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見せ物のような私
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新しく即位した国王陛下の主催する初めてのパーティーということで、いつもよりも更に豪華な飾り付けがされた会場には、凄い量の料理とワイン、スイーツが並んでいた。
「エレノア。今日はダンスをして、兄上に挨拶を済ませたら、その後に料理を食べに行こう。
今日はローストビーフが好きなエレノアの為に、最高の肉と岩塩とスパイスを仕入れて焼き上げると料理人達が張り切っていたから、絶対に美味しいと思うぞ。」
「えっ?本当ですか?それは楽しみですわ。」
私がローストビーフが好きなこともバレていたらしい。
王族って、凄いわ…
「いつものロールケーキもあるし、アップルパイは時間差で焼き上がるようにしてくれるみたいだから、焼き立てが食べれると思う。」
「焼き立てですか!嬉しいですわ!」
「ああ、一緒に食べような。」
なんか、すっかり落ち着いて、大人になって優しくなった王子殿下…じゃなくて、ナイトレイ公爵様とは普通に仲良くしてあげてもいいかも。
こうやって、私の好きな食べ物をさり気なく用意していてくれるなんて、すごいよね。
しかし……。さっきから凄い視線を感じる。
でも、ヒソヒソ・クスクスは聞こえない。これは、ナイトレイ公爵様の権力のおかげね。変なことを言うと、エイベル伯爵令嬢みたいに追放されちゃうからね。
「エレノアが綺麗だからみんな見ているな。」
「…はい?」
この男、急に何言ってんの?
「みんなエレノアを見ているだろう?綺麗だから見ているんだろうな。気にするなよ。」
「…いや、私が綺麗なのではないと思いますが。
公爵様、私を褒めるなんて具合でも悪いのでしょうか?」
「どこも悪くない!」
私を貶してばかりだった人が、急に綺麗だなんて言い出したら、普通は疑うわ!
「あらー!エレノアにナイトレイ公爵様。
今日は二人一緒で来られたのですね。公爵様が一緒なら安心ですわね。」
「エレノア!ナイトレイ公爵様とお似合いよ。
公爵様、こんなエレノアをよろしくお願い致しますわ。」
「まあ!ナイトレイ公爵様はエレノアをエスコートして下さっているのですね。良かったですわ。
この子をどうぞよろしくお願いします。」
私の学生時代の友人達がやたら話しかけてくる。
顔だけ男のロジャース伯爵様と夫婦でいた時には、こんな風に話しかけてこなかったくせに…。
公爵様とは私の友人達も同じクラスだったからなのか、やたら馴れ馴れしく話しかけてくるのね。
何が〝よろしくお願いします〟だ!いつから私の保護者になったんだよ。
「ああ!今日は二人で来たんだ。エレノアのことは任せてくれ。」
そして、私と友人達との会話すらも他の貴族達に聞き耳を立てられているような気がする。
結局、公爵様の権力に守られてはいても、この人といる限り目立つってことなのね。
立ち話をしていると、新しい国王陛下と王妃殿下が入場され、乾杯した後にダンスが始まる。
「エレノア。私と踊って頂けませんか?」
え…、ちょっとー!柄にもなく跪かないでよ。
周りからは「まあ!」とか、「ステキ!」とか声が聞こえてきている。
アンタが跪いたりするから、目立ってるじゃないの!
