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第5章 新しい出会い
第40話 ライブの後の夏休み
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しおんと真一の音楽ライブから数日後。なぜか2人の歌がSNSで騒がれていた。
「おいおい、なんでこんなことになってんだ……?」
そう言って首をかしげるしおん。
「あー、それはたぶん私がアップした動画がきっかけかもしれないですね☆」
「はあ? お前、何かってなことをやってんだよ!」
しおんは声を荒げながら、凛子にそう告げる。
「別にいいじゃないですかあ。というかなんで私が怒られるわけ? むしろ感謝すべきところだと思いますけどぉ? こうやって名前を売っていけば、世界の切符も手に入るかもしれないでしょ!!」
「そうじゃねぇんだよ! 余計なことをしやがって!! なんでお前はいつもそうなんだよ! そう言うところが気に入らねぇ!!」
しおんはいつも以上に機嫌が悪そうだった。
凛子の言う通り、世界を目指すのなら喜ぶべきことではないかと暁は思っていた。
(なんでしおんはあんなに怒っているんだろう。勝手にアップしたことは確かに良くなかったかもしれないけれど、結果的には良い方向に向かっているはずなのに……)
暁は凛子に怒鳴るしおんに疑問を抱いていた。
「あー、もういい!」
そう言って、しおんは食堂を後にした。
そして暁は、傍にいた真一にしおんが怒っている理由を尋ねると、
「知らない」
それだけ伝えて、食堂を出て行ったのだった。
「はあ。何がどうなってんだ……」
暁はため息をつきながら、腰に手を当てて下を向く。
「そもそもこの動画がここまで拡散されたのは、『ASTER』のあやめが原因なんですよぉ。こんな無名な2人の動画をどうして拡散したんでしょうか……」
「そうなのか」
暁はその『ASTER』というバンドには聞き覚えがあった。
確かいろはがよく聞いていた、巷で大人気の学生バンド――。
「もしかして、年代の近いしおんだからこそのライバル意識みたいなものなのか」
そうだとしても、この拡散は大きなチャンスに違いない。しおんに何があったのかは知らないが、あの2人の夢を応援したいと思っている――。
暁はそう思いながら、
「変われるかどうかは、これからが勝負ってところか……」
と呟いた。
2人が選ぶ未来はどんな道になるだろう。それはきっとしおんや真一にしかわからない。でも何があっても俺は2人の夢を応援したいと思っているよ――。
それから暁たちのいつもの日常が始まった。
とあるライブ会場の控室。
5人の少年がライブの開始を待っていた。
「そろそろライブ始まるぞー。ってあやめ、なんだか嬉しそうだな?」
ギターを肩に掛けている高身長の少年が椅子に座ってスマホを眺めていた少年にそう問いかける。
「わかる? 今ね、僕も負けていられないって元気もらったところ!」
そう言ってあやめと呼ばれた少年は微笑んだ。
「そうか……じゃあ今日も楽しもうぜ!! 俺たち、『ASTER』のライブをさ!」
「うん、そうだね!」
それから5人はステージに向かっていった。
セミの鳴き声が聞こえる職員室で暁は、机に向かっていた。
「はあ。夏休みが明ける前にこの山積みの仕事を片付けなくちゃな」
そう呟き、机に積まれている書類を見る暁。
そういえば、新年度が始まってもう4か月。今日まであっという間だったなと暁はしみじみとそう思っていた。
新たな出会いがあって、きっとここからまた新しい物語が始まっていくんだ――。
「じゃあ、やるか!!」
そして暁はいつも通りの一日を始めるのだった。
「おいおい、なんでこんなことになってんだ……?」
そう言って首をかしげるしおん。
「あー、それはたぶん私がアップした動画がきっかけかもしれないですね☆」
「はあ? お前、何かってなことをやってんだよ!」
しおんは声を荒げながら、凛子にそう告げる。
「別にいいじゃないですかあ。というかなんで私が怒られるわけ? むしろ感謝すべきところだと思いますけどぉ? こうやって名前を売っていけば、世界の切符も手に入るかもしれないでしょ!!」
「そうじゃねぇんだよ! 余計なことをしやがって!! なんでお前はいつもそうなんだよ! そう言うところが気に入らねぇ!!」
しおんはいつも以上に機嫌が悪そうだった。
凛子の言う通り、世界を目指すのなら喜ぶべきことではないかと暁は思っていた。
(なんでしおんはあんなに怒っているんだろう。勝手にアップしたことは確かに良くなかったかもしれないけれど、結果的には良い方向に向かっているはずなのに……)
暁は凛子に怒鳴るしおんに疑問を抱いていた。
「あー、もういい!」
そう言って、しおんは食堂を後にした。
そして暁は、傍にいた真一にしおんが怒っている理由を尋ねると、
「知らない」
それだけ伝えて、食堂を出て行ったのだった。
「はあ。何がどうなってんだ……」
暁はため息をつきながら、腰に手を当てて下を向く。
「そもそもこの動画がここまで拡散されたのは、『ASTER』のあやめが原因なんですよぉ。こんな無名な2人の動画をどうして拡散したんでしょうか……」
「そうなのか」
暁はその『ASTER』というバンドには聞き覚えがあった。
確かいろはがよく聞いていた、巷で大人気の学生バンド――。
「もしかして、年代の近いしおんだからこそのライバル意識みたいなものなのか」
そうだとしても、この拡散は大きなチャンスに違いない。しおんに何があったのかは知らないが、あの2人の夢を応援したいと思っている――。
暁はそう思いながら、
「変われるかどうかは、これからが勝負ってところか……」
と呟いた。
2人が選ぶ未来はどんな道になるだろう。それはきっとしおんや真一にしかわからない。でも何があっても俺は2人の夢を応援したいと思っているよ――。
それから暁たちのいつもの日常が始まった。
とあるライブ会場の控室。
5人の少年がライブの開始を待っていた。
「そろそろライブ始まるぞー。ってあやめ、なんだか嬉しそうだな?」
ギターを肩に掛けている高身長の少年が椅子に座ってスマホを眺めていた少年にそう問いかける。
「わかる? 今ね、僕も負けていられないって元気もらったところ!」
そう言ってあやめと呼ばれた少年は微笑んだ。
「そうか……じゃあ今日も楽しもうぜ!! 俺たち、『ASTER』のライブをさ!」
「うん、そうだね!」
それから5人はステージに向かっていった。
セミの鳴き声が聞こえる職員室で暁は、机に向かっていた。
「はあ。夏休みが明ける前にこの山積みの仕事を片付けなくちゃな」
そう呟き、机に積まれている書類を見る暁。
そういえば、新年度が始まってもう4か月。今日まであっという間だったなと暁はしみじみとそう思っていた。
新たな出会いがあって、きっとここからまた新しい物語が始まっていくんだ――。
「じゃあ、やるか!!」
そして暁はいつも通りの一日を始めるのだった。
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