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アフターストーリー
第8話ー④ 正義の味方
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――職員室にて。
水蓮は長瀬川の席の隣に置かれた(長瀬川が用意した)パイプ椅子に座っていた。
「私が水蓮さんを呼んだ理由はわかりますか?」
長瀬川は水蓮の目をまっすぐに見てそう言った。
普段は太陽のような笑顔で生徒たちに接する長瀬川が、真剣な表情で自分を見ている――きっとそれだけのことを自分はしてしまったのではないか、と水蓮は思った。
「さっきの人達に、能力を使ったから……ですか?」
水蓮が恐る恐るそう尋ねると、
「そうですね」
長瀬川はそう言って首肯した。
やっぱり……規則破りで謹慎? もしくは反省文、とかになるのかな。なんにしても、お父さんの耳には入るだろうな――そう思いながら、水蓮は俯いた。
「きっと水蓮さんのことだから、何か起こりそうになっているのを見たから能力を使用したんだろうなという事は、私もわかっています」
長瀬川は淡々とそう言った。
「はい……」
長瀬川先生は私に何を言いたいのだろう――
その恐怖から、水蓮は顔を上げられなかった。
「水蓮さんは、私達教師のことを信じられないですか?」
水蓮はゆっくりと顔を上げて、長瀬川の顔を見つめる。
「え……?」
すると、水蓮の視線に先には、悲しそうに笑う長瀬川の姿があった。
「そ、それは……」
私の行動は、長瀬川先生にそんな顔をさせちゃうようなことだったんだ。じゃあやっぱり、私は正しくない――
「――責めているみたいに聞こえたら、ごめんなさい。ただ、昔のことを思い出して」
「昔のこと、ですか?」
「ええ。私がS級施設の教師をしていた時の事」
そう言って微笑む長瀬川。
それを聞いた水蓮は目を丸くする。
「長瀬川先生が、S級施設の教師!? じゃあ、お父さんのことも?」
「ああ、えっとね。まあ知っているといえば知っているけれど……私は三谷学園長が施設を出た少しあとに施設に派遣されたのよ」
* * *
十数年前。長瀬川はS級施設の教師として、当時S級クラスの子供たちと共に生活していた。
生徒たちからも評判が良く、長瀬川は母のように慕われていた。
そして施設での教員生活に慣れてきたある日のこと――施設では子供たち同士の喧嘩が行われていたのだった。
『先生、キリヤ君が――!』
職員室に駆け込んできた男子児童から喧嘩の報告を聞いた長瀬川は、急いで子供たちが喧嘩をしているという教室へ向かった。
『――私ならもう平気だから!!』
そう言って泣きじゃくる黒髪の少女、マリア。
その目の前には冷たい視線でクラスメイトを睨みながら能力を使用する黒髪の少年、キリヤの姿があった。
『な、何これ……』
目の前にはキリヤの氷で少しずつ身体が凍結していく少年の姿に、長瀬川は驚愕の表情を浮かべる。
長瀬川の存在に気が付いたマリアは『先生!!』と声を上げ、長瀬川に助けを求めた。
私が何とかしないと。私がこの子たちの先生なんだから――
長瀬川は小さく頷き、ゆっくりとキリヤに視線を向ける。
『キリヤ君、もうやめよう。この子も反省してる。だから――!』
『うるさい!!』
キリヤはそう言って、生成した氷の刃を長瀬川に目掛けて放った。そしてその刃は、長瀬川の左肩に突き刺さる。
『うぅ……』
右手で左腕を押さえながら、その場にうずくまる長瀬川。
そして長瀬川はその腕の方をゆっくりと見つめ、その腕からは出血していることを知った。
血が、出てる? キリヤ君の能力が、当たったからだ。どうして、私がこんな目に遭わなくちゃならないの。ただ、喧嘩を止めようとしただけだったのに――
そう思いながら、長瀬川は戦慄した。
『先生!』
そう言って駆け寄るマリア。
それからキリヤも遅れて長瀬川に駆け寄り、傷口に手を伸ばす。
『せ、先生……! 僕――』
また、攻撃される。今度は、殺されるかもしれない――
そう思った長瀬川は、キリヤから伸ばされたその手を払った。
『え……』
手が払われたことに動揺するキリヤ。
『私だって、こんなこと好きでしているわけじゃないのよ……それなのに、なんでこんな目に遭わなくちゃいけないの……。私が何をしたって言うのよ』
