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第3章 毒リンゴとお姫様
第21話ー⑩ 眠り姫を起こすのは王子様のキス
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所長室には所長と白銀さんがいた。
「やあ、暁君。キリヤ君も」
「お疲れ様です、所長」
「さて、さっそくだけど。キリヤ君、今回の報告を頼むよ」
所長はなぜかキリヤに報告を求めた。
「待ってください! 報告なら、責任者である俺が!!!」
「ははは! ああ、すまない。そうか、暁君がいるのを忘れていたよ」
所長は笑いながら、そう答えた。
どういう意味なのか、今の俺にはさっぱりわからなかった。
「どういうことなんですか?」
「黙っていてすまなかった。実はキリヤ君には、極秘任務をお願いしていたんだ」
「極秘任務……? でもなんでキリヤに?」
もしかして俺が関わらないようにするためなのか……。
「キリヤ君にはインターンシップとして、研究所の仕事を手伝ってもらっていたんだ」
インターンシップ……? キリヤはそんなの一言も……。
「でもなぜインターンシップで極秘任務なんですか!? そんなの危険すぎる!!」
「まあ君の言う通りだと思う。でもこれを決めたのはキリヤ君自身だ」
そして俺はキリヤを見る。その顔は覚悟を決めた表情をしていた。
「そう、ですか……キリヤが決めたのなら、俺から何か言うことはありません」
「先生、ごめんね」
そしてキリヤは申し訳なさそうな顔で俺を見ていた。
「いや、キリヤが自分で決めたことなんだろう? だったら、謝ることなんてないさ。お前の人生はお前自身が決めることなんだから」
それを聞いたキリヤは笑顔になる。
「さて、気を取り直して……キリヤ君。今回の報告を頼むよ」
「はい」
そしてキリヤは自分が見たことを所長に報告した。
「なるほど。わかった。ありがとう。……じゃあ今度は私からの報告だ。今回のキリヤ君の判断は正しかった。いろは君の中にあった『ポイズン・アップル』の破壊を確認できた。そしていろは君も無事だよ。お手柄だったね」
「よかった……」
それを聞いたキリヤは喜びのあまり、目を潤ませているようだった。
キリヤは俺の知らないところで不安と戦っていたのかもしれない。
誰にも悩みを相談せず、きっと見えない敵と戦っていて……そしてキリヤはその見えない敵に勝ったんだな。
そんなことを思いつつ、俺はキリヤの成長を改めて感じた。
「さて。検査も終わったし、あとはいろは君が目覚めるのを待つのみだ。君たちはどうする?」
「僕は一度、施設に戻ります。優香も心配しているだろうから」
「そうだな。優香君も今回は協力してもらったわけだし、報告の義務はあるな」
「え!? 優香も今回のことに関わっていたんですか!?」
俺のその問いにキリヤが困った顔をしながら答える。
「ま、まあそれは成り行きでね。そのことはまたおいおい話すよ」
「あ、ああ。……わかった」
キリヤの表情からきっと優香と何かあったことを察した。
「それで暁君はどうする?」
「俺は残ります。いろはもまゆおも心配ですから」
「わかった。じゃあキリヤ君。施設に戻るための車を用意するよ。少し待っていてくれ」
そう言って、所長は部屋を出て行った。
「ここはどこなんだろう」
そう言いながらいろはが周りを見渡すと、そこには真っ白な世界が広がっていた。
「誰かいないのかな?」
そう呟きつつ、少し歩いてみるとその先には森があった。
「なんか、この展開見たことがあるような……」
そう思いつつ、歩みを進めるいろは。
そして森の奥まで進むと、そこにはかわいらしいお家があった。
「これって、もしかして!?」
その家に見とれているとどこからともなく、陽気な歌が聞こえた。
「~♪」
「この歌は……」
いろはがその歌声の主を探すと、そこには小さい妖精たちがいた。
