361 / 501
第9章 新たな希望と変わる世界
第73話ー② デビュー前の
しおりを挟む
デビューライブの話から1か月後――
しおんと真一は住んでいる寮から事務所まで歩いて向かっていた。
「あれからいろいろと考えてSNSで宣伝したり、新曲動画を上げてみたけどさ」
「うん。今、どうなっているんだろうね」
しおんと真一はデビューライブの話を聞いてからすぐに話し合い、その時に決めたことを実行してきた。
その成果があったかどうかはわからなかったが、SNSや動画へのコメントはほんの少しだけ増えたような気がするとしおんは思っていたのだった。
「社長が今日、その現状を教えてくれるんだったよな」
「そう。どれくらいチケットが売れているんだろう……」
不安気にそう告げる真一。
「あれだけいろいろやってみたんだし、せめて30枚くらいは売れていてほしいよな」
「そう、だね」
そして事務所に到着すると、そのまま会議室へ向かい社長の到着を待つしおんと真一。
それから数分後――。
「ごめんね、打ち合わせで遅くなって!」
社長はそう言って会議室にやってきた。
「「「お疲れ様です!」」
「おお、相変わらず息ぴったりだ! じゃあさっそく本題だね!」
笑顔でそう告げる社長。
しおんは神妙な面持ちで「はい」と言った。
「それじゃあ、しおん君。この1か月の君たちの活動を教えてくれるかな?」
「あ、はい! SNSでの宣伝と動画の投稿をしていました」
「ほう。それで、反応はどうだったかな」
笑顔を崩さずにそう告げる社長。
「特に大きな変化はなかったです。でも少しずつ数字は伸びきています!」
「そうか――じゃあ真一君。今、君たちのチケットはどのくらい売れているかわかるかい?」
「どれくらいか、ですか? うーん……」
そう言って考え込む真一。
「君が思う数字を言ってくれればいいよ」
「30枚、くらいでしょうか」
真一は自信がなさそうにそう答えた。
「まあ期間が半年あるのなら、1か月はそれくらいはほしいものだよね。うんうん」
「えっと、社長?」
しおんが首をかしげながらそう言うと、
「ああ、悪い悪い! じゃあ、結果発表!! じゃあああん!」
社長はそう言いながら、1か月前の時のようにしおんと真一へタブレットの画面を見せた。
そしてしおんと真一はそこに表示されている数字が『0』だという事を知る。
何かの間違い、だよな……『0』って、1枚も売れてないってことだろ――?
しおんはそう思いながら、呆然とタブレットの画面を見つめる。
「これが君たちの現状だよ。まあやっていることが無駄だとは思わないが、このままではきっといつまで経っても君たちは『ASTER』に追いつくどころが、CDデビューすら叶わないだろう。そして『0』のままなら、当然ライブも中止だ」
社長は今までにない真剣な顔で、しおんと真一にそう告げた。
「そん、な……」
「でも俺たち、何もしてこなかったわけじゃないんですよ! それなのに……なんで、こんな」
「でもこれが現実だ。さあ……この結果を見て、君たちはこれからどう動く?」
社長はそう言って、少しだけ口角を上げた。
その口ぶりから、まだ社長は自分たちのことを見捨てたわけではないことを察するしおん。
これからどう動く、か――そう思いながら、しおんは視線をゆっくりと真一の方へ向ける。すると、真一も何かを考えているようなしぐさをしていた。
「じゃあ私はまた打ち合わせがあるから、また」
そう言って社長は会議室を出て行った。
「なあ真一、俺たちこのままじゃ――」
「僕は、このまま何もできずに終わりたくはない!!」
真一はそう言って、しおんの顔をまっすぐに見つめた。
やっぱり真一もまだ諦めてなかったんだな。俺と同じで――!
