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2度目
陛下の呪い
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陛下の背後に見える黒いモヤ。本当に気になる。今なら2人だし、割と話しやすい陛下だから、思い切って聞いてみようか。
「陛下。真面目な話なのですが、よろしいでしょうか?」
「どうした?」
「陛下を初めて見た時から、ずっと気になっていたのですが。……陛下の背後というか、背中のあたりに、黒いモヤが見えるのです。それは一体、何なのでしょうか?」
陛下は少し驚いた顔をしていたが、何かに気付いたようだ。
「…もしかしたら、呪いの類かもしれない。」
呪い?
「呪いですか?何か心当たりがあるのでしょうか?」
「心当たりがあると言えばあるが、証拠がないから、何とも言えないな。ただ、気付いたら身体が弱くなっていた。毒を疑ったが、毒ではないらしい。病でもないようだ。ハッキリしないが、体調を崩しやすくなった。原因が分からないから治療も出来ない。時々寝込むこともあるし、急に具合が悪くなることもある。隣国が攻めて来そうなのに、戦地で指揮をとることも出来ない。そんな私の代わりに、弟が戦地に行っているのが心苦しい。」
何となく悲観した様な表情の陛下。イケメンのこんな表情は危険だわ。…じゃなくて、呪いに聖魔法が効くって、前の聖女教育で習ったような。しかも、私は魔力が強いみたいだし。
…やってみる?
「陛下。効果があるかは分かりませんが、聖魔法で呪いが解けるか、試してみてもよろしいでしょうか?」
「本当か?しかし、君はまだ魔力を使える程、体力が回復してないのではないか?無理はしないで欲しい。」
気になって仕方がないから、今すぐにやりたいの!
「陛下、私は大丈夫ですから。今、よろしいですか?」
「…ありがとう。ただ、辛い時は途中で止めるようにしてくれ。」
「はい。それではいきますね。」
陛下に聖魔法をかけていく。私の手からは眩しい光が。
おお!やっぱりこの世界に来ると、魔法が使えるのね。陛下の背中に付いている黒いモヤに向かって、それー!
……モヤが小さくなってきた。でも、まだ小さく付いていて離れない。更に強くかけていく私。あっ!やっと消えた。
「陛下、黒いモヤが消えました!……げほっ。」
あっ。口が血の味がする。どうやら、まだ無理をしてはいけない時期だったようだ。
「…リーナ!口から血が。やはり、無理をさせてしまったようだ。顔色も悪い!…ちょっと我慢してくれ!」
陛下は私をお姫様抱っこして、部屋まで運んでくれた。大丈夫と言っても、降ろしてくれなかった。
運ばれている途中、色々な人に見られて、恥ずかし過ぎた…。
まだ強い魔力に慣れない体で、強い聖魔法を使ったことで、吐血してしまったようだ。数日は安静にするように言われてしまった。
陛下の呪いは解けたようで、体が楽になったと言っている。確かに顔色が良くなっていた。そして…、
「リーナ、見舞いに来た。気分はどうだ?」
陛下は午前と午後と、時間があればお見舞いに来る、少し困った過保護な人になってしまった。
「陛下。私は寝ていれば治るようなので、大丈夫です。忙しい陛下が、ここまで来るのは申し訳なく思います。ですから……」
「リーナ!この部屋にやたら花が飾ってあるが、どうしたのだ?誰かからのプレゼントか?」
人の話を聞け!
「それは確か…、バーナード公爵令息という方から、毎日届けられているようです。」
陛下の顔が怖いような…。
「バーナード卿か!花が多すぎて、匂いがキツくて具合が悪くなるから、今後はいらないと私から言っておく!」
断りにくいから放っておいたけど、陛下から断ってくれるなら、お願いしよう。
「リーナ、少しいいか?」
「はい?」
陛下はベッドに座る私の隣に来ると、そのまま私を抱きしめる。
「リーナ、少しこのままでいさせてくれ。」
ちょっとー!
