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王都の街を巡回します
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「ドルフはズバリ!恋してるわ」
「……朝一で呼び出した内容がそれか?」
朝一番で団長とライを呼び出した。
「まだ半分しか頭が起きていない状態で聞かされたのがそんなこととは……ライモンドなんてまだ目が開いてないじゃないか」
「だって、ドルフが来る前に話さなきゃと思ったのよ。ほら、ライ起きなさい」
「無理です。昨夜は父上とジル兄に散々、ルドルフォ副団長の事を聞かれて大変だったんですよお」
「そんなに眠いの?ならアタシの口づけで起こしてあげる」
そう言うと、パチッとライの目が開いた。
「起きました、起きましたよ。ああ、爽やかな朝だなあ」
「むかつくわね。まあいいわ。話を戻すけど、ドルフは相当アンジーに惚れてるわよ。マジ恋よ、マジ恋」
「アンジーに?あいつそっちもアリなのか?」
「違うわよ。アンジェリーナの方」
「ああ、なるほど。でもなんでわかるんだ?」
「だって本人に聞いたもの。団長を迎えに行った時からだって。王子たちに本を読んでいるアンジーを見て女神がいるって思ったらしいわ」
「女神とはまた……」
団長が呟く。
「これでアホ王子から逃れられるメドが立ったわね。ドルフなら公爵家の跡取りだし、文句なく強いし言う事ないじゃない」
「まあな。でもアイツ女に冷たいぞ」
「まあ、その辺の女には確かに冷たいわよね。あれだけ女に言い寄られても全く相手にしないどころか邪険に扱う時すらあるものね。でもそれって今までは好きになれる人が見つからなかったからじゃない?」
「そうなのか?」
「そうでしょ。団長にはモテる男の苦労ってのがわからないかもしれないけど、あの堅物にとってみれば辛かったんじゃない?言い寄ってくるような女なんて皆肉食獣みたいなものだもの」
「俺はてっきり昔の婚約者が忘れられなくて、他の女に目を向ける事が出来なかったのかと思っていたよ」
「昔の婚約者って、あの金だけはある死にかけのジジイに乗り換えた女?そんなのに未練なんて残す訳ないじゃない。そもそも家同士で決めた婚約者だったって話だし」
「って事は、あとはアンジー次第?」
やっと目を覚ましたライが参加する。
「そうね。あの子も色恋には疎そうだから、サポートしてあげなくちゃ」
「サポートって、あいつは男としてここにいるわけだし、何をすればいいのやら」
「ドルフの方はもういいわ。あとはアンジーがドルフを一人の男性として意識するように仕向けるのよ」
「どうやって?」
「まずは一緒にいる時間を多くすることね」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「王都の巡回?」
「そうだ。普段は第二、第三が担当しているんだが、それ以外の部隊もたまにやるんだ。そうじゃないとダレてくるからな。特に第二は王都を守るために巡回している意識が低い。自分たちを誇示するためにやってる。だから表の目立つ場所しか通らない。危ないのは裏の通りだったり影の部分なのに」
「なるほど。だから他の部隊がフォローするんだね」
「そうそう。王都の人たちもね、ちゃんとわかっててさ。私たちが行くと歓迎してくれるんだよ。嬉しくて余計頑張ってしまうよね」
エミリアーノ副隊長がほんわかした笑顔になった。
「そうなんですね」
こちらも釣られて笑顔になってしまう。
討伐の件以来、どうもルドルフォ副団長が私を避けているように感じていて、悶々としていたので違う事をするのはいいかもしれない。それに堂々と王都を歩くなんて令嬢の時では、滅多にないことなのでワクワクした。
「お、今日はライモンド隊長の部隊なんだね」
「今日はいつもにも増して安心して商売が出来るよ」
「いつもありがとねえ、良かったらリンゴ少し持って行きな」
エミリアーノ副隊長が言っていた通り、街の人たちが第一部隊だと分かるや否やとてもフレンドリーになった。
「本当にすごい歓迎ですね」
「でしょう。こんなに喜んでくれると、こちらも頑張ろうって思うよね」
再びのほんわか笑顔。
これまた釣られて私も笑顔に。
「はい、頑張りましょうね」
「頑張り過ぎて足元掬われんなよ。おまえ、意外なところでドジだからな」
すぐ後ろを歩いているグイドに言われる。
「ドジなんてしないよ」
「そうかあ?討伐にテンション上がり過ぎて貧血になるのに?」
「ムッ、うるさいなあ」
「ははは、そういうグイドは初めての大掛かりな討伐のあと、しばらく肉食べられなくなってたよね」
