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2度目

再会

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 王弟殿下の感情の読めない目が怖い。

 この人、まだ20歳そこそこだよね?なんか、修羅場を沢山切り抜けたようなベテラン弁護士とか、大企業の取締役とかにいそうな目をしている。とにかく、隙がなさ過ぎて怖い。ついでに、黙って同席している側近達も。

「君が将軍を大切な人だと言って、陛下に助けて欲しいと頼んでいたことは聞いている。しかし、リーナ個人の事情があるにしても、私や戦場で戦った騎士達から見たら、ただの憎き敵の司令官でしかない。私は、この戦争で沢山の仲間の命を失ったのだ。あの将軍は、自国の国王に命令されて来たのは分かるが、敵国の将軍という立場であった人間を生かしてはおけない。だから、リーナのお願いは聞けない。分かって欲しい。」

 無理なの?この人達には何を言っても無理そうだね。どうしよう。やっぱり国王陛下に泣きながらお願いするしかないかな。

「……そうですか。……ごめんなさい。私、パーティー会場に戻りますね。失礼します。」

 この場にいたら泣いちゃいそうだから、賑やかなパーティー会場の隅にでもいよう。

「リーナ、待って!」

 聞こえないフリをして、さっさと退出する私。ここにいるのは、危険だ。




 そして、パーティー会場に戻る私。どっか身を上手く隠せる場所は…

「…聖女様!ご機嫌麗しゅうございます。私のことを覚えていますか?」

 最悪な気分の時に、誰だよアンタ?って言いたいが…

「バーナード卿、ご機嫌よう。お元気そうですね。」

 ああ、1人になりたいのに。

「覚えていてくださって嬉しいです。聖女様のご活躍を聞くたびに、胸が高鳴っていました。ああ、今日も何て美しいのだろう。聖女様、私と友達になって下さいませんか?」

 どんな友人だよ?

「もうすでに、友人の1人だと思っていますから。」

「ありがとうございます。聖女様、前に花を沢山贈りすぎて迷惑をかけてしまったようですね。申し訳ありませんでした。それで、聖女様のお好きな物は何でしょうか?今度は聖女様が喜んでくれる物を贈りたいのです。」

 ああ、ウザい。

「でしたら、孤児院や教会に寄付をお願いしたいのですが。」

 遠回しに、要らないって意味だけど分かったかな?

「聖女様、なんて素晴らしい方なんだ……」

「バーナード卿、貴方1人で聖女様を独占しないで下さる?」

 えっ?誰か令嬢が助けに来てくれた?声の方を見ると…。うそっ!

「聖女様、お話中に申し訳ありません。しかし、バーナード卿は話が長過ぎるので、つい声をお掛けしてしまいましたわ。私はアリア・スコットと申します。」

 公爵令嬢なの?
 1度目に召喚された時に、仲良しだったメイドのマリーそっくりなんだけど。声も、話し方までも!

「スコット公爵令嬢、話に割り込むなんて失礼だ!」

「バーナード卿。私、せっかくですので、御令嬢方とも交流がしたいです。」

「…聖女様がそう言うなら、私はまた後ほど。」

 いや、もう来なくていいからねー。

「スコット公爵令嬢、私はリーナと申します。よろしくお願いします。」

「リーナ様とお呼びしてもよろしいでしょうか?私のことは、アリアとお呼び下さい。」

「リーナって呼び捨てでいいですよ。私もアリアと呼びますから。」

「嬉しいですわ。ところで…、ガルシア卿はお元気でしょうか?」

 やっぱり!!



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