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二度目の話
今世は…
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隣国の王子殿下と王女殿下が帰国してから数日後、私は殿下とのお茶会のために、王宮に来ている。
「殿下。あの日の断罪ですが、わざわざあの二人がベッドにいる時に突撃しなくてもよかったのではないですか?
王女殿下のセクシーなお姿と、フロスト卿の裸を見せられて、目のやり場に困ってしまいましたわよ。」
「ふっ!二人のあの姿を色々な者達に見せることに意味があったのだ。
あの王女が父である国王の力を使って、事件を揉み消そうとしたとしても、あんな姿を複数人に見られてしまえば、恥ずかしくて我が国の社交界にはもう出て来れなくなるだろうし、フロスト卿との関係もなかった事には出来なくなるだろう?」
「…そうですね。」
「フロスト侯爵家は取り潰しになるだろう。
政敵の暗殺に多く関わり過ぎたし、侯爵の処刑は免れない。フロスト卿の方も関わった以上は、処刑か国外追放になるな。
あの隣国王女は、帰国する途中で病に倒れたらしいからもう我が国には来ることはないだろうし、こちらとしても、もう入国は認めない。」
病に倒れた…?
どう見ても元気そうだったけど。あんなにお盛んな王女様だったのに…。
病に倒れたという事にしたのね。
「アナ…。終わったな。」
「ええ。終わったのですね…。」
殿下と微笑み合う私。
これで私は、やっと自由だわ。
あとは平凡に長生きしたいわね。
「アナは、あまりあの阿婆擦れを怒ってないのだな。
私は憎らしくて、何度斬りつけてやろうと思ったことか!」
穏やかな殿下がそこまで嫌うほどの人物だったのね。
「…生きることに必死でしたから、怒りを感じる余裕はありませんでしたわ。ショックはありましたけどね。
そう言えば…、学園で暗殺者に襲われた時に、殿下の影が助けてくれたのですよね?
あの時はありがとうございました。
矢が一本だけしか飛んでこなかったので、何とか助かることが出来て良かったです。」
私はあの日のお礼を、まだ殿下に伝えていなかったことを思い出した。
「……私の影が助けた?それは違うな。
影の報告によると、暗殺者を捕まえようと学園に影が行った時には、暗殺者はすでに自害していたそうだ。
私はてっきり、コールマン侯爵家の影が暗殺者を追い詰めたから、自害したのかと思っていたのだが。」
「いえ。学園内にうちの影はいなかったと思います。
では、一体誰が…?」
助かったのは嬉しかったけど、誰が助けてくれたのか分からないのも怖いわよ。
「暗殺者を追跡出来て、警備の厳しい学園内に入り込むことが出来るほどの影を持つのは、王家以外だと公爵家か侯爵家あたりの高位貴族しかいないだろう。」
高位貴族で私を助けてくれそうな人…
そんな人いるかしら?
「……アルマンではないか?」
「ブレア公爵令息ですか?
なぜ?」
最近は全く接触してなかったから、向こうは私のことなど忘れたのかと思っていた。
「アルマンはアナと婚約したがっていたのだから、助ける理由にはなるだろうし、ブレア公爵家の影は優秀だと聞いている
今世で私はアルマンと距離を置いてはいるが、アルマンは良いやつだし、筆頭公爵家の跡取りとして優秀だ。
それにブレア公爵家は、領地経営も上手くいっているし、事業も勢いに乗っているようだ。
ブレア公爵家の誰かが記憶持ちだとしか考えられないくらいに成功している。
だから私は、別の意味でも警戒してしまった。」
私は、ブレア公爵令息を死神と呼び、裏で愛人を囲っていた最低な男だとずっと恨んで避けてきた。
でもそれは私の勘違いだった…。
更には、暗殺者から私を守ってくれたかもしれないなんて…
「私はどうすればいいのでしょうね。
今更、あの方とどのように向き合っていいのか分からないのです。」
「そのことについては、私は何も口出し出来ないな。
アナが嫌がっているのに、無理に関わろうとしたり婚約を迫ったりしたら、助けるし口も出すが…。」
「そうですよね…。
これは私自身の問題ですもの。」
「ところで、隣国王女とフロスト卿の問題が片付いたので、私もそろそろ婚約者を決めなければならない。」
殿下が婚約者を決めたとしても、今なら何の問題もないだろうな。
あの時の私のように、暗殺に怯えたりすることはないはずよ。
「ええ。それでは、私は殿下の婚約者候補はそろそろ辞退してもよろしいでしょうか?」
私のその言葉に、殿下の目つきが変わる。
「アナ…。私はアナとあの時のように戻りたいと思っている。
アナは王妃教育が辛くて嫌だと思うかもしれないが、あの時の記憶があるのだから、王女教育はもう平気だろう?
