上 下
13 / 39
2度目

戦いも時短でいくよ

しおりを挟む
 素人から見ても、かなり厳しい戦いなのが分かった。
 それはなぜかというと…、敵の人数が圧倒的に多いから。

 崖の上に案内してくれて良かった。とにかく、戦いの様子がよく見える。
 味方の騎士達は頑張っているのは分かるが、とにかく切っても切っても、敵が多すぎて疲れてきているようだ。敵があんなに多いなら、私が攻撃魔法をかけた方が早いかな。流石に敵と味方が入り混じっている所には出来ないけど、敵の後方を思いっきり魔法で派手に叩いて、敵を驚かせつつ、味方に治癒魔法と保護魔法と、あの攻撃力などのUP魔法をかけよう。

 護衛騎士達にそのことを告げ、周りを警戒して欲しいことをお願いする。この場所から魔法を使うと、私達の存在が敵にも味方にもバレるからね。

 皆と視線が合ったところで……、無属性の攻撃魔法を敵の後方に向かって思いっきり放つ。敵の後方から、叫び声が響いている間に、味方に治癒魔法と保護魔法と、あの攻撃力などのUP魔法をかけた。キラキラと聖魔法の特徴である光が舞い落ちる。

 効果は抜群だった。味方の騎士達の動きが良くなり、敵をどんどん倒していく。そして、もう一度敵の後方に攻撃魔法を放つ私。効果があったようで、敵の兵士達がパニック状態になり、動きが乱れている。ここは何とかなりそうだな。

 そこで、敵の陣営の近くまで移動する私達。敵ばかりなので、バレないように、息を殺して。
 そこでは私と一緒にいた、攻撃魔法が得意な魔導師に魔力UPの魔法をかけた私。その魔導師の攻撃魔法を使って、隠れた場所から奇襲攻撃をした。敵の陣営はガタガタになったようだ。
 更に、後退して来た敵をそこで迎え撃ちにした私達。
 戦い方が卑怯だと言われても気にしない。勝手に攻め込んで来て、侵略しようとしたのが悪いのだからね。
 戦いはあっさりと終了したので、再び敵が侵攻して来れないように、ちゃっちゃと国境に結界を張る。

 その後は、騎士達の野戦病院になっている場所に案内してもらい、治癒魔法をかけまくる私。

 魔力が強いのを過信して、早く戦いを終わらせる為に無理をした私は、魔力を使い過ぎてしまったようだ。騎士達の怪我を治した後、私は倒れてしまったらしい。





 目が覚めると、テントの中に寝られていた。メイドとして来てくれた女騎士のマーガレットと、シンシアが付いていてくれた。

「リーナ様、無理し過ぎです。死んだように眠っていたので、もし目覚めなかったら、私達が陛下に殺されるところでした。」

「ああ。良かった。野郎どもがみんな心配していましたよ。もう、無理は禁止です!」

 2人とは、一緒にいる時間が多いので、すっかり仲良くなった。無理をしたことをはっきりと怒ってくれる。

「迷惑かけてごめん!ところで、私が寝ている間に変わりはなかった?」

「はい。敵はいなくなりましたし、怪我を治してもらった騎士達がリーナ様を心配して、煩くて大変でした。それと、ここの戦いの指揮をとっていた王弟殿下が、リーナ様にお礼を伝えたいと何度か訪ねて来られました。」

「…王弟殿下?恐らく、戦後処理で忙しいでしょうから、お礼はお気持ちだけで大丈夫だと伝えておいて。」

「そうですね。リーナ様のことだから、ゆっくり休むことを優先したいでしょうから。そのように伝えてほしいと、王弟殿下の側近に知らせておきますね。」

「分かっているじゃない!疲れが取れ次第、すぐに出発したいから、少し休むわね。」

「「はい!」」

 聖女の仕事を早く終わらせて、早く帰るぞー!


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

短編まとめ

あるのーる
BL
大体10000字前後で完結する話のまとめです。こちらは比較的明るめな話をまとめています。 基本的には1タイトル(題名付き傾向~(完)の付いた話まで)で区切られていますが、同じ系統で別の話があったり続きがあったりもします。その為更新順と並び順が違う場合やあまりに話数が増えたら別作品にまとめなおす可能性があります。よろしくお願いします。

すれ違いのその先に

ごろごろみかん。
恋愛
転がり込んできた政略結婚ではあるが初恋の人と結婚することができたリーフェリアはとても幸せだった。 彼の、血を吐くような本音を聞くまでは。 ほかの女を愛しているーーーそれを聞いたリーフェリアは、彼のために身を引く決意をする。 *愛が重すぎるためそれを隠そうとする王太子と愛されていないと勘違いしてしまった王太子妃のお話

正妃に選ばれましたが、妊娠しないのでいらないようです。

ララ
恋愛
正妃として選ばれた私。 しかし一向に妊娠しない私を見て、側妃が選ばれる。 最低最悪な悪女が。

【完結】前世の記憶があっても役に立たないんですが!

kana
恋愛
前世を思い出したのは階段からの落下中。 絶体絶命のピンチも自力で乗り切ったアリシア。 ここはゲームの世界なのか、ただの転生なのかも分からない。 前世を思い出したことで変わったのは性格だけ。 チートともないけど前向きな性格で我が道を行くアリシア。 そんな時ヒロイン?登場でピンチに・・・ ユルい設定になっています。 作者の力不足はお許しください。

