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夜会は波乱 3
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「エイベル伯爵令嬢。いい加減にしろ!」
ハァー…。また面倒くさいのが来たわ。
エイベル伯爵令嬢の後ろから現れたのは、王子殿下だった。
「学生時代からの友人であるエレノアに対して、君の言動は何なんだ?聞いているこっちが気分が悪くなる。
君は学生時代からエレノアを目の敵にしていたが、いい加減にしろ!私の大切な友人のエレノアをこれ以上傷つけるなら、許さないぞ!」
学生時代からずっと王子殿下が好きで、婚約者も恋人も作らなかったエイベル伯爵令嬢。
それなのに……、
殿下に自分の性格の悪さがバレていて、さっきの酷い言動までしっかり聞かれてしまったエイベル伯爵令嬢は、顔色が悪くなってしまっていた。
まさか今日、エイベル伯爵令嬢の絶望した顔が見れるとはね。
ふふ!なかなか面白いわ…。
これに懲りて今後は私に絡んでこないで欲しいけど…。この女は懲りないだろうな。
「王子殿下!ち、違うのです。私はただ……」
「言い訳は結構だ。私は始めから君の話を聞いていた。
エレノアが悩んでいることを知りながら、君は本当に酷い女だ。
今後2年間、エイベル伯爵令嬢は王宮の夜会への参加は禁止する。」
…え?そこまでする?
殿下、そこまで怒ってるの?
「殿下!それはあんまりですわ。」
「エイベル伯爵令嬢、まずはエレノアに謝るのが先ではないのか?」
うわー。久しぶりに殿下のあのマジな目を見たわ。
怖いよねー。
「……っ。……ロジャース伯爵夫人、申し訳ありませんでした。」
急にしおらしくなるエイベル伯爵令嬢。
「謝罪を受け入れますわ。」
「エイベル伯爵令嬢、今日はもう帰ることだな。」
「殿下、もう謝罪を受けましたから、私は大丈夫ですわ。」
「エレノアが良くても、私が許せないのだ!この女は今までも何度も注意したが、全然改善しなかった。」
あらら…。殿下に何度も注意されていたのね。
好きな人に〝この女〟呼ばわりされたエイベル伯爵令嬢は、顔色が悪いのを通り越して、死人の顔のようになっていた。
「今は私に注意されたばかりで反省しているようだが、もし明日、またエレノアに会ったら、私に注意されたことなど忘れて、また酷い態度を取るに決まっている。
エイベル伯爵家には後日、正式に抗議させてもらう。王家主催の夜会で私の友人を侮辱したとな。
分かったなら、早く帰って反省することだ。」
「も、申し訳ありませんでした。失礼します。」
泣きそうな顔で、エイベル伯爵令嬢が出て行ってしまった。
私はエイベル伯爵令嬢に嫌がらせを受けた被害者で、親切な?王子殿下が助けてくれたはずなのに…。
あまり嬉しくないというか、後味が悪いというか、気分が良くないというか。
また他の貴族にジロジロ見られているし…。
「エレノア…、大丈夫か?」
「あ、はい。殿下は私を助けて下さったのですよね?」
「そうだ!私はエレノアを助けたぞ。」
「……ありがとうございます?」
「はあ?なんで疑問形なんだ?」
「失礼致しました。ありがとうございます。
でも、王宮の夜会への参加が許されないのは、可哀想かと。
夜会に参加するなと言われたら、貴族として社交を禁止されたようなものなので、エイベル伯爵令嬢にとってはかなりの痛手かと思いますが。」
「社交は禁止してない。王宮の夜会だけ、たった2年だ。これは取り消さない。
あの女はやり過ぎた。お前は甘過ぎる。」
「…分かりました。」
王宮の夜会に出禁って、独身の令嬢にはかなり辛いはずだと思うけど…。まあ、自業自得か。
「じゃあ、踊るぞ!
