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悪女かしら

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 邸の使用人達に説教してから、普通に生活ができている私。
 でもまだダメね!鬼嫁とか、悪女とかそれくらい強くならないと、コイツらまた仕事をサボりそうだからね。あの、生意気なメイド長も気になるし。

「ねえ、ベス!」

「はい、奥様。」

 この子は、残飯料理でしっかりと反撃をしてからは、表向きは従順になった。

「この前、貴女に突き飛ばされた時にぶつけた頭が痛くてしょうがないの。病院に行きたいのだけど。」

「……お、奥様。本当に申し訳ありませんでした。」

 ベスは跪いて必死に謝っている。

「見て?額がまだ腫れていて、色が悪くなっているでしょ?病院に行きたいの。この侯爵家の侍医は信頼出来ないから。」

「申し訳ありません。奥様、私は…酷いことを。」

「ベス?私が病院に行って、お医者様に貴女にやられたって話されるのが、そんなに怖いの?」

「………そんなことは…。」

 おい!目が泳いでるぞ!

「侯爵夫人の私がそんな事を話したら、あなたここに居れなくなる?それとも、警備隊に連行されてしまうかしらねぇ?」

「お、奥様。私はまだ小さな妹がいて…、働かないと…。」

「だから、私は頭が痛いって言ってるじゃないの?じゃあ、あなたが家族を養えなくなったら可哀想だから、私に頭が痛いのを我慢しろって言うのかしら?」

「そ、そんなことはありません。」

 泣きそうなベス。

「ふふっ!頭は痛いけど、これから私の為に命をかけて尽くしてくれるなら、貴女のした事を黙っていてあげてもよくてよ?病院に行っても、貴女にやられたと言わなければいいのだから。」

「は、はい。奥様の為に精一杯、仕えさせて頂きます。どうか、今までのことをお許しください。」

「そう。じゃあ、その言葉忘れないでね。それでね…貴女にピッタリの仕事があるのよ。」

「はい。何なりと。」

「あのメイド長のことで知っていることを教えてほしいのよ。ついでに、何をしているのか分からないから、何をしているのか気付いた事があれば、細かいことでもいいから、報告してくれる?出来るかしら?」

「…メイド長ですか?……分かりました。」

「もしかして、ベスはメイド長と仲良しだった?」」

「い、いえ。そんなことはありません。」

「メイド長がいなくなったら、新しいメイド長は、私によく尽くしてくれている、メイドの中から選びたいと思っているのよ。ベスにとって悪い話ではないでしょ?お給金も上がるでしょうからね。」

「…頑張ります!私、奥様の為に必死になって頑張りますから!」

 ベスは、やる気を出したようだった。別にベスを次期メイド長にとは言ってないが、やる気になってくれるならまぁいいか!

「期待しているわね。でも、今のメイド長にはバレないようにしっかりやりなさい。分かった?」

「はい!」

 ということで、ベスをパシリとスパイに使う事にした。

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