そう思い、しおんは満面の笑みをする。
「そうだな! 俺たちが今できることをやろう! まだやれることはあるはずだからな!」
「うん!」
そしてそれからの数か月間、しおんと真一は路上ライブやチラシ配り、そしてライブバーなどで演奏を行なっていったのだった。
――デビューライブ当日。
「チケットのこと、最初の1か月だけは教えてくれたけどさ。結局、その後は聞いても教えてくれなかったよね」
真一は控室の椅子に座りながら、不安な顔でしおんにそう言った。
「だな……もしかして、売れなかったのかな」
ため息交じりにそう言うしおん。
「でもSNSでは『ライブ楽しみです』ってコメントをチラチラ見たよ」
「半分も売れてなかったりしてな――」
「そんな怖いこと言うなよ!」
「だって、実際はわからないだろ」
そう、最初の1か月目に聞いた時は『0』だった。これまでにやれることはやったつもりだけど、実際はどうなったなんて――
しおんは俯いたまま、そんなことを思っていた。
「でも最近ライブバーで演奏した時は、ほとんどが僕たち目当てのお客さんばかりだったでしょ? だからきっと半分くらいは売れているはずだよ……」
「そうだといいけどな。――ああ、もうこんなこと考えるのやめようぜ! だって今日は俺たちのデビューライブなんだ! もう何人が来たとか、何人足らなかったとかいいんだよ! 俺たちは音楽を楽しもうぜ!! な?」
「ふふ。そうだね。たとえ観に来ている人が1人だったとしても、その1人のために僕たちの音を届けよう」
「おう!!」
それからライブスタッフがしおんたちの控室を訪れた。
「じゃあそろそろ開演です! スタンバイお願いします!」
「はい!」「わかりました」
「じゃあ思いっきり楽しもうぜ? 初めてのワンマンライブ!」
しおんはそう言って真一に微笑んだ。
「うん!」
そして真一も笑顔で返し、2人は舞台裏に移動する。
「すごく静かだね。やっぱりお客さん、いないんじゃ――」
「さっき気にするなって言ったのはしおんだろ? そういうのはもういいんだって。僕たちは音楽を楽しめば」
「あはは、そうだったな」
そして舞台袖につき、2人は顔を見合わせる。
「じゃあ、時間です! 開園します!!」
スタッフにそう言われた2人はステージに向かって歩き出した。
すると――
「わあああ!」「きゃあああ!!」
突然聞こえた大きな歓声に、しおんと真一は目を丸くする。それから2人はステージから客席をゆっくりと見渡した。
「これって――」
「やったな、真一! 満席だ!!」
そう言って、2人はお互いの顔を見合わせて頷く。
「今日は俺たちのライブに来てくれてありがとう! 最高に盛り上げていくぜ!!」
「じゃあ最初の曲は、僕たちが初めて作った歌。『風音のプレリュード』!」
それから2人は大歓声の中、演奏を始めたのだった――
――そして現在。
「あの頃が懐かしいな」
「そうだね。あれからとんとん拍子にCDの制作が決まって、収録もしてさ」
「来月、ようやくCDデビューするんだよな」
そう言いながら、しおんと真一は感慨深い表情をしていた。
「良い番組になるといいね!」
「まあでも、凛子だぞ? 何かサプライズを仕掛けてきそうだな」
「あはは! しおんはアドリブが苦手だしね。まあそれが面白いんだろうけどさ」
そう言って楽しそうに笑う真一。
「そういう時は、面白がってないで助けろよ!!」
「うーん。どうしようかな」
「悩むなって!!」
「あはは! でも、楽しみだね。CDデビューもそうだけど、また凛子と一緒に番組をできるのがさ」
真一が笑顔でそう言うと、
「ま、まあ。それは、そうだな」
恥ずかしそうにしおんはそう言った。
「凛子に会えなくて、しおんはずっと寂しそうだったもんね」
真一はそう言ってニヤニヤと笑う。
「はあ? 寂しくなんかねえよ! むしろ、せいせいしてたし!!」
「あー、はいはい」
「おいっ!」
「じゃあ、僕はこれからボイトレがあるからまた寮でね!」
そう言って真一は事務所から出て行った。
「からかいやがって――でも、まあ……ほんの少しくらいは、楽しみかもしれないな」
それからしおんはバイト先のライブバーに向かったのだった。
しおんと真一は住んでいる寮から事務所まで歩いて向かっていた。
「あれからいろいろと考えてSNSで宣伝したり、新曲動画を上げてみたけどさ」
「うん。今、どうなっているんだろうね」
しおんと真一はデビューライブの話を聞いてからすぐに話し合い、その時に決めたことを実行してきた。
その成果があったかどうかはわからなかったが、SNSや動画へのコメントはほんの少しだけ増えたような気がするとしおんは思っていたのだった。
「社長が今日、その現状を教えてくれるんだったよな」
