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第1章 始まり
第5話ー⑤ 夢
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アニメ上映会の翌日。俺は今朝も奏多のバイオリンの音で目を覚ます。
しかし遅くまで語り合っていたためか、とても寝覚めが悪い。
奏多も昨日は遅くまで起きていたはずなのに、いつもと変わらず綺麗な音を奏でていた。
「あんなに遅くまで起きていたのに、奏多はさすがだな……」
そして俺は身支度を整え、部屋を出た。
俺は朝食を摂るために食堂へ行くと、結衣や剛たちがいつもより元気がないように見えた。どうやらアニメ視聴組は昨夜の上映会の影響で寝不足気味らしい。
俺が自室に戻った後も、それぞれの自室でアニメ談義は続いていたようだ……。
そんな結衣たちにやれやれと思ったのだが、かくゆう俺も自室の戻った後でも興奮が収まらずに、すぐ寝付くことができず……。
そのおかげで俺も結衣たちと同じく寝不足なのである。
「でも、仕事はちゃんとしなくちゃな……」
俺は自分の頬を両手で叩き、「よし!」っと気合を入れる。
そして朝食後、俺たちはいつものように教室へ向かった。
「ふあああああ」
授業中、いろはが大きなあくびをする。
「いろは、ちゃん。大丈夫?」
そんないろはを心配するまゆお。
「うん、ダイジョブ、ダイジョブ! まゆおも遅くまで付き合ってくれて眠いっしょ? まゆおこそ、大丈夫?」
「ぼ、僕は平気。いろはちゃんと、たくさん話せて、嬉しかったから」
「嬉しいこと言ってくれんじゃん! ありがと、まゆお!」
「おいおい、イチャイチャするなよ。授業中だぞ!」
「え、剛、何? 羨ましいの??」
「ふ、ふざけんな! そんなんじゃねえ!!」
寝不足のせいか、いつもより集中力が低下している生徒たち。
しかし上映会に参加しなかったキリヤと真一はいつものように淡々と学習ノルマを進めていた。
「そろそろ静かにしろよ。キリヤと真一を見ろ。黙々と進めているじゃないか。やることをパパっと終わらせてから、雑談をすること!」
「「はーい」」
いろはたちは俺の言うことを素直に聞き入れ、教室は静かになった。
それから度々同じようなことを繰り返したが、無事に全員が本日分の学習ノルマを終えたのだった。
そして授業後、俺は一人教室に残り、片づけをしていた。
「ふわあああああ。やっぱ眠いな。今夜は早めに寝よう」
やはり年齢にはかなわないもので、大学生時代は少しくらい徹夜をしても、翌日にそんなに影響が出ることはなかったが、今は違うみたいだ。
昨夜の眠気が抜け切れていない俺は、今夜は早寝をしようと決意したのだった。
夕食後、大浴場から出た俺は自室のベッドに向かうべく、足を進めていた。
廊下を歩いていると、またしても見慣れた光景があった。
「……今日は付き合わないぞ、結衣。お前、昨日も一昨日もそんなに寝てないだろう」
「ちぇ。わかりましたー」
なんだかんだで結衣は2日間も夜更かしをしている。これ以上に寝不足が続けば、過度なストレスを貯めてしまうかもしれない。
俺たち能力者にとって、過度なストレスはあまり好ましくないものだ。それは能力の暴走のリスクが上げることになるから。
「あーあ。残念だなあ。せっかくやってみたい場面があったのに……はあ」
しかし少し残念そうな結衣の顔を見ると、俺はつい答えたくなる。
「ま、まあでも少しだけなら、な」
それを聞いた結衣は目をキラキラと輝かせ、いつものようにアニメのワンシーンを演じ始める。
「……はーい、カット!! 先生、お付き合いいただきありがとうございます!」
「いや、なんだかんだで、俺自身も楽しませてもらっているし。ありがとな、結衣」
俺の言葉を聞き、照れる結衣。
「えへへ。そういってもらえてうれしいです!」
「それにしても、そんなに演技がうまいなら、女優とかになれるんじゃないか?」
「……ほんとですか!!」
目を見開いて、俺に詰め寄る結衣。
その勢いに俺は驚いて、思わず一歩引いてしまった。
「あ、ああ」
「ふふふ……前にアニメ関連の仕事に就きたいってお話しましたよね? ……実は私。声優になりたいんですよ!!」
「せいゆう……?」
「声優です! 声の俳優さん! アニメキャラに声を吹き込んでいらっしゃる!!」
「ああああ! なるほど! あ、だから毎日アニメのシーンを……」
「そうなんですよ! いやあ、そういってもらえて、少し自信が付きました! 先生には感謝ですなー」
とても嬉しそうにはしゃぐ結衣。そんな結衣を見て、俺もなんだか嬉しくなってしまう。