また私の婚約者になってくれないか?私はアナと一緒に生きていきたい。」
あの頃、私は殿下が大好きだったし愛していた。
婚約解消もしたくなかった。
一緒にいて楽しかった。
でもそれは、もう過去の気持ち…
「殿下。前にも話しましたが、私達はあの時に終わったのです。
それに…、こうやって二度目の人生を過ごしてみて、私には国母は務まらないのだとよく分かりましたわ。
しかし私は、殿下のような素晴らしい人に出逢えて良かったと思っております。
これからは、臣下の一人として殿下をお支えしていけたら嬉しく思いますわ。」
殿下は、フッと切なげに笑う。
「アナが私に何の気持ちも残っていないのは分かってはいた。
ただ…、ハッキリと断られるとショックだな。」
「…こんな私を大切にしてくださった殿下には感謝しておりますわ。」
「私もアナには感謝しているよ。
アナ…、私も君と出逢えて良かったと思っている。
これからは臣下としてだけでなく、昔からの友人のような立場で色々助言をしてくれたら嬉しい。
アナは私に本音で話をしてくれる、数少ない友人の一人なのだ。
今世は、お互い幸せになろうな。」
こんな時でも殿下は、私を気遣って優しく微笑んでくれるのよ。
この方を好きになって本当に良かった…
「はい…。絶対に幸せになりましょう。」
その話をした翌日、私は正式に王太子殿下の婚約者候補を辞退することになった。
「殿下。あの日の断罪ですが、わざわざあの二人がベッドにいる時に突撃しなくてもよかったのではないですか?
王女殿下のセクシーなお姿と、フロスト卿の裸を見せられて、目のやり場に困ってしまいましたわよ。」
「ふっ!二人のあの姿を色々な者達に見せることに意味があったのだ。
あの王女が父である国王の力を使って、事件を揉み消そうとしたとしても、あんな姿を複数人に見られてしまえば、恥ずかしくて我が国の社交界にはもう出て来れなくなるだろうし、フロスト卿との関係もなかった事には出来なくなるだろう?」
「…そうですね。」
「フロスト侯爵家は取り潰しになるだろう。
政敵の暗殺に多く関わり過ぎたし、侯爵の処刑は免れない。フロスト卿の方も関わった以上は、処刑か国外追放になるな。
あの隣国王女は、帰国する途中で病に倒れたらしいからもう我が国には来ることはないだろうし、こちらとしても、もう入国は認めない。」
病に倒れた…?
どう見ても元気そうだったけど。あんなにお盛んな王女様だったのに…。
病に倒れたという事にしたのね。
「アナ…。終わったな。」
「ええ。終わったのですね…。」
殿下と微笑み合う私。
これで私は、やっと自由だわ。
あとは平凡に長生きしたいわね。
「アナは、あまりあの阿婆擦れを怒ってないのだな。
私は憎らしくて、何度斬りつけてやろうと思ったことか!」
穏やかな殿下がそこまで嫌うほどの人物だったのね。
「…生きることに必死でしたから、怒りを感じる余裕はありませんでしたわ。ショックはありましたけどね。
そう言えば…、学園で暗殺者に襲われた時に、殿下の影が助けてくれたのですよね?