ギルバート、少しエレノアを借りる。」
「分かりました。
義姉さん、私はここで待っているから、殿下と踊って来ていいよ。」
「…ギル、少し待っていてね。」
また殿下とダンス?身内以外でダンスをするのは、最近は殿下ばっかりじゃないの。
この人と踊ると注目されるから、嫌なんだよね。
「エレノア。さっきのエイベル伯爵令嬢は、お前に対してずっと酷かったから、私はあの女に止めるようにと何度も注意をしてきた。
でも、全くダメだった…。
だから、あの女をこの場で見せしめにしてやった。
沢山の貴族があの様子を見ていただろうから、お前にあんな態度を取るものはいなくなればいいが…。
もし何かあれば、友人なのだからもっと私を頼れ。」
王子殿下という大変高貴な身分であり、黙っていればキラキラのイケメンであるこのお方に助けてもらったのだから、普通なら喜ぶべきことなのに。
私…、この王子殿下にまで同情されるくらい可哀想な人に見えてるのかい?
複雑だわー!
「王子殿下のような大変高貴な方に、友人だと言って助けてもらえた私は、なんて幸せなのでしょう。
本当にありがとうございました。」
「エレノア。お前、あまり幸せそうに見えないぞ。
とにかく…、私も父上も母上もみんなお前を心配しているから、何かあれば支えになる。
忘れるなよ!」
「まあ!とても心強いですわ。ありがとうございます。」
王家怖すぎだから!
陛下達と私の噂話してるってことでしょ?
アブスめー!アンタのせいで悪目立ちしちゃったじゃないの。
その後、疲れた私は伯爵様やアブスは放置して、ギルと先に帰って来て、さっさと寝た。
後日、学生時代の親友達から聞いたのだが、夜会でアブスは色々と大変だったようだ。
予想はしていたが、アブスが媚薬を盛ったということをみんな知っていたらしく、ヒソヒソと言われまくっていたらしい。
私とギルは何もしてないから、恐らく伯爵様の友人やその夫人達が噂を流したのだと思う。
ハァー…。また面倒くさいのが来たわ。
エイベル伯爵令嬢の後ろから現れたのは、王子殿下だった。
「学生時代からの友人であるエレノアに対して、君の言動は何なんだ?聞いているこっちが気分が悪くなる。
君は学生時代からエレノアを目の敵にしていたが、いい加減にしろ!私の大切な友人のエレノアをこれ以上傷つけるなら、許さないぞ!」
学生時代からずっと王子殿下が好きで、婚約者も恋人も作らなかったエイベル伯爵令嬢。
それなのに……、
殿下に自分の性格の悪さがバレていて、さっきの酷い言動までしっかり聞かれてしまったエイベル伯爵令嬢は、顔色が悪くなってしまっていた。
まさか今日、エイベル伯爵令嬢の絶望した顔が見れるとはね。
ふふ!なかなか面白いわ…。
これに懲りて今後は私に絡んでこないで欲しいけど…。この女は懲りないだろうな。
「王子殿下!ち、違うのです。私はただ……」
「言い訳は結構だ。私は始めから君の話を聞いていた。
エレノアが悩んでいることを知りながら、君は本当に酷い女だ。
今後2年間、エイベル伯爵令嬢は王宮の夜会への参加は禁止する。」
…え?そこまでする?
殿下、そこまで怒ってるの?