「私ってもともとすごく根暗だったんですよ。他の女の子たちと趣味も会わなくて、結構苦労していました。子供っぽいものが好きだったり、ソーセージばっかり食べたり、変な奴って同級生からはたくさん馬鹿にされたんです。そしてそれがきっかけでいじめにあって、人間不信になりかけたこともあったんですよ」
「そう、なのか……」
結衣にそんな過去があるなんて、思いもしなかった。
ここで見る姿は好きなものに一直線で、いつも明るく楽しそうに見えたから。
「それから私はアニメに出会ったのですよ。独りぼっちだって思っていた私だけど、でもとあるアニメを見て、『私は独りぼっちなんかじゃない。これから素敵な仲間たちと出会える』って思えるようになったのですよね」
結衣にとって、アニメは変わるきっかけをくれた存在だったんだな。
それから結衣はそのアニメをきっかけに、今のクラスメイトと運命的な出会い果たし、仲間を信じることの大切さを学んだそうだ。
「私は私がアニメで救われたように、同じような境遇の子たちにもアニメで救われてほしいって思うんです。だから私は声優になって、私の言葉で幸せになってくれる子が一人でも増えたらなって思います!」
結衣は万遍の笑みを浮かべながら、俺にそう言った。
一つのものをきっかけに、人生が大きく変動することってあると思うんだ。それは俺もそうだし、他の生徒たちにも言えること。
そして結衣にとって、それはアニメだった。
何かをきっかけに変われた人間は、また違う誰かのきっかけになると俺は思っている。
だからその何かをきっかけに変わった結衣は、これから関わっていく人たちの何かのきっかけになるに違いない。
俺はそんな結衣の笑顔を見て、結衣はこれからきっと多くの子供たちのきっかけとなり、その子供たちを幸せにできるんだろうなと思えた。
「結衣の思いがたくさんの子供たちに届くって俺は信じるよ。そしてその素敵な夢を応援したいと思った」
「ありがとうです、先生!」
「よし、じゃあ今夜はもう寝ろよ。ストレスは大敵だからな! 夢を追うなら、早くここから出なきゃいかんだろう?」
「そうですな! それでは今日はこの辺で。おやすみなさい!」
そして結衣は自室へと戻っていった。
「夢、か……」
俺も研究所にいた頃は、結衣と同じように自分と同じ境遇の子供たちを救いたいと思って教師になったんだったな。
能力のこととかいろいろなしがらみはあるけれど、そんなしがらみなんて取っ払って、結衣にはその夢をかなえてほしいと心からそう思った。
「いつか結衣が出演するアニメをここの生徒たちと一緒に鑑賞するのもありかもな」
それがここにいる子供たちの光になるかもしれないから。
俺はまだ見ぬ未来を期待しつつ、自室へ戻るのだった。
しかし遅くまで語り合っていたためか、とても寝覚めが悪い。
奏多も昨日は遅くまで起きていたはずなのに、いつもと変わらず綺麗な音を奏でていた。
「あんなに遅くまで起きていたのに、奏多はさすがだな……」
そして俺は身支度を整え、部屋を出た。
俺は朝食を摂るために食堂へ行くと、結衣や剛たちがいつもより元気がないように見えた。どうやらアニメ視聴組は昨夜の上映会の影響で寝不足気味らしい。
俺が自室に戻った後も、それぞれの自室でアニメ談義は続いていたようだ……。
そんな結衣たちにやれやれと思ったのだが、かくゆう俺も自室の戻った後でも興奮が収まらずに、すぐ寝付くことができず……。
そのおかげで俺も結衣たちと同じく寝不足なのである。
「でも、仕事はちゃんとしなくちゃな……」
俺は自分の頬を両手で叩き、「よし!」っと気合を入れる。
そして朝食後、俺たちはいつものように教室へ向かった。
「ふあああああ」
授業中、いろはが大きなあくびをする。
「いろは、ちゃん。大丈夫?」
そんないろはを心配するまゆお。
「うん、ダイジョブ、ダイジョブ! まゆおも遅くまで付き合ってくれて眠いっしょ? まゆおこそ、大丈夫?」
「ぼ、僕は平気。いろはちゃんと、たくさん話せて、嬉しかったから」
「嬉しいこと言ってくれんじゃん! ありがと、まゆお!」
「おいおい、イチャイチャするなよ。授業中だぞ!」
「え、剛、何? 羨ましいの??」
「ふ、ふざけんな! そんなんじゃねえ!!」
寝不足のせいか、いつもより集中力が低下している生徒たち。
しかし上映会に参加しなかったキリヤと真一はいつものように淡々と学習ノルマを進めていた。
「そろそろ静かにしろよ。キリヤと真一を見ろ。黙々と進めているじゃないか。やることをパパっと終わらせてから、雑談をすること!」
「「はーい」」
いろはたちは俺の言うことを素直に聞き入れ、教室は静かになった。
それから度々同じようなことを繰り返したが、無事に全員が本日分の学習ノルマを終えたのだった。
そして授業後、俺は一人教室に残り、片づけをしていた。
「ふわあああああ。やっぱ眠いな。今夜は早めに寝よう」