「なっ、それ、ここで言いますか?」
「なんだあ、グイドも可愛いとこあるじゃないか」
そんな会話をしつつ王都を巡回する。
すると、路地に入る手前にこちらの様子を窺う男が視界に入った。
「あの男、少し変」
「ん、どうした?」
「グイド、あの男、こちらを警戒している」
向こうを見ていることを悟られないように注意しながら知らせる。
「ああ、確かに。ちょっと行ってみるか?」
「いいや、これで行ったところで逃げられるか誤魔化されるかだ。ここは一度通り過ぎたフリをしよう」
エミリアーノ副隊長の言葉に頷く。
ライ兄様に話して一度通り過ぎてから隊を三つに分け、一つはそのまま巡回を続けてもらい一つはここで待機。一つは反対側に回って様子を見る事になった。
先程のところで待機する。少しして伝令役から反対に回ったエミリアーノ副隊長の方で動きがあったと伝えられた。
そっと様子を窺うと、男が相変わらず警戒したようにキョロキョロしている向こうに女性が大きな男に担がれているのが目に入った。
「ライ兄様」
小さな声で呼ぶ。
ライ兄様も女性を確認して
「よし、突入」
警戒している男が邪魔なので、私が行く事になった。
ライ兄様が小石を投げる。すると、ちょうど男が背中を向ける距離に落ちた。案の定、音に気付いた男はこちら側に背を向けた。そのスキに男の背後まで静かに走る。直前で私に気付いた男目掛けて、走ったその勢いで鳩尾に一発。
一部始終を反対側で見ていたグイドが目をキラキラさせていた。
「なに?その隠密仕様。俺もやりたい」
「アホなこと言ってないで一気に行くぞ」
ライ兄様の言葉の通り、一気になだれ込む。
小汚い大きな部屋には、柄の悪い男たちが十数人。部屋の端に縄で拘束された女性が四人、猿轡もされて小さくなっていた。
「全員捕らえろ。一人も逃がすな!」
ライ兄様の言葉で一気に動き出す。数では勝っていた男たちも、実力者揃いの第一部隊相手にはなすすべもなく、あっという間に捕まった。
「一人逃げたぞ」
グイドが言った先を見ると、ここを取り締まっていたらしいハゲた男が消えるのが見えた。
「裏口」
そう気付いたすぐ、悲鳴が聞こえたと思ったらエミリアーノ副隊長が、ニコニコしながらハゲを引きずって来た。
「どうしてこういう悪党っていうのは、必ず一人だけで逃げようとする奴がいるんだろうね」
爽やかな笑顔で言うエミリアーノ副隊長を見て、背中がゾゾっとなった。
「……朝一で呼び出した内容がそれか?」
朝一番で団長とライを呼び出した。
「まだ半分しか頭が起きていない状態で聞かされたのがそんなこととは……ライモンドなんてまだ目が開いてないじゃないか」
「だって、ドルフが来る前に話さなきゃと思ったのよ。ほら、ライ起きなさい」
「無理です。昨夜は父上とジル兄に散々、ルドルフォ副団長の事を聞かれて大変だったんですよお」
「そんなに眠いの?ならアタシの口づけで起こしてあげる」
そう言うと、パチッとライの目が開いた。
「起きました、起きましたよ。ああ、爽やかな朝だなあ」
「むかつくわね。まあいいわ。話を戻すけど、ドルフは相当アンジーに惚れてるわよ。マジ恋よ、マジ恋」
「アンジーに?あいつそっちもアリなのか?」
「違うわよ。アンジェリーナの方」
「ああ、なるほど。でもなんでわかるんだ?」
「だって本人に聞いたもの。団長を迎えに行った時からだって。王子たちに本を読んでいるアンジーを見て女神がいるって思ったらしいわ」
「女神とはまた……」
団長が呟く。
「これでアホ王子から逃れられるメドが立ったわね。ドルフなら公爵家の跡取りだし、文句なく強いし言う事ないじゃない」
「まあな。でもアイツ女に冷たいぞ」
「まあ、その辺の女には確かに冷たいわよね。あれだけ女に言い寄られても全く相手にしないどころか邪険に扱う時すらあるものね。でもそれって今までは好きになれる人が見つからなかったからじゃない?」
「そうなのか?」
「そうでしょ。団長にはモテる男の苦労ってのがわからないかもしれないけど、あの堅物にとってみれば辛かったんじゃない?言い寄ってくるような女なんて皆肉食獣みたいなものだもの」
「俺はてっきり昔の婚約者が忘れられなくて、他の女に目を向ける事が出来なかったのかと思っていたよ」
「昔の婚約者って、あの金だけはある死にかけのジジイに乗り換えた女?そんなのに未練なんて残す訳ないじゃない。そもそも家同士で決めた婚約者だったって話だし」
「って事は、あとはアンジー次第?」
やっと目を覚ましたライが参加する。
「そうね。あの子も色恋には疎そうだから、サポートしてあげなくちゃ」