「殿下!それはあんまりですわ。」
「エイベル伯爵令嬢、まずはエレノアに謝るのが先ではないのか?」
うわー。久しぶりに殿下のあのマジな目を見たわ。
怖いよねー。
「……っ。……ロジャース伯爵夫人、申し訳ありませんでした。」
急にしおらしくなるエイベル伯爵令嬢。
「謝罪を受け入れますわ。」
「エイベル伯爵令嬢、今日はもう帰ることだな。」
「殿下、もう謝罪を受けましたから、私は大丈夫ですわ。」
「エレノアが良くても、私が許せないのだ!この女は今までも何度も注意したが、全然改善しなかった。」
あらら…。殿下に何度も注意されていたのね。
好きな人に〝この女〟呼ばわりされたエイベル伯爵令嬢は、顔色が悪いのを通り越して、死人の顔のようになっていた。
「今は私に注意されたばかりで反省しているようだが、もし明日、またエレノアに会ったら、私に注意されたことなど忘れて、また酷い態度を取るに決まっている。
エイベル伯爵家には後日、正式に抗議させてもらう。王家主催の夜会で私の友人を侮辱したとな。
分かったなら、早く帰って反省することだ。」
「も、申し訳ありませんでした。失礼します。」
泣きそうな顔で、エイベル伯爵令嬢が出て行ってしまった。
私はエイベル伯爵令嬢に嫌がらせを受けた被害者で、親切な?王子殿下が助けてくれたはずなのに…。
あまり嬉しくないというか、後味が悪いというか、気分が良くないというか。
また他の貴族にジロジロ見られているし…。
「エレノア…、大丈夫か?」
「あ、はい。殿下は私を助けて下さったのですよね?」
「そうだ!私はエレノアを助けたぞ。」
「……ありがとうございます?」
「はあ?なんで疑問形なんだ?」
「失礼致しました。ありがとうございます。
でも、王宮の夜会への参加が許されないのは、可哀想かと。
夜会に参加するなと言われたら、貴族として社交を禁止されたようなものなので、エイベル伯爵令嬢にとってはかなりの痛手かと思いますが。」
「社交は禁止してない。王宮の夜会だけ、たった2年だ。これは取り消さない。
あの女はやり過ぎた。お前は甘過ぎる。」
「…分かりました。」
王宮の夜会に出禁って、独身の令嬢にはかなり辛いはずだと思うけど…。まあ、自業自得か。
「じゃあ、踊るぞ!
ギルバート、少しエレノアを借りる。」
「分かりました。
義姉さん、私はここで待っているから、殿下と踊って来ていいよ。」
「…ギル、少し待っていてね。」
また殿下とダンス?身内以外でダンスをするのは、最近は殿下ばっかりじゃないの。
この人と踊ると注目されるから、嫌なんだよね。
「エレノア。さっきのエイベル伯爵令嬢は、お前に対してずっと酷かったから、私はあの女に止めるようにと何度も注意をしてきた。
でも、全くダメだった…。
だから、あの女をこの場で見せしめにしてやった。
沢山の貴族があの様子を見ていただろうから、お前にあんな態度を取るものはいなくなればいいが…。
もし何かあれば、友人なのだからもっと私を頼れ。」
王子殿下という大変高貴な身分であり、黙っていればキラキラのイケメンであるこのお方に助けてもらったのだから、普通なら喜ぶべきことなのに。
私…、この王子殿下にまで同情されるくらい可哀想な人に見えてるのかい?
複雑だわー!
「王子殿下のような大変高貴な方に、友人だと言って助けてもらえた私は、なんて幸せなのでしょう。
本当にありがとうございました。」
「エレノア。お前、あまり幸せそうに見えないぞ。
とにかく…、私も父上も母上もみんなお前を心配しているから、何かあれば支えになる。
忘れるなよ!」
「まあ!とても心強いですわ。ありがとうございます。」
王家怖すぎだから!
陛下達と私の噂話してるってことでしょ?
アブスめー!アンタのせいで悪目立ちしちゃったじゃないの。
その後、疲れた私は伯爵様やアブスは放置して、ギルと先に帰って来て、さっさと寝た。
後日、学生時代の親友達から聞いたのだが、夜会でアブスは色々と大変だったようだ。
予想はしていたが、アブスが媚薬を盛ったということをみんな知っていたらしく、ヒソヒソと言われまくっていたらしい。
私とギルは何もしてないから、恐らく伯爵様の友人やその夫人達が噂を流したのだと思う。
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