「わあ!! 小人だ!!」
いろははそこにいた小人の姿に興奮して、小人たちの前に姿を現す。
小人たちは驚いていたが、いろはが悪い人間じゃないと気が付くと家の中に招いた。
「これが憧れた白雪姫の世界! アタシ、白雪姫になれたんだ!!」
そしていろはは楽しい日々を過ごしていた。
それから数日後。小人たちは森に木を切りに出かけていき、いろはは家でお留守番をすることになった。
「今日はどんな楽しいことが起こるんだろう」
いろはは心を躍らせながら、一人で小人たちの帰りを待っていた。
「……あれ、アタシ。何か大切なことを忘れているような」
不意にそんなことを思ういろは。
すると、トントンと扉をたたく音がした。
「みんな、もう帰ってきたのかな?」
そしていろはは扉を開ける。そこにはローブをかぶったおばあさんの姿があった。
「こんにちは。わしは通りすがりの老婆だよ。よかったら、このリンゴを食べないかい? 一人じゃ食べきれなくてねぇ」
あれ、もしかしてこの展開って……。
ここは白雪姫の世界。アタシがここでリンゴを食べなければ、ここでずっと楽しく暮らしていける。
「今はいらないかなぁ。さっきご飯食べたばっかりで、お腹がいっぱいなんだよね!」
「そうか……」
しょんぼりとする老婆。
「ごめんね、お婆さん」
「いいや。いいんじゃよ。お主がこっちの世界にいてくれたら、みんな幸せじゃ」
そう言ってからリンゴを袖にしまい、お婆さんはいろはに微笑む。
「あり、がと……」
しかしいろはは素直に喜べなかった。
心のどこかで何かが引っ掛かっていると思ったから。
「じゃあ、わしはこれで」
立ち去ろうとする老婆。
「ま、待って!」
いろはは老婆を呼び止める。
「なんじゃ?」
「えっと、あの……やっぱりリンゴ、もらおうかなあ」
「お主は本当にその選択でいいんじゃな?」
「え……?」
「これを食べれば、元の世界に戻れるじゃろう。だが、お主は現実と向き合うことになるぞ」
「現実……?」
「そうじゃ。両親がお主に何をしたのか、それを知ることになる」
その言葉に俯くいろは。
「その覚悟がないのなら、やめておいた方がいい。ここなら、お主は傷つかずに生きていけるのじゃ」
「……でも、でもそれじゃ、大事な人にはもう会えないってことだよね」
いろはは俯いたまま老婆にそう告げる。
「そうじゃな」
「それは……嫌だ! 私はもう一度、まゆおに会いたい!」
「ふふふ……そっか。あんたは決めたんだね」
その聞き覚えのある声にいろはは顔を上げる。
「え、アタシ!?」
それを見たいろはは驚いて、声を上げた。
目の前にいた老婆は、いろはの姿になっていた。
「ほら。大事な人が待っているんでしょ? じゃあ、早く戻らなきゃ」
そう言ってリンゴを差し出すもう一人のいろは。
そしていろははそのリンゴをかじり、眠りについた。
まゆおは眠るいろはを静かに見守っていた。
「ちゃんと帰ってくるよね。僕、待ってるから。いつまでも……」
『ポイズン・アップル』は毒リンゴ……
毒リンゴを食べて、永遠の眠りについた白雪姫を目覚めさせたのは、
「王子様のキスか……」
もしも僕のキスで、いろはちゃんが目覚めるのなら。
そしてまゆおはいろはの頬にそっと口づけをした。
「……くすぐったいよ」
「いろはちゃん!? いつ目が覚めたの!?」
まゆおは驚いて、いろはから離れた。
「まゆおがキスした時、かな」
「あ、ご、ごめん。僕……勝手に……」
まゆおは顔を赤らめながら、謝っていた。
「あはは。別に嫌じゃないから、いいよ。そんなに謝らないでよ」
そう言いながら、いろはは身体を起こした。
「起きて大丈夫なの?」
「心配しすぎだよ! ちょっと眠っていただけだから、大丈夫」
「ほんとに?」
「うん。というか、アタシはどうしちゃったわけ? それにここどこ!?」
「そうだったね……説明しなくちゃいけなかったよね。うーん。何から話せばいいのか……」