長瀬川は混乱する意識の中、独り言のようにそう呟いた。
『あ、ぼ、僕……』
そう言ってキリヤは教室を飛び出していった。
『キ、キリヤ!! どこ行くの!?』
そんなマリアの声に、キリヤが答えることはなかった。
それから数人、教師たちが教室にやって来て、長瀬川は病院へと搬送された。
病院のベッドの上。長瀬川は両手で顔を覆いながら、後悔の念を抱いていた。
キリヤ君に、なぜあんなことを言ってしまったのか――と。
『正しいことをしたと思っていたのに。結局、誰も助けられなかった。私はただ、キリヤ君を傷つけただけだったんだ――』
それから長瀬川は、キリヤに会わせる顔がない――そう思い、そのままS級施設の教師を辞めたのだった。
* * *
「――まあ、こんな感じかな」
そう言って苦笑いをする長瀬川。
「長瀬川先生とキリヤ君が……けど、じゃあどうしてまた、能力者のいるこの学園に来たんですか?」
水蓮は不思議そうな顔でそう言った。
「やっぱり後悔したままじゃ嫌だったのかもしれない。もう一度チャンスがあるのなら、私も変わりたいなあってそう思ったのよ。三谷学園長には、そう思わせてくれる力があったのかもしれないわね」
長瀬川はそう言って微笑んだ。
お父さんって、やっぱりすごいんだ。生徒たちだけじゃなくて、先生たちまで助けちゃうんだもん――
「水蓮さん、だからね。正しい行動が、必ず正しい結果を生むとは限らない。そして未来のある若者に、自分以外のことで未来を奪わせたくないの。私の言いたいこと、わかってくれたかな?」
「はい」
先生は、自分と同じ後悔を私にしてほしくなかったってことだよね――
「うん、わかればよろしい! 困った時のためにいるのが、私達教師なんだから、いつでも頼ってくださいね」
長瀬川はいつもの太陽のような笑みでそう言った。
「わかりました」
「じゃあ講義――はもう終わってしまうから、今日は帰りなさい。そしてまた、元気に教室へ来てくれればいいから」
「はい。それでは先生、さようなら」
水蓮は立ち上がってからそう言って、ぺこりと頭を下げた。
「はい、さようなら」
笑顔でそう答える長瀬川。
そして水蓮は職員室を出て行ったのだった。
水蓮は長瀬川の席の隣に置かれた(長瀬川が用意した)パイプ椅子に座っていた。
「私が水蓮さんを呼んだ理由はわかりますか?」
長瀬川は水蓮の目をまっすぐに見てそう言った。
普段は太陽のような笑顔で生徒たちに接する長瀬川が、真剣な表情で自分を見ている――きっとそれだけのことを自分はしてしまったのではないか、と水蓮は思った。
「さっきの人達に、能力を使ったから……ですか?」
水蓮が恐る恐るそう尋ねると、
「そうですね」
長瀬川はそう言って首肯した。
やっぱり……規則破りで謹慎? もしくは反省文、とかになるのかな。なんにしても、お父さんの耳には入るだろうな――そう思いながら、水蓮は俯いた。
「きっと水蓮さんのことだから、何か起こりそうになっているのを見たから能力を使用したんだろうなという事は、私もわかっています」
長瀬川は淡々とそう言った。
「はい……」
長瀬川先生は私に何を言いたいのだろう――
その恐怖から、水蓮は顔を上げられなかった。
「水蓮さんは、私達教師のことを信じられないですか?」
水蓮はゆっくりと顔を上げて、長瀬川の顔を見つめる。
「え……?」
すると、水蓮の視線に先には、悲しそうに笑う長瀬川の姿があった。
「そ、それは……」
私の行動は、長瀬川先生にそんな顔をさせちゃうようなことだったんだ。じゃあやっぱり、私は正しくない――
「――責めているみたいに聞こえたら、ごめんなさい。ただ、昔のことを思い出して」
「昔のこと、ですか?」
「ええ。私がS級施設の教師をしていた時の事」
そう言って微笑む長瀬川。
それを聞いた水蓮は目を丸くする。
「長瀬川先生が、S級施設の教師!? じゃあ、お父さんのことも?」
「ああ、えっとね。まあ知っているといえば知っているけれど……私は三谷学園長が施設を出た少しあとに施設に派遣されたのよ」
* * *
十数年前。長瀬川はS級施設の教師として、当時S級クラスの子供たちと共に生活していた。
生徒たちからも評判が良く、長瀬川は母のように慕われていた。