陛下はこの後から、私との距離を縮めてくるのであった。
「陛下。真面目な話なのですが、よろしいでしょうか?」
「どうした?」
「陛下を初めて見た時から、ずっと気になっていたのですが。……陛下の背後というか、背中のあたりに、黒いモヤが見えるのです。それは一体、何なのでしょうか?」
陛下は少し驚いた顔をしていたが、何かに気付いたようだ。
「…もしかしたら、呪いの類かもしれない。」
呪い?
「呪いですか?何か心当たりがあるのでしょうか?」
「心当たりがあると言えばあるが、証拠がないから、何とも言えないな。ただ、気付いたら身体が弱くなっていた。毒を疑ったが、毒ではないらしい。病でもないようだ。ハッキリしないが、体調を崩しやすくなった。原因が分からないから治療も出来ない。時々寝込むこともあるし、急に具合が悪くなることもある。隣国が攻めて来そうなのに、戦地で指揮をとることも出来ない。そんな私の代わりに、弟が戦地に行っているのが心苦しい。」
何となく悲観した様な表情の陛下。イケメンのこんな表情は危険だわ。…じゃなくて、呪いに聖魔法が効くって、前の聖女教育で習ったような。しかも、私は魔力が強いみたいだし。
…やってみる?
「陛下。効果があるかは分かりませんが、聖魔法で呪いが解けるか、試してみてもよろしいでしょうか?」
「本当か?しかし、君はまだ魔力を使える程、体力が回復してないのではないか?無理はしないで欲しい。」
気になって仕方がないから、今すぐにやりたいの!
「陛下、私は大丈夫ですから。今、よろしいですか?」
「…ありがとう。ただ、辛い時は途中で止めるようにしてくれ。」
「はい。それではいきますね。」
陛下に聖魔法をかけていく。私の手からは眩しい光が。
おお!やっぱりこの世界に来ると、魔法が使えるのね。陛下の背中に付いている黒いモヤに向かって、それー!
……モヤが小さくなってきた。でも、まだ小さく付いていて離れない。更に強くかけていく私。あっ!やっと消えた。
「陛下、黒いモヤが消えました!……げほっ。」
あっ。口が血の味がする。どうやら、まだ無理をしてはいけない時期だったようだ。
「…リーナ!口から血が。やはり、無理をさせてしまったようだ。顔色も悪い!…ちょっと我慢してくれ!」
陛下は私をお姫様抱っこして、部屋まで運んでくれた。大丈夫と言っても、降ろしてくれなかった。
運ばれている途中、色々な人に見られて、恥ずかし過ぎた…。
まだ強い魔力に慣れない体で、強い聖魔法を使ったことで、吐血してしまったようだ。数日は安静にするように言われてしまった。
陛下の呪いは解けたようで、体が楽になったと言っている。確かに顔色が良くなっていた。そして…、
「リーナ、見舞いに来た。気分はどうだ?」
陛下は午前と午後と、時間があればお見舞いに来る、少し困った過保護な人になってしまった。
「陛下。私は寝ていれば治るようなので、大丈夫です。忙しい陛下が、ここまで来るのは申し訳なく思います。ですから……」
「リーナ!この部屋にやたら花が飾ってあるが、どうしたのだ?誰かからのプレゼントか?」
人の話を聞け!
「それは確か…、バーナード公爵令息という方から、毎日届けられているようです。」
陛下の顔が怖いような…。
「バーナード卿か!花が多すぎて、匂いがキツくて具合が悪くなるから、今後はいらないと私から言っておく!」
断りにくいから放っておいたけど、陛下から断ってくれるなら、お願いしよう。
「リーナ、少しいいか?」
「はい?」
陛下はベッドに座る私の隣に来ると、そのまま私を抱きしめる。
「リーナ、少しこのままでいさせてくれ。」
ちょっとー!
陛下はこの後から、私との距離を縮めてくるのであった。
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