「…よ、喜んで。」
公爵様と踊り始める私。チクチクと視線を感じるわ…。
それなのに、この男はニコニコして踊っている。
王族は注目されることに慣れているからなぁ。
「公爵様。なんか私達、やたら見られていませんか?」
「そんなの気にするな。放っておけばいい。」
「いや…、私、こう見えて小心者なので。」
「大丈夫だ。絡んでくる奴がいるなら、私が全て相手になってやるから、エレノアは心配するな。」
でしょうね…。エイベル伯爵令嬢の時は、この男の正義感に驚かされたもの。
「…頼りにしていますわ。」
そう言っていた公爵様だけど、この公爵様でも太刀打ち出来ない方々から、この後にお呼び出しをされることになるのであった。
「エレノア。今日はダンスをして、兄上に挨拶を済ませたら、その後に料理を食べに行こう。
今日はローストビーフが好きなエレノアの為に、最高の肉と岩塩とスパイスを仕入れて焼き上げると料理人達が張り切っていたから、絶対に美味しいと思うぞ。」
「えっ?本当ですか?それは楽しみですわ。」
私がローストビーフが好きなこともバレていたらしい。
王族って、凄いわ…
「いつものロールケーキもあるし、アップルパイは時間差で焼き上がるようにしてくれるみたいだから、焼き立てが食べれると思う。」
「焼き立てですか!嬉しいですわ!」
「ああ、一緒に食べような。」
なんか、すっかり落ち着いて、大人になって優しくなった王子殿下…じゃなくて、ナイトレイ公爵様とは普通に仲良くしてあげてもいいかも。
こうやって、私の好きな食べ物をさり気なく用意していてくれるなんて、すごいよね。
しかし……。さっきから凄い視線を感じる。
でも、ヒソヒソ・クスクスは聞こえない。これは、ナイトレイ公爵様の権力のおかげね。変なことを言うと、エイベル伯爵令嬢みたいに追放されちゃうからね。
「エレノアが綺麗だからみんな見ているな。」
「…はい?」
この男、急に何言ってんの?
「みんなエレノアを見ているだろう?綺麗だから見ているんだろうな。気にするなよ。」
「…いや、私が綺麗なのではないと思いますが。
公爵様、私を褒めるなんて具合でも悪いのでしょうか?」
「どこも悪くない!」
私を貶してばかりだった人が、急に綺麗だなんて言い出したら、普通は疑うわ!
「あらー!エレノアにナイトレイ公爵様。
今日は二人一緒で来られたのですね。公爵様が一緒なら安心ですわね。」
「エレノア!ナイトレイ公爵様とお似合いよ。
公爵様、こんなエレノアをよろしくお願い致しますわ。」
「まあ!ナイトレイ公爵様はエレノアをエスコートして下さっているのですね。良かったですわ。
この子をどうぞよろしくお願いします。」
私の学生時代の友人達がやたら話しかけてくる。
顔だけ男のロジャース伯爵様と夫婦でいた時には、こんな風に話しかけてこなかったくせに…。
公爵様とは私の友人達も同じクラスだったからなのか、やたら馴れ馴れしく話しかけてくるのね。
何が〝よろしくお願いします〟だ!いつから私の保護者になったんだよ。
「ああ!今日は二人で来たんだ。エレノアのことは任せてくれ。」
そして、私と友人達との会話すらも他の貴族達に聞き耳を立てられているような気がする。
結局、公爵様の権力に守られてはいても、この人といる限り目立つってことなのね。
立ち話をしていると、新しい国王陛下と王妃殿下が入場され、乾杯した後にダンスが始まる。
「エレノア。私と踊って頂けませんか?」
え…、ちょっとー!柄にもなく跪かないでよ。
周りからは「まあ!」とか、「ステキ!」とか声が聞こえてきている。
アンタが跪いたりするから、目立ってるじゃないの!
「…よ、喜んで。」
公爵様と踊り始める私。チクチクと視線を感じるわ…。
それなのに、この男はニコニコして踊っている。
王族は注目されることに慣れているからなぁ。
「公爵様。なんか私達、やたら見られていませんか?」
「そんなの気にするな。放っておけばいい。」
「いや…、私、こう見えて小心者なので。」
「大丈夫だ。絡んでくる奴がいるなら、私が全て相手になってやるから、エレノアは心配するな。」
でしょうね…。エイベル伯爵令嬢の時は、この男の正義感に驚かされたもの。
「…頼りにしていますわ。」
そう言っていた公爵様だけど、この公爵様でも太刀打ち出来ない方々から、この後にお呼び出しをされることになるのであった。
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