターの所へ。
「シスター、こちらの教会で寄付は受け付けていますか?」
「勿論でございます。」
家令から貰った、私が使っていいお金?小遣い?の一部をシスターに渡す。
「…お嬢様、こんなに沢山よろしいのでしょうか?」
なるほど、これは大金なのね。
「はい。どうか貧しい人の為にお使い下さいませ。」
「ありがとうございます。お嬢様に神のお導きがありますように。」
今後も教会に来て、同様の事を繰り返すようにしよう。シスターと仲良くなる為にはこれくらいしないと。味方をつくっておかないとね。
そして馬車に戻る私。待ってくれていてありがとうと言って、御者とベスに多めにチップを渡す。2人とも驚いていた。多分、チップよりもかなり大金だろうから。
「2人には、これからもお世話になると思うからね。でも、他の使用人には絶対に内緒よ。バレたらあなた達に今後あげる分が減ってしまうでしょ?そのかわり、他の使用人でおかしな動きをしている者がいたら、すぐに知らせてね。頼りにしているわ。」
ムチばかりではダメだからね。飴も与えないと。
ベスも御者もまだ若くて、給料が安いだろうからね。目をキラキラさせて喜んでいた。
そして、邸に帰った私は調理場を抜き打ち監査する事にした。
勿論、執事も同伴させた。帳簿も持って来させた。料理長には、今日仕入れた食材を出すように指示し、いくらで仕入れて、料理にどのように使うのか説明させた。ついでに、あの残飯料理にはいくらかけて作ったのかもね。料理長は嫌そうにしていた。
「こんな食材なのにこんなに使ったの?あり得ないわ!執事、帳簿を見せて!」
「はい。こちらです。」
「毎日、予算ギリギリに使っているようだけど、この予算の割には大した料理がでて来なかったわね。もしかして着服でもしていたのかしら?あの残飯料理は誰が作ったのかしらね?」
料理人達は無言になってしまった。
「大したものは、作れないくせに予算だけは使うなんて、料理人失格ね。執事、この帳簿とこの前の料理を見て、どう思った?この予算をかけて、あの残飯料理が出てきて、この人達に仕事を任せたいと思う?」
「……。」
「あら、執事はこの前の残飯料理がお好みなのね。だから、別に気にならなかったって訳ね。」
「…いえ。あの料理はおかしいかと思います。」
「いつもあの料理をだされていたのよ。あの料理にこの予算はおかしいわ。予算を横領でもしたと思われてもしょうがないわね。執事、どうすべきだと思う?」
「…クビですね。」
料理人達は顔色が悪くなってしまった。
あんな残飯ご飯を食べさせておきながら、食費の予算にいくら使ったのかが、気になるからね。
ふーん。トマトやジャガイモとか見たことのある野菜が沢山ね。1かごで、2ギルか。だいたい1ギルが100円ちょっと位かな。一応、野菜と肉類などメインの食材の値段をメモしておこう。
そして今気づいたけど、記憶はないけど文字は読めるのね。人や自分についての記憶が抜けてしまったのかな?
市場調査を終えた後、まだ時間があるから、教会に寄ってもらった私。御者とベスには、お祈りをしたいからと馬車で待ってもらうことにした。
教会の中に入ると、立派な祭壇がある。祭壇の前で跪き手を合わせる私。
『無事に離婚して、自由を手に入れられますように…。ナムナム。』
信仰深い私…のように見せておく。そして…、さっき見かけたおばちゃんシスターの所へ。
「シスター、こちらの教会で寄付は受け付けていますか?」
「勿論でございます。」
家令から貰った、私が使っていいお金?小遣い?の一部をシスターに渡す。
「…お嬢様、こんなに沢山よろしいのでしょうか?」
なるほど、これは大金なのね。
「はい。どうか貧しい人の為にお使い下さいませ。」
「ありがとうございます。お嬢様に神のお導きがありますように。」
今後も教会に来て、同様の事を繰り返すようにしよう。シスターと仲良くなる為にはこれくらいしないと。味方をつくっておかないとね。
そして馬車に戻る私。待ってくれていてありがとうと言って、御者とベスに多めにチップを渡す。2人とも驚いていた。多分、チップよりもかなり大金だろうから。
「2人には、これからもお世話になると思うからね。でも、他の使用人には絶対に内緒よ。バレたらあなた達に今後あげる分が減ってしまうでしょ?そのかわり、他の使用人でおかしな動きをしている者がいたら、すぐに知らせてね。頼りにしているわ。」
ムチばかりではダメだからね。飴も与えないと。
ベスも御者もまだ若くて、給料が安いだろうからね。目をキラキラさせて喜んでいた。
そして、邸に帰った私は調理場を抜き打ち監査する事にした。
勿論、執事も同伴させた。帳簿も持って来させた。料理長には、今日仕入れた食材を出すように指示し、いくらで仕入れて、料理にどのように使うのか説明させた。ついでに、あの残飯料理にはいくらかけて作ったのかもね。料理長は嫌そうにしていた。
「こんな食材なのにこんなに使ったの?あり得ないわ!執事、帳簿を見せて!」
「はい。こちらです。」
「毎日、予算ギリギリに使っているようだけど、この予算の割には大した料理がでて来なかったわね。もしかして着服でもしていたのかしら?あの残飯料理は誰が作ったのかしらね?」
料理人達は無言になってしまった。
「大したものは、作れないくせに予算だけは使うなんて、料理人失格ね。執事、この帳簿とこの前の料理を見て、どう思った?この予算をかけて、あの残飯料理が出てきて、この人達に仕事を任せたいと思う?」
「……。」
「あら、執事はこの前の残飯料理がお好みなのね。だから、別に気にならなかったって訳ね。」
「…いえ。あの料理はおかしいかと思います。」
「いつもあの料理をだされていたのよ。あの料理にこの予算はおかしいわ。予算を横領でもしたと思われてもしょうがないわね。執事、どうすべきだと思う?」
「…クビですね。」
料理人達は顔色が悪くなってしまった。
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