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第10章 未来へ繋ぐ想い
第82話ー⑤ S級クラスの出来事
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教室内――
暁はレクリエーションをしている生徒たちを窓から見つめていた。
『珍しいな。暁は参加しないのか』
ミケはそう言いながら、暁の傍に歩み寄る。
そして暁はそんなミケの方を見ると、
「今日は水蓮が参加したいって言ったからな。人数のことを考慮して、俺は外れることにしたんだ」
そう言って微笑んだ。
『暁のことだから生徒を傍で見ていたいと言って、無理にでも参加しそうだと思ったが』
「ははは。昔の俺なら、そうしていただろうな。でも――」
暁は窓の外を見て、グラウンドにいる生徒たちを見つめた。
「俺が何かをしなくても、あいつらは自分たちで選んで進んでいけるんじゃないかって思うんだ。未来の創り方は、もうわかっているはずだから」
これまでたくさんの出会いやいろんな経験をして、生徒たちはそれぞれでその方法を身に着けてきたんだからな――
『ふっ。それを暁が教えたと』
「うーん。それも違うかなって思う。交わることのない人間同士が交わることで、新たな可能性に気が付くって言うのかな……俺はそのきっかけの場所を用意しただけだよ」
そう言って暁はミケの方を見て微笑んだ。
『そうか……それでも子供たちにとって、暁の存在はとても大きなものなんだと私は思うぞ。暁に出会って、子供たちは変わっていったのだからな』
「ははは……ありがとな! 本当にそうだったら、俺も嬉しいよ」
それから暁はグラウンドに視線を移し、そのまま窓枠に両手を置いた。
「ここもいつまであるんだろうな」
『ん? どういうことだ?』
「クラス制度がなくなれば、この施設は廃止になる。そうしたら、ここの役目はなくなるわけだ」
たくさんの思い出が詰まったこの場所は、もうすぐなくなるんだ――
そんなことを思い、悲し気な表情をする暁。
『新たな学び舎と言う話は……?』
「ああ、その件は進んでいるよ。でも、新たな学び舎ができるのはここじゃないんだ。都内にある土地を紹介されてな。その場所なら、ここよりも交通の便もいいから、多くの子供たちも通えるだろうってさ」
『そうなのか……』
それから暁はミケに視線を向ける。
「そうなったら、ミケさんはどうする? 確か猫は、一度居ついた場所をなかなか変えないっ――」
『私は猫だが、元は人間だぞ!! もちろんこの先もずっと暁の厄介になるさ。こうして会話もできるし、それにおいしいご飯も食べられる』
なんて傲慢な猫なんだ――
暁は心の中でそう思いつつ、ミケとまだ一緒に居られることを喜んだ。
「じゃあ、まだまだ長い付き合いになりそうだな」
『ああ、これからもうまいご飯を頼んだぞ』
「ミケさんはそればっかだな」
暁はやれやれと言った顔をしながら、ミケにそう言ったのだった。
そう。もうすぐここは……それまでに俺は俺のやれることをしよう――
そして暁は生徒たちのレクリエーションを見守ったのだった。
暁はレクリエーションをしている生徒たちを窓から見つめていた。
『珍しいな。暁は参加しないのか』
ミケはそう言いながら、暁の傍に歩み寄る。
そして暁はそんなミケの方を見ると、
「今日は水蓮が参加したいって言ったからな。人数のことを考慮して、俺は外れることにしたんだ」
そう言って微笑んだ。
『暁のことだから生徒を傍で見ていたいと言って、無理にでも参加しそうだと思ったが』
「ははは。昔の俺なら、そうしていただろうな。でも――」
暁は窓の外を見て、グラウンドにいる生徒たちを見つめた。
「俺が何かをしなくても、あいつらは自分たちで選んで進んでいけるんじゃないかって思うんだ。未来の創り方は、もうわかっているはずだから」
これまでたくさんの出会いやいろんな経験をして、生徒たちはそれぞれでその方法を身に着けてきたんだからな――
『ふっ。それを暁が教えたと』
「うーん。それも違うかなって思う。交わることのない人間同士が交わることで、新たな可能性に気が付くって言うのかな……俺はそのきっかけの場所を用意しただけだよ」
そう言って暁はミケの方を見て微笑んだ。
『そうか……それでも子供たちにとって、暁の存在はとても大きなものなんだと私は思うぞ。暁に出会って、子供たちは変わっていったのだからな』
「ははは……ありがとな! 本当にそうだったら、俺も嬉しいよ」
それから暁はグラウンドに視線を移し、そのまま窓枠に両手を置いた。
「ここもいつまであるんだろうな」
『ん? どういうことだ?』
「クラス制度がなくなれば、この施設は廃止になる。そうしたら、ここの役目はなくなるわけだ」
たくさんの思い出が詰まったこの場所は、もうすぐなくなるんだ――
そんなことを思い、悲し気な表情をする暁。
『新たな学び舎と言う話は……?』
「ああ、その件は進んでいるよ。でも、新たな学び舎ができるのはここじゃないんだ。都内にある土地を紹介されてな。その場所なら、ここよりも交通の便もいいから、多くの子供たちも通えるだろうってさ」
『そうなのか……』
それから暁はミケに視線を向ける。
「そうなったら、ミケさんはどうする? 確か猫は、一度居ついた場所をなかなか変えないっ――」
『私は猫だが、元は人間だぞ!! もちろんこの先もずっと暁の厄介になるさ。こうして会話もできるし、それにおいしいご飯も食べられる』
なんて傲慢な猫なんだ――
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「じゃあ、まだまだ長い付き合いになりそうだな」
『ああ、これからもうまいご飯を頼んだぞ』
「ミケさんはそればっかだな」
暁はやれやれと言った顔をしながら、ミケにそう言ったのだった。
そう。もうすぐここは……それまでに俺は俺のやれることをしよう――
そして暁は生徒たちのレクリエーションを見守ったのだった。
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