「おーい、まゆお! いろはの調子はどうだ?」
そして部屋に暁がやってきた。
「やあ、暁君。キリヤ君も」
「お疲れ様です、所長」
「さて、さっそくだけど。キリヤ君、今回の報告を頼むよ」
所長はなぜかキリヤに報告を求めた。
「待ってください! 報告なら、責任者である俺が!!!」
「ははは! ああ、すまない。そうか、暁君がいるのを忘れていたよ」
所長は笑いながら、そう答えた。
どういう意味なのか、今の俺にはさっぱりわからなかった。
「どういうことなんですか?」
「黙っていてすまなかった。実はキリヤ君には、極秘任務をお願いしていたんだ」
「極秘任務……? でもなんでキリヤに?」
もしかして俺が関わらないようにするためなのか……。
「キリヤ君にはインターンシップとして、研究所の仕事を手伝ってもらっていたんだ」
インターンシップ……? キリヤはそんなの一言も……。
「でもなぜインターンシップで極秘任務なんですか!? そんなの危険すぎる!!」
「まあ君の言う通りだと思う。でもこれを決めたのはキリヤ君自身だ」
そして俺はキリヤを見る。その顔は覚悟を決めた表情をしていた。
「そう、ですか……キリヤが決めたのなら、俺から何か言うことはありません」
「先生、ごめんね」
そしてキリヤは申し訳なさそうな顔で俺を見ていた。
「いや、キリヤが自分で決めたことなんだろう? だったら、謝ることなんてないさ。お前の人生はお前自身が決めることなんだから」
それを聞いたキリヤは笑顔になる。
「さて、気を取り直して……キリヤ君。今回の報告を頼むよ」
「はい」
そしてキリヤは自分が見たことを所長に報告した。
「なるほど。わかった。ありがとう。……じゃあ今度は私からの報告だ。今回のキリヤ君の判断は正しかった。いろは君の中にあった『ポイズン・アップル』の破壊を確認できた。そしていろは君も無事だよ。お手柄だったね」
「よかった……」
それを聞いたキリヤは喜びのあまり、目を潤ませているようだった。
キリヤは俺の知らないところで不安と戦っていたのかもしれない。
誰にも悩みを相談せず、きっと見えない敵と戦っていて……そしてキリヤはその見えない敵に勝ったんだな。
そんなことを思いつつ、俺はキリヤの成長を改めて感じた。
「さて。検査も終わったし、あとはいろは君が目覚めるのを待つのみだ。君たちはどうする?」
「僕は一度、施設に戻ります。優香も心配しているだろうから」
「そうだな。優香君も今回は協力してもらったわけだし、報告の義務はあるな」
「え!? 優香も今回のことに関わっていたんですか!?」
俺のその問いにキリヤが困った顔をしながら答える。
「ま、まあそれは成り行きでね。そのことはまたおいおい話すよ」
「あ、ああ。……わかった」
キリヤの表情からきっと優香と何かあったことを察した。
「それで暁君はどうする?」
「俺は残ります。いろはもまゆおも心配ですから」
「わかった。じゃあキリヤ君。施設に戻るための車を用意するよ。少し待っていてくれ」
そう言って、所長は部屋を出て行った。
「ここはどこなんだろう」
そう言いながらいろはが周りを見渡すと、そこには真っ白な世界が広がっていた。
「誰かいないのかな?」
そう呟きつつ、少し歩いてみるとその先には森があった。
「なんか、この展開見たことがあるような……」
そう思いつつ、歩みを進めるいろは。
そして森の奥まで進むと、そこにはかわいらしいお家があった。
「これって、もしかして!?」
その家に見とれているとどこからともなく、陽気な歌が聞こえた。
「~♪」
「この歌は……」
いろはがその歌声の主を探すと、そこには小さい妖精たちがいた。
「わあ!! 小人だ!!」
いろははそこにいた小人の姿に興奮して、小人たちの前に姿を現す。
小人たちは驚いていたが、いろはが悪い人間じゃないと気が付くと家の中に招いた。
「これが憧れた白雪姫の世界! アタシ、白雪姫になれたんだ!!」