あの時はありがとうございました。
矢が一本だけしか飛んでこなかったので、何とか助かることが出来て良かったです。」
私はあの日のお礼を、まだ殿下に伝えていなかったことを思い出した。
「……私の影が助けた?それは違うな。
影の報告によると、暗殺者を捕まえようと学園に影が行った時には、暗殺者はすでに自害していたそうだ。
私はてっきり、コールマン侯爵家の影が暗殺者を追い詰めたから、自害したのかと思っていたのだが。」
「いえ。学園内にうちの影はいなかったと思います。
では、一体誰が…?」
助かったのは嬉しかったけど、誰が助けてくれたのか分からないのも怖いわよ。
「暗殺者を追跡出来て、警備の厳しい学園内に入り込むことが出来るほどの影を持つのは、王家以外だと公爵家か侯爵家あたりの高位貴族しかいないだろう。」
高位貴族で私を助けてくれそうな人…
そんな人いるかしら?
「……アルマンではないか?」
「ブレア公爵令息ですか?
なぜ?」
最近は全く接触してなかったから、向こうは私のことなど忘れたのかと思っていた。
「アルマンはアナと婚約したがっていたのだから、助ける理由にはなるだろうし、ブレア公爵家の影は優秀だと聞いている
今世で私はアルマンと距離を置いてはいるが、アルマンは良いやつだし、筆頭公爵家の跡取りとして優秀だ。
それにブレア公爵家は、領地経営も上手くいっているし、事業も勢いに乗っているようだ。
ブレア公爵家の誰かが記憶持ちだとしか考えられないくらいに成功している。
だから私は、別の意味でも警戒してしまった。」
私は、ブレア公爵令息を死神と呼び、裏で愛人を囲っていた最低な男だとずっと恨んで避けてきた。
でもそれは私の勘違いだった…。
更には、暗殺者から私を守ってくれたかもしれないなんて…
「私はどうすればいいのでしょうね。
今更、あの方とどのように向き合っていいのか分からないのです。」
「そのことについては、私は何も口出し出来ないな。
アナが嫌がっているのに、無理に関わろうとしたり婚約を迫ったりしたら、助けるし口も出すが…。」
「そうですよね…。
これは私自身の問題ですもの。」
「ところで、隣国王女とフロスト卿の問題が片付いたので、私もそろそろ婚約者を決めなければならない。」
殿下が婚約者を決めたとしても、今なら何の問題もないだろうな。
あの時の私のように、暗殺に怯えたりすることはないはずよ。
「ええ。それでは、私は殿下の婚約者候補はそろそろ辞退してもよろしいでしょうか?」
私のその言葉に、殿下の目つきが変わる。
「アナ…。私はアナとあの時のように戻りたいと思っている。
アナは王妃教育が辛くて嫌だと思うかもしれないが、あの時の記憶があるのだから、王女教育はもう平気だろう?
また私の婚約者になってくれないか?私はアナと一緒に生きていきたい。」
あの頃、私は殿下が大好きだったし愛していた。
婚約解消もしたくなかった。
一緒にいて楽しかった。
でもそれは、もう過去の気持ち…
「殿下。前にも話しましたが、私達はあの時に終わったのです。
それに…、こうやって二度目の人生を過ごしてみて、私には国母は務まらないのだとよく分かりましたわ。
しかし私は、殿下のような素晴らしい人に出逢えて良かったと思っております。
これからは、臣下の一人として殿下をお支えしていけたら嬉しく思いますわ。」
殿下は、フッと切なげに笑う。
「アナが私に何の気持ちも残っていないのは分かってはいた。
ただ…、ハッキリと断られるとショックだな。」
「…こんな私を大切にしてくださった殿下には感謝しておりますわ。」
「私もアナには感謝しているよ。
アナ…、私も君と出逢えて良かったと思っている。
これからは臣下としてだけでなく、昔からの友人のような立場で色々助言をしてくれたら嬉しい。
アナは私に本音で話をしてくれる、数少ない友人の一人なのだ。
今世は、お互い幸せになろうな。」
こんな時でも殿下は、私を気遣って優しく微笑んでくれるのよ。
この方を好きになって本当に良かった…
「はい…。絶対に幸せになりましょう。」
その話をした翌日、私は正式に王太子殿下の婚約者候補を辞退することになった。
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