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第10章 未来へ繋ぐ想い
第81話ー③ 二人を繋ぐもの
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――大学にて。
「ここが私の通う大学か」
そう呟きながら優香は少し離れたところで大学の入場門を見つめる。
入り口のところに警備員がいる……簡単には入れないか――
「キリヤ君に接触できないんじゃ、連れ戻すどころじゃないしなあ……」
優香がため息を吐き、佇んでいると、
「あれ、優香? 今日、1限あるって言ってなかった?」
正面からそう言ってマリアがやってきた。
「く、桑島さん!?」
どうしよう……まずいな――
「えっと……ちょっと体調が悪くて……あはは」
「そうなの? 大丈夫?? そういえば、昨日キリヤが優香の様子がおかしいって言っていたけど、それと関係あるの?」
「え!?」
何言ってくれてんの!? 相変わらずシスコンなんだから――
そう思いながら、ため息を吐く優香。
「優香?」
心配そうな顔で優香を見つめるマリア。
「ああ、はい!」
「大丈夫? キリヤを呼ぶ??」
「え!? だ、大丈夫です! それほどでもないので!!」
「だったら、良かった。……私、次の講義まで時間あるし、お茶でもしない?」
もしかしたら、キリヤ君やこの世界のことで何か有力な情報を聞けるかもしれない――
「もちろん、喜んで!!」
それから優香はマリアと共に大学付近のカフェに向かったのだった。
――カフェにて。
優香とマリアは向き合って座ると、
「優香はどうする?」
マリアがメニューを差し出してそう尋ねた。
「あ、ありがとうございます。私は……ホットコーヒーで」
「わかった!」
それから飲み物を注文すると、しばらくして飲み物が運ばれてきた。
「ココアってなんだか女の子って感じがしますね」
マリアがカップに口をつけた時、優香はそう言った。
「……違うの。私、コーヒーが飲めないだけなんだ。優香は凄い。私と同い年なのにコーヒーが飲めるなんて」
そう言ってマリアは微笑んだ。
「そんなことはないですよ。でも、お褒めのお言葉としてお受け取り致します」
優香はそう言ってニコッと微笑んだ。
そういえば、桑島さんと2人きりでお話するなんて、初めてだなあ。いつもはキリヤ君か流山さんが一緒に――
「はあ。でも緊張した」
「え?」
「優香と2人きりって初めてだったから。でもやっぱり優香はキリヤが言う通り、優しいんだって思ったら安心した」
マリアはほっとした顔でそう言った。
「キリヤ君が、そんなことを……」
「うん。家だといつも優香のことばかり話してるの。……本当に仲良しなんだなあって」
「そ、そそそそんな!」
顔が真っ赤になる優香。
「うふふ。そういうところもきっとかわいいって思うんだろうね」
「は、はいい?」
「優香が家族になってくれたら、私も嬉しい。だからこれからもキリヤをよろしくね」
そう言って微笑むマリア。
「あ、はい……」
桑島さんは、この世界の私に対してそう思っているんだ。それなのに、私はこの世界の人々からキリヤ君を奪おうとしているってことになるよね――
そう思い、俯く優香。
「どうしたの、優香?」
「桑島さん」
「何?」
「もしも、急にキリヤ君がいなくなったら……悲しいですか?」
「……うん」
そう、だよね。じゃあやっぱり、私は――
「でも。キリヤが自分で決めて行動したのなら、私は応援したい」
「え……」
「確かに悲しいけど、でもキリヤがやりたいことをやれないのはもっと悲しいから。だから私はキリヤが自分で決めたことなら、私は全力で応援したい!」
マリアは笑顔でそう言った。
私は勝手に決めつけていたのかもしれない。この世界の人たちは、私の知っている人たちとほとんど変わりない。
だからみんなそれぞれの意思もあるし、強さもある。私が思っているよりもずっとみんな大人で、そして仲間や家族を信じているんだ――
「……ありがとうございます」
「うん? でもどうしていきなりそんなこと、聞くの? まさか――」
「え!?」
もしかして、何か感付かれた――?
「駆け落ちする気なんじゃ――大丈夫! お母さんもお父さんも、2人のことは認めているから! 優香のお母さんが反対するなら、私たちが説得するよ?」
マリアは必死になってそう言った。
桑島さんは、なんて発想を――!?
「ち、違うんです! ただ何となく聞いてみただけです!! だから駆け落ちじゃ――」
「そっか……それならよかった」
ほっとした表情をするマリア。
「あははは……」
それからしばらくカフェで過ごした優香とマリア。
「じゃあ私、次の講義に行くね」
「はい。ありがとうございました!」
「うん!」
そして行こうとするマリアに、
「待ってください!!」
優香はそう言って呼び止める。
「どうしたの?」
「えっと……今日のカフェのことは内緒でもいいですか? 講義を休んだのに、カフェでお茶していたなんてばれたら、大変ですし……」
「うん。わかった! その代わり――」
そしてマリアは優香の耳元に近寄り、
「また2人で行こうね」
そう言って微笑んだ。
「はい!」
優香も微笑んでそう返した。それからマリアは大学に戻って行った。
「さて。私はホテルに戻ろうかな」
そして優香は宿泊するホテルに戻って行ったのだった。
「ここが私の通う大学か」
そう呟きながら優香は少し離れたところで大学の入場門を見つめる。
入り口のところに警備員がいる……簡単には入れないか――
「キリヤ君に接触できないんじゃ、連れ戻すどころじゃないしなあ……」
優香がため息を吐き、佇んでいると、
「あれ、優香? 今日、1限あるって言ってなかった?」
正面からそう言ってマリアがやってきた。
「く、桑島さん!?」
どうしよう……まずいな――
「えっと……ちょっと体調が悪くて……あはは」
「そうなの? 大丈夫?? そういえば、昨日キリヤが優香の様子がおかしいって言っていたけど、それと関係あるの?」
「え!?」
何言ってくれてんの!? 相変わらずシスコンなんだから――
そう思いながら、ため息を吐く優香。
「優香?」
心配そうな顔で優香を見つめるマリア。
「ああ、はい!」
「大丈夫? キリヤを呼ぶ??」
「え!? だ、大丈夫です! それほどでもないので!!」
「だったら、良かった。……私、次の講義まで時間あるし、お茶でもしない?」
もしかしたら、キリヤ君やこの世界のことで何か有力な情報を聞けるかもしれない――
「もちろん、喜んで!!」
それから優香はマリアと共に大学付近のカフェに向かったのだった。
――カフェにて。
優香とマリアは向き合って座ると、
「優香はどうする?」
マリアがメニューを差し出してそう尋ねた。
「あ、ありがとうございます。私は……ホットコーヒーで」
「わかった!」
それから飲み物を注文すると、しばらくして飲み物が運ばれてきた。
「ココアってなんだか女の子って感じがしますね」
マリアがカップに口をつけた時、優香はそう言った。
「……違うの。私、コーヒーが飲めないだけなんだ。優香は凄い。私と同い年なのにコーヒーが飲めるなんて」
そう言ってマリアは微笑んだ。
「そんなことはないですよ。でも、お褒めのお言葉としてお受け取り致します」
優香はそう言ってニコッと微笑んだ。
そういえば、桑島さんと2人きりでお話するなんて、初めてだなあ。いつもはキリヤ君か流山さんが一緒に――
「はあ。でも緊張した」
「え?」
「優香と2人きりって初めてだったから。でもやっぱり優香はキリヤが言う通り、優しいんだって思ったら安心した」
マリアはほっとした顔でそう言った。
「キリヤ君が、そんなことを……」
「うん。家だといつも優香のことばかり話してるの。……本当に仲良しなんだなあって」
「そ、そそそそんな!」
顔が真っ赤になる優香。
「うふふ。そういうところもきっとかわいいって思うんだろうね」
「は、はいい?」
「優香が家族になってくれたら、私も嬉しい。だからこれからもキリヤをよろしくね」
そう言って微笑むマリア。
「あ、はい……」
桑島さんは、この世界の私に対してそう思っているんだ。それなのに、私はこの世界の人々からキリヤ君を奪おうとしているってことになるよね――
そう思い、俯く優香。
「どうしたの、優香?」
「桑島さん」
「何?」
「もしも、急にキリヤ君がいなくなったら……悲しいですか?」
「……うん」
そう、だよね。じゃあやっぱり、私は――
「でも。キリヤが自分で決めて行動したのなら、私は応援したい」
「え……」
「確かに悲しいけど、でもキリヤがやりたいことをやれないのはもっと悲しいから。だから私はキリヤが自分で決めたことなら、私は全力で応援したい!」
マリアは笑顔でそう言った。
私は勝手に決めつけていたのかもしれない。この世界の人たちは、私の知っている人たちとほとんど変わりない。
だからみんなそれぞれの意思もあるし、強さもある。私が思っているよりもずっとみんな大人で、そして仲間や家族を信じているんだ――
「……ありがとうございます」
「うん? でもどうしていきなりそんなこと、聞くの? まさか――」
「え!?」
もしかして、何か感付かれた――?
「駆け落ちする気なんじゃ――大丈夫! お母さんもお父さんも、2人のことは認めているから! 優香のお母さんが反対するなら、私たちが説得するよ?」
マリアは必死になってそう言った。
桑島さんは、なんて発想を――!?
「ち、違うんです! ただ何となく聞いてみただけです!! だから駆け落ちじゃ――」
「そっか……それならよかった」
ほっとした表情をするマリア。
「あははは……」
それからしばらくカフェで過ごした優香とマリア。
「じゃあ私、次の講義に行くね」
「はい。ありがとうございました!」
「うん!」
そして行こうとするマリアに、
「待ってください!!」
優香はそう言って呼び止める。
「どうしたの?」
「えっと……今日のカフェのことは内緒でもいいですか? 講義を休んだのに、カフェでお茶していたなんてばれたら、大変ですし……」
「うん。わかった! その代わり――」
そしてマリアは優香の耳元に近寄り、
「また2人で行こうね」
そう言って微笑んだ。
「はい!」
優香も微笑んでそう返した。それからマリアは大学に戻って行った。
「さて。私はホテルに戻ろうかな」
そして優香は宿泊するホテルに戻って行ったのだった。
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