やはり年齢にはかなわないもので、大学生時代は少しくらい徹夜をしても、翌日にそんなに影響が出ることはなかったが、今は違うみたいだ。
昨夜の眠気が抜け切れていない俺は、今夜は早寝をしようと決意したのだった。
夕食後、大浴場から出た俺は自室のベッドに向かうべく、足を進めていた。
廊下を歩いていると、またしても見慣れた光景があった。
「……今日は付き合わないぞ、結衣。お前、昨日も一昨日もそんなに寝てないだろう」
「ちぇ。わかりましたー」
なんだかんだで結衣は2日間も夜更かしをしている。これ以上に寝不足が続けば、過度なストレスを貯めてしまうかもしれない。
俺たち能力者にとって、過度なストレスはあまり好ましくないものだ。それは能力の暴走のリスクが上げることになるから。
「あーあ。残念だなあ。せっかくやってみたい場面があったのに……はあ」
しかし少し残念そうな結衣の顔を見ると、俺はつい答えたくなる。
「ま、まあでも少しだけなら、な」
それを聞いた結衣は目をキラキラと輝かせ、いつものようにアニメのワンシーンを演じ始める。
「……はーい、カット!! 先生、お付き合いいただきありがとうございます!」
「いや、なんだかんだで、俺自身も楽しませてもらっているし。ありがとな、結衣」
俺の言葉を聞き、照れる結衣。
「えへへ。そういってもらえてうれしいです!」
「それにしても、そんなに演技がうまいなら、女優とかになれるんじゃないか?」
「……ほんとですか!!」
目を見開いて、俺に詰め寄る結衣。
その勢いに俺は驚いて、思わず一歩引いてしまった。
「あ、ああ」
「ふふふ……前にアニメ関連の仕事に就きたいってお話しましたよね? ……実は私。声優になりたいんですよ!!」
「せいゆう……?」
「声優です! 声の俳優さん! アニメキャラに声を吹き込んでいらっしゃる!!」
「ああああ! なるほど! あ、だから毎日アニメのシーンを……」
「そうなんですよ! いやあ、そういってもらえて、少し自信が付きました! 先生には感謝ですなー」
とても嬉しそうにはしゃぐ結衣。そんな結衣を見て、俺もなんだか嬉しくなってしまう。
「私ってもともとすごく根暗だったんですよ。他の女の子たちと趣味も会わなくて、結構苦労していました。子供っぽいものが好きだったり、ソーセージばっかり食べたり、変な奴って同級生からはたくさん馬鹿にされたんです。そしてそれがきっかけでいじめにあって、人間不信になりかけたこともあったんですよ」
「そう、なのか……」
結衣にそんな過去があるなんて、思いもしなかった。
ここで見る姿は好きなものに一直線で、いつも明るく楽しそうに見えたから。
「それから私はアニメに出会ったのですよ。独りぼっちだって思っていた私だけど、でもとあるアニメを見て、『私は独りぼっちなんかじゃない。これから素敵な仲間たちと出会える』って思えるようになったのですよね」
結衣にとって、アニメは変わるきっかけをくれた存在だったんだな。
それから結衣はそのアニメをきっかけに、今のクラスメイトと運命的な出会い果たし、仲間を信じることの大切さを学んだそうだ。
「私は私がアニメで救われたように、同じような境遇の子たちにもアニメで救われてほしいって思うんです。だから私は声優になって、私の言葉で幸せになってくれる子が一人でも増えたらなって思います!」
結衣は万遍の笑みを浮かべながら、俺にそう言った。
一つのものをきっかけに、人生が大きく変動することってあると思うんだ。それは俺もそうだし、他の生徒たちにも言えること。
そして結衣にとって、それはアニメだった。
何かをきっかけに変われた人間は、また違う誰かのきっかけになると俺は思っている。
だからその何かをきっかけに変わった結衣は、これから関わっていく人たちの何かのきっかけになるに違いない。
俺はそんな結衣の笑顔を見て、結衣はこれからきっと多くの子供たちのきっかけとなり、その子供たちを幸せにできるんだろうなと思えた。
「結衣の思いがたくさんの子供たちに届くって俺は信じるよ。そしてその素敵な夢を応援したいと思った」
「ありがとうです、先生!」
「よし、じゃあ今夜はもう寝ろよ。ストレスは大敵だからな! 夢を追うなら、早くここから出なきゃいかんだろう?」
「そうですな! それでは今日はこの辺で。おやすみなさい!」
そして結衣は自室へと戻っていった。
「夢、か……」
俺も研究所にいた頃は、結衣と同じように自分と同じ境遇の子供たちを救いたいと思って教師になったんだったな。
能力のこととかいろいろなしがらみはあるけれど、そんなしがらみなんて取っ払って、結衣にはその夢をかなえてほしいと心からそう思った。
「いつか結衣が出演するアニメをここの生徒たちと一緒に鑑賞するのもありかもな」
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