「サポートって、あいつは男としてここにいるわけだし、何をすればいいのやら」
「ドルフの方はもういいわ。あとはアンジーがドルフを一人の男性として意識するように仕向けるのよ」
「どうやって?」
「まずは一緒にいる時間を多くすることね」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「王都の巡回?」
「そうだ。普段は第二、第三が担当しているんだが、それ以外の部隊もたまにやるんだ。そうじゃないとダレてくるからな。特に第二は王都を守るために巡回している意識が低い。自分たちを誇示するためにやってる。だから表の目立つ場所しか通らない。危ないのは裏の通りだったり影の部分なのに」
「なるほど。だから他の部隊がフォローするんだね」
「そうそう。王都の人たちもね、ちゃんとわかっててさ。私たちが行くと歓迎してくれるんだよ。嬉しくて余計頑張ってしまうよね」
エミリアーノ副隊長がほんわかした笑顔になった。
「そうなんですね」
こちらも釣られて笑顔になってしまう。
討伐の件以来、どうもルドルフォ副団長が私を避けているように感じていて、悶々としていたので違う事をするのはいいかもしれない。それに堂々と王都を歩くなんて令嬢の時では、滅多にないことなのでワクワクした。
「お、今日はライモンド隊長の部隊なんだね」
「今日はいつもにも増して安心して商売が出来るよ」
「いつもありがとねえ、良かったらリンゴ少し持って行きな」
エミリアーノ副隊長が言っていた通り、街の人たちが第一部隊だと分かるや否やとてもフレンドリーになった。
「本当にすごい歓迎ですね」
「でしょう。こんなに喜んでくれると、こちらも頑張ろうって思うよね」
再びのほんわか笑顔。
これまた釣られて私も笑顔に。
「はい、頑張りましょうね」
「頑張り過ぎて足元掬われんなよ。おまえ、意外なところでドジだからな」
すぐ後ろを歩いているグイドに言われる。
「ドジなんてしないよ」
「そうかあ?討伐にテンション上がり過ぎて貧血になるのに?」
「ムッ、うるさいなあ」
「ははは、そういうグイドは初めての大掛かりな討伐のあと、しばらく肉食べられなくなってたよね」
「なっ、それ、ここで言いますか?」
「なんだあ、グイドも可愛いとこあるじゃないか」
そんな会話をしつつ王都を巡回する。
すると、路地に入る手前にこちらの様子を窺う男が視界に入った。
「あの男、少し変」
「ん、どうした?」
「グイド、あの男、こちらを警戒している」
向こうを見ていることを悟られないように注意しながら知らせる。
「ああ、確かに。ちょっと行ってみるか?」
「いいや、これで行ったところで逃げられるか誤魔化されるかだ。ここは一度通り過ぎたフリをしよう」
エミリアーノ副隊長の言葉に頷く。
ライ兄様に話して一度通り過ぎてから隊を三つに分け、一つはそのまま巡回を続けてもらい一つはここで待機。一つは反対側に回って様子を見る事になった。
先程のところで待機する。少しして伝令役から反対に回ったエミリアーノ副隊長の方で動きがあったと伝えられた。
そっと様子を窺うと、男が相変わらず警戒したようにキョロキョロしている向こうに女性が大きな男に担がれているのが目に入った。
「ライ兄様」
小さな声で呼ぶ。
ライ兄様も女性を確認して
「よし、突入」
警戒している男が邪魔なので、私が行く事になった。
ライ兄様が小石を投げる。すると、ちょうど男が背中を向ける距離に落ちた。案の定、音に気付いた男はこちら側に背を向けた。そのスキに男の背後まで静かに走る。直前で私に気付いた男目掛けて、走ったその勢いで鳩尾に一発。
一部始終を反対側で見ていたグイドが目をキラキラさせていた。
「なに?その隠密仕様。俺もやりたい」
「アホなこと言ってないで一気に行くぞ」
ライ兄様の言葉の通り、一気になだれ込む。
小汚い大きな部屋には、柄の悪い男たちが十数人。部屋の端に縄で拘束された女性が四人、猿轡もされて小さくなっていた。
「全員捕らえろ。一人も逃がすな!」
ライ兄様の言葉で一気に動き出す。数では勝っていた男たちも、実力者揃いの第一部隊相手にはなすすべもなく、あっという間に捕まった。
「一人逃げたぞ」
グイドが言った先を見ると、ここを取り締まっていたらしいハゲた男が消えるのが見えた。
「裏口」
そう気付いたすぐ、悲鳴が聞こえたと思ったらエミリアーノ副隊長が、ニコニコしながらハゲを引きずって来た。
「どうしてこういう悪党っていうのは、必ず一人だけで逃げようとする奴がいるんだろうね」
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