【完結】続・転生したら悪役令嬢になったようですが、肝心のストーリーが分かりません!! ~聖女がやって来た!~

Rohdea
恋愛
★転生したら悪役令嬢になったようですが、肝心のストーリーが分かりません!!★ の続編となります。 紆余曲折を経て、お互いの気持ちを確かめ合った悪役令嬢?のキャロラインと婚約者のシュナイダー殿下。 二人は変わらず仲睦まじく過ごしていた。 しかし、そんなある日…… 隣国で『真実の愛に目覚めた!』と、どこかで一度は聞いたようなセリフで、 自国の王子に婚約破棄され追放されてしまった“聖女”がやってくる事になり、キャロラインの心は揺れる。 相変わらず肝心のストーリーは分からないけれど、 この世界の本当のヒロインは“ピンク髪のあの女”ではなく……聖女だった!? やっぱり自分……キャロラインは“悪役令嬢”なのかもと再び思い込む──…… そして、そんなキャロラインの前に何故か聖女に婚約破棄したバカ王子まで現れ───!?

義妹を溺愛するクズ王太子達のせいで国が滅びそうなので、ヒロインは義妹と愉快な仲間達と共にクズ達を容赦なく潰す事としました

やみなべ
恋愛
<最終話まで執筆済。毎日1話更新。完結保障有>  フランクフルト王国の辺境伯令嬢アーデルは王家からほぼ選択肢のない一方的な命令でクズな王太子デルフリと婚約を結ばされた。  アーデル自身は様々な政治的背景を理解した上で政略結婚を受け入れるも、クズは可愛げのないアーデルではなく天真爛漫な義妹のクラーラを溺愛する。  貴族令嬢達も田舎娘が無理やり王太子妃の座を奪い取ったと勘違いし、事あるごとにアーデルを侮辱。いつしか社交界でアーデルは『悪役令嬢』と称され、義姉から虐げられるクラーラこそが王太子妃に相応しいっとささやかれ始める。  そんな四面楚歌な中でアーデルはパーティー会場内でクズから冤罪の後に婚約破棄宣言。義妹に全てを奪われるという、味方が誰一人居ない幸薄い悪役令嬢系ヒロインの悲劇っと思いきや……  蓋を開ければ、超人のようなつよつよヒロインがお義姉ちゃん大好きっ子な義妹を筆頭とした愉快な仲間達と共にクズ達をぺんぺん草一本生えないぐらい徹底的に叩き潰す蹂躙劇だった。  もっとも、現実は小説より奇とはよく言ったもの。 「アーデル!!貴様、クラーラをどこにやった!!」 「…………はぁ?」  断罪劇直前にアーデル陣営であったはずのクラーラが突如行方をくらますという、ヒロインの予想外な展開ばかりが続いたせいで結果論での蹂躙劇だったのである。  義妹はなぜ消えたのか……?  ヒロインは無事にクズ王太子達をざまぁできるのか……?  義妹の隠された真実を知ったクズが取った選択肢は……?  そして、不穏なタグだらけなざまぁの正体とは……?  そんなお話となる予定です。  残虐描写もそれなりにある上、クズの末路は『ざまぁ』なんて言葉では済まない『ざまぁを超えるざまぁ』というか……  これ以上のひどい目ってないのではと思うぐらいの『限界突破に挑戦したざまぁ』という『稀にみる酷いざまぁ』な展開となっているので、そういうのが苦手な方はご注意ください。  逆に三度の飯よりざまぁ劇が大好きなドS読者様なら……  多分、期待に添えれる……かも? ※ このお話は『いつか桜の木の下で』の約120年後の隣国が舞台です。向こうを読んでればにやりと察せられる程度の繋がりしか持たせてないので、これ単体でも十分楽しめる内容にしてます。

完結 お飾り正妃も都合よい側妃もお断りします!

音爽(ネソウ)
恋愛
正妃サハンナと側妃アルメス、互いに支え合い国の為に働く……なんて言うのは幻想だ。 頭の緩い正妃は遊び惚け、側妃にばかりしわ寄せがくる。 都合良く働くだけの側妃は疑問をもちはじめた、だがやがて心労が重なり不慮の事故で儚くなった。 「ああどうして私は幸せになれなかったのだろう」 断末魔に涙した彼女は……

寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ
恋愛
エリーゼは、王妃になる予定だった。 故郷を失い後ろ盾を失くし代わりに王妃として選ばれたのは後から妃候補となった侯爵令嬢だった。 聖女の資格を持ち国に貢献した暁に正妃となりエリーゼは側妃となったが夜の渡りもなく周りから冷遇される日々を送っていた。 日陰の日々を送る中、婚約者であり唯一の理解者にも忘れされる中。 長らく魔物の侵略を受けていた東の大陸を取り戻したことでとある騎士に妃を下賜することとなったのだが、選ばれたのはエリーゼだった。 下賜される相手は冷たく人をよせつけず、猛毒を持つ薔薇の貴公子と呼ばれる男だった。 用済みになったエリーゼは殺されるのかと思ったが… 「私は貴女以外に妻を持つ気はない」 愛されることはないと思っていたのに何故か甘い言葉に甘い笑顔を向けられてしまう。 その頃、すべてを手に入れた側妃から正妃となった聖女に不幸が訪れるのだった。

処理中です...