「そう。どれくらいチケットが売れているんだろう……」
不安気にそう告げる真一。
「あれだけいろいろやってみたんだし、せめて30枚くらいは売れていてほしいよな」
「そう、だね」
そして事務所に到着すると、そのまま会議室へ向かい社長の到着を待つしおんと真一。
それから数分後――。
「ごめんね、打ち合わせで遅くなって!」
社長はそう言って会議室にやってきた。
「「「お疲れ様です!」」
「おお、相変わらず息ぴったりだ! じゃあさっそく本題だね!」
笑顔でそう告げる社長。
しおんは神妙な面持ちで「はい」と言った。
「それじゃあ、しおん君。この1か月の君たちの活動を教えてくれるかな?」
「あ、はい! SNSでの宣伝と動画の投稿をしていました」
「ほう。それで、反応はどうだったかな」
笑顔を崩さずにそう告げる社長。
「特に大きな変化はなかったです。でも少しずつ数字は伸びきています!」
「そうか――じゃあ真一君。今、君たちのチケットはどのくらい売れているかわかるかい?」
「どれくらいか、ですか? うーん……」
そう言って考え込む真一。
「君が思う数字を言ってくれればいいよ」
「30枚、くらいでしょうか」
真一は自信がなさそうにそう答えた。
「まあ期間が半年あるのなら、1か月はそれくらいはほしいものだよね。うんうん」
「えっと、社長?」
しおんが首をかしげながらそう言うと、
「ああ、悪い悪い! じゃあ、結果発表!! じゃあああん!」
社長はそう言いながら、1か月前の時のようにしおんと真一へタブレットの画面を見せた。
そしてしおんと真一はそこに表示されている数字が『0』だという事を知る。
何かの間違い、だよな……『0』って、1枚も売れてないってことだろ――?
しおんはそう思いながら、呆然とタブレットの画面を見つめる。
「これが君たちの現状だよ。まあやっていることが無駄だとは思わないが、このままではきっといつまで経っても君たちは『ASTER』に追いつくどころが、CDデビューすら叶わないだろう。そして『0』のままなら、当然ライブも中止だ」
社長は今までにない真剣な顔で、しおんと真一にそう告げた。
「そん、な……」
「でも俺たち、何もしてこなかったわけじゃないんですよ! それなのに……なんで、こんな」
「でもこれが現実だ。さあ……この結果を見て、君たちはこれからどう動く?」
社長はそう言って、少しだけ口角を上げた。
その口ぶりから、まだ社長は自分たちのことを見捨てたわけではないことを察するしおん。
これからどう動く、か――そう思いながら、しおんは視線をゆっくりと真一の方へ向ける。すると、真一も何かを考えているようなしぐさをしていた。
「じゃあ私はまた打ち合わせがあるから、また」
そう言って社長は会議室を出て行った。
「なあ真一、俺たちこのままじゃ――」
「僕は、このまま何もできずに終わりたくはない!!」
真一はそう言って、しおんの顔をまっすぐに見つめた。
やっぱり真一もまだ諦めてなかったんだな。俺と同じで――!
そう思い、しおんは満面の笑みをする。
「そうだな! 俺たちが今できることをやろう! まだやれることはあるはずだからな!」
「うん!」
そしてそれからの数か月間、しおんと真一は路上ライブやチラシ配り、そしてライブバーなどで演奏を行なっていったのだった。
――デビューライブ当日。
「チケットのこと、最初の1か月だけは教えてくれたけどさ。結局、その後は聞いても教えてくれなかったよね」
真一は控室の椅子に座りながら、不安な顔でしおんにそう言った。
「だな……もしかして、売れなかったのかな」
ため息交じりにそう言うしおん。
「でもSNSでは『ライブ楽しみです』ってコメントをチラチラ見たよ」
「半分も売れてなかったりしてな――」
「そんな怖いこと言うなよ!」
「だって、実際はわからないだろ」
そう、最初の1か月目に聞いた時は『0』だった。これまでにやれることはやったつもりだけど、実際はどうなったなんて――
しおんは俯いたまま、そんなことを思っていた。
「でも最近ライブバーで演奏した時は、ほとんどが僕たち目当てのお客さんばかりだったでしょ? だからきっと半分くらいは売れているはずだよ……」
「そうだといいけどな。――ああ、もうこんなこと考えるのやめようぜ! だって今日は俺たちのデビューライブなんだ! もう何人が来たとか、何人足らなかったとかいいんだよ! 俺たちは音楽を楽しもうぜ!! な?」
「ふふ。そうだね。たとえ観に来ている人が1人だったとしても、その1人のために僕たちの音を届けよう」
「おう!!」
それからライブスタッフがしおんたちの控室を訪れた。
「じゃあそろそろ開演です! スタンバイお願いします!」