そして施設での教員生活に慣れてきたある日のこと――施設では子供たち同士の喧嘩が行われていたのだった。
『先生、キリヤ君が――!』
職員室に駆け込んできた男子児童から喧嘩の報告を聞いた長瀬川は、急いで子供たちが喧嘩をしているという教室へ向かった。
『――私ならもう平気だから!!』
そう言って泣きじゃくる黒髪の少女、マリア。
その目の前には冷たい視線でクラスメイトを睨みながら能力を使用する黒髪の少年、キリヤの姿があった。
『な、何これ……』
目の前にはキリヤの氷で少しずつ身体が凍結していく少年の姿に、長瀬川は驚愕の表情を浮かべる。
長瀬川の存在に気が付いたマリアは『先生!!』と声を上げ、長瀬川に助けを求めた。
私が何とかしないと。私がこの子たちの先生なんだから――
長瀬川は小さく頷き、ゆっくりとキリヤに視線を向ける。
『キリヤ君、もうやめよう。この子も反省してる。だから――!』
『うるさい!!』
キリヤはそう言って、生成した氷の刃を長瀬川に目掛けて放った。そしてその刃は、長瀬川の左肩に突き刺さる。
『うぅ……』
右手で左腕を押さえながら、その場にうずくまる長瀬川。
そして長瀬川はその腕の方をゆっくりと見つめ、その腕からは出血していることを知った。
血が、出てる? キリヤ君の能力が、当たったからだ。どうして、私がこんな目に遭わなくちゃならないの。ただ、喧嘩を止めようとしただけだったのに――
そう思いながら、長瀬川は戦慄した。
『先生!』
そう言って駆け寄るマリア。
それからキリヤも遅れて長瀬川に駆け寄り、傷口に手を伸ばす。
『せ、先生……! 僕――』
また、攻撃される。今度は、殺されるかもしれない――
そう思った長瀬川は、キリヤから伸ばされたその手を払った。
『え……』
手が払われたことに動揺するキリヤ。
『私だって、こんなこと好きでしているわけじゃないのよ……それなのに、なんでこんな目に遭わなくちゃいけないの……。私が何をしたって言うのよ』
長瀬川は混乱する意識の中、独り言のようにそう呟いた。
『あ、ぼ、僕……』
そう言ってキリヤは教室を飛び出していった。
『キ、キリヤ!! どこ行くの!?』
そんなマリアの声に、キリヤが答えることはなかった。
それから数人、教師たちが教室にやって来て、長瀬川は病院へと搬送された。
病院のベッドの上。長瀬川は両手で顔を覆いながら、後悔の念を抱いていた。
キリヤ君に、なぜあんなことを言ってしまったのか――と。
『正しいことをしたと思っていたのに。結局、誰も助けられなかった。私はただ、キリヤ君を傷つけただけだったんだ――』
それから長瀬川は、キリヤに会わせる顔がない――そう思い、そのままS級施設の教師を辞めたのだった。
* * *
「――まあ、こんな感じかな」
そう言って苦笑いをする長瀬川。
「長瀬川先生とキリヤ君が……けど、じゃあどうしてまた、能力者のいるこの学園に来たんですか?」
水蓮は不思議そうな顔でそう言った。
「やっぱり後悔したままじゃ嫌だったのかもしれない。もう一度チャンスがあるのなら、私も変わりたいなあってそう思ったのよ。三谷学園長には、そう思わせてくれる力があったのかもしれないわね」
長瀬川はそう言って微笑んだ。
お父さんって、やっぱりすごいんだ。生徒たちだけじゃなくて、先生たちまで助けちゃうんだもん――
「水蓮さん、だからね。正しい行動が、必ず正しい結果を生むとは限らない。そして未来のある若者に、自分以外のことで未来を奪わせたくないの。私の言いたいこと、わかってくれたかな?」
「はい」
先生は、自分と同じ後悔を私にしてほしくなかったってことだよね――
「うん、わかればよろしい! 困った時のためにいるのが、私達教師なんだから、いつでも頼ってくださいね」
長瀬川はいつもの太陽のような笑みでそう言った。
「わかりました」
「じゃあ講義――はもう終わってしまうから、今日は帰りなさい。そしてまた、元気に教室へ来てくれればいいから」
「はい。それでは先生、さようなら」
水蓮は立ち上がってからそう言って、ぺこりと頭を下げた。
「はい、さようなら」
笑顔でそう答える長瀬川。
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