そしていろはは楽しい日々を過ごしていた。
それから数日後。小人たちは森に木を切りに出かけていき、いろはは家でお留守番をすることになった。
「今日はどんな楽しいことが起こるんだろう」
いろはは心を躍らせながら、一人で小人たちの帰りを待っていた。
「……あれ、アタシ。何か大切なことを忘れているような」
不意にそんなことを思ういろは。
すると、トントンと扉をたたく音がした。
「みんな、もう帰ってきたのかな?」
そしていろはは扉を開ける。そこにはローブをかぶったおばあさんの姿があった。
「こんにちは。わしは通りすがりの老婆だよ。よかったら、このリンゴを食べないかい? 一人じゃ食べきれなくてねぇ」
あれ、もしかしてこの展開って……。
ここは白雪姫の世界。アタシがここでリンゴを食べなければ、ここでずっと楽しく暮らしていける。
「今はいらないかなぁ。さっきご飯食べたばっかりで、お腹がいっぱいなんだよね!」
「そうか……」
しょんぼりとする老婆。
「ごめんね、お婆さん」
「いいや。いいんじゃよ。お主がこっちの世界にいてくれたら、みんな幸せじゃ」
そう言ってからリンゴを袖にしまい、お婆さんはいろはに微笑む。
「あり、がと……」
しかしいろはは素直に喜べなかった。
心のどこかで何かが引っ掛かっていると思ったから。
「じゃあ、わしはこれで」
立ち去ろうとする老婆。
「ま、待って!」
いろはは老婆を呼び止める。
「なんじゃ?」
「えっと、あの……やっぱりリンゴ、もらおうかなあ」
「お主は本当にその選択でいいんじゃな?」
「え……?」
「これを食べれば、元の世界に戻れるじゃろう。だが、お主は現実と向き合うことになるぞ」
「現実……?」
「そうじゃ。両親がお主に何をしたのか、それを知ることになる」
その言葉に俯くいろは。
「その覚悟がないのなら、やめておいた方がいい。ここなら、お主は傷つかずに生きていけるのじゃ」
「……でも、でもそれじゃ、大事な人にはもう会えないってことだよね」
いろはは俯いたまま老婆にそう告げる。
「そうじゃな」
「それは……嫌だ! 私はもう一度、まゆおに会いたい!」
「ふふふ……そっか。あんたは決めたんだね」
その聞き覚えのある声にいろはは顔を上げる。
「え、アタシ!?」
それを見たいろはは驚いて、声を上げた。
目の前にいた老婆は、いろはの姿になっていた。
「ほら。大事な人が待っているんでしょ? じゃあ、早く戻らなきゃ」
そう言ってリンゴを差し出すもう一人のいろは。
そしていろははそのリンゴをかじり、眠りについた。
まゆおは眠るいろはを静かに見守っていた。
「ちゃんと帰ってくるよね。僕、待ってるから。いつまでも……」
『ポイズン・アップル』は毒リンゴ……
毒リンゴを食べて、永遠の眠りについた白雪姫を目覚めさせたのは、
「王子様のキスか……」
もしも僕のキスで、いろはちゃんが目覚めるのなら。
そしてまゆおはいろはの頬にそっと口づけをした。
「……くすぐったいよ」
「いろはちゃん!? いつ目が覚めたの!?」
まゆおは驚いて、いろはから離れた。
「まゆおがキスした時、かな」
「あ、ご、ごめん。僕……勝手に……」
まゆおは顔を赤らめながら、謝っていた。
「あはは。別に嫌じゃないから、いいよ。そんなに謝らないでよ」
そう言いながら、いろはは身体を起こした。
「起きて大丈夫なの?」
「心配しすぎだよ! ちょっと眠っていただけだから、大丈夫」
「ほんとに?」
「うん。というか、アタシはどうしちゃったわけ? それにここどこ!?」
「そうだったね……説明しなくちゃいけなかったよね。うーん。何から話せばいいのか……」
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そして部屋に暁がやってきた。
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