「はい!」「わかりました」
「じゃあ思いっきり楽しもうぜ? 初めてのワンマンライブ!」
しおんはそう言って真一に微笑んだ。
「うん!」
そして真一も笑顔で返し、2人は舞台裏に移動する。
「すごく静かだね。やっぱりお客さん、いないんじゃ――」
「さっき気にするなって言ったのはしおんだろ? そういうのはもういいんだって。僕たちは音楽を楽しめば」
「あはは、そうだったな」
そして舞台袖につき、2人は顔を見合わせる。
「じゃあ、時間です! 開園します!!」
スタッフにそう言われた2人はステージに向かって歩き出した。
すると――
「わあああ!」「きゃあああ!!」
突然聞こえた大きな歓声に、しおんと真一は目を丸くする。それから2人はステージから客席をゆっくりと見渡した。
「これって――」
「やったな、真一! 満席だ!!」
そう言って、2人はお互いの顔を見合わせて頷く。
「今日は俺たちのライブに来てくれてありがとう! 最高に盛り上げていくぜ!!」
「じゃあ最初の曲は、僕たちが初めて作った歌。『風音のプレリュード』!」
それから2人は大歓声の中、演奏を始めたのだった――
――そして現在。
「あの頃が懐かしいな」
「そうだね。あれからとんとん拍子にCDの制作が決まって、収録もしてさ」
「来月、ようやくCDデビューするんだよな」
そう言いながら、しおんと真一は感慨深い表情をしていた。
「良い番組になるといいね!」
「まあでも、凛子だぞ? 何かサプライズを仕掛けてきそうだな」
「あはは! しおんはアドリブが苦手だしね。まあそれが面白いんだろうけどさ」
そう言って楽しそうに笑う真一。
「そういう時は、面白がってないで助けろよ!!」
「うーん。どうしようかな」
「悩むなって!!」
「あはは! でも、楽しみだね。CDデビューもそうだけど、また凛子と一緒に番組をできるのがさ」
真一が笑顔でそう言うと、
「ま、まあ。それは、そうだな」
恥ずかしそうにしおんはそう言った。
「凛子に会えなくて、しおんはずっと寂しそうだったもんね」
真一はそう言ってニヤニヤと笑う。
「はあ? 寂しくなんかねえよ! むしろ、せいせいしてたし!!」
「あー、はいはい」
「おいっ!」
「じゃあ、僕はこれからボイトレがあるからまた寮でね!」
そう言って真一は事務所から出て行った。
「からかいやがって――でも、まあ……ほんの少しくらいは、楽しみかもしれないな」
それからしおんはバイト先のライブバーに向かったのだった。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話
もち
ファンタジー
なんと、なんと、世にも珍しい事に、トラックにはねられて死んでしまった男子高校生『閃(セン)』。気付いたら、びっくり仰天、驚くべき事に、異世界なるものへと転生していて、
だから、冒険者になって、ゴブリンを倒して、オーガを倒して、ドラゴンを倒して、なんやかんやでレベル300くらいの時、寿命を迎えて死んだ。
で、目を覚ましたら、記憶と能力を継いだまま、魔物に転生していた。サクっと魔王になって世界を統治して、なんやかんやしていたら、レベル700くらいの時、寿命を迎えて死んだ。
で、目を覚ましたら……というのを100回くりかえした主人公の話。
「もういい! 異世界転生、もう飽きた! 何なんだよ、この、死んでも死んでも転生し続ける、精神的にも肉体的にもハンパなくキツい拷問! えっぐい地獄なんですけど!」
これは、なんやかんやでレベル(存在値)が十兆を超えて、神よりも遥かに強くなった摩訶不思議アドベンチャーな主人公が、
「もういい! もう終わりたい! 終わってくれ! 俺、すでにカンストしてんだよ! 俺、本気出したら、最強神より強いんだぞ! これ以上、やる事ねぇんだよ! もう、マジで、飽きてんの! だから、終わってくれ!」
などと喚きながら、その百回目に転生した、
『それまでの99回とは、ちょいと様子が違う異世界』で、
『神様として、日本人を召喚してチートを与えて』みたり、
『さらに輪をかけて強くなって』しまったり――などと、色々、楽しそうな事をはじめる物語です。
『世界が進化(アップデート)しました』
「え? できる事が増えるの? まさかの上限解放? ちょっと、それなら話が違うんですけど」
――みたいな事もあるお話です。
しょうせつかになろうで、毎日2話のペースで投稿をしています。
2019年1月時点で、120日以上、毎日2話投稿していますw
投稿ペースだけなら、自信があります!
ちなみに、全1000話以上をめざしています!
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる