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夜会2
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「あの方が王子殿下の番ですのね」
「元平民とは思えないほど美しいですわ」
「………」
あからさまに面白くなさそうな人がいる。番だとしても、もしイディオスに婚約者がいたら断ってたけどいなかったし、言い寄られても誰にもなびくことはなかったとのこと。
「イディオスの番が見つかった!」
王様が言った。
「第2王子には公爵位及び王領の1つを与えることとする!!」
わあああっと盛り上りをみせる集団にお手ふりをする。顔より下の位置で軽く、上品に。
そのあとは上位貴族から順番に挨拶をうける。公爵は4、侯爵家は10、伯爵家は19、子爵家は38、男爵は50家もある。1家に数人いるし少し雑談するわけだから長いこと長いこと。
「アイゼンバーグ公爵家のフロードでございます」
「ミリナリアでございます」
「アリシアと申します」
「第2王子殿下におきましては番が見つかったとのことで誠に喜ばしく思います」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「おお、公爵!久し振りだな」
「息子への爵位継承準備で忙しくしておりましたから。本当は今日連れてきたかったのですが領地でお留守番です」
「公爵はまだまだ元気ではないか」
「ほほほほ、未だに現役の騎士に混ざって訓練しておりますものね?」
「ミリナリア」
「はは、夫婦仲良くて何より」
王様らがそう話している横で令嬢と話す。
「わたくしは彫金が趣味ですの」
「アイゼンバーグ公爵家の領地には鉱山がありますからね。是非拝見したいです」
「勿論後日招待させていただきますわ」
「楽しみです」
この夜会が貴族への御披露目で明日以降茶会などを開いたり、招待されたりして社交をしていくことになる。
「リア、大丈夫?」
「多分。それより変なところは無かった?」
「すごく堂々としてたよ。勉強の成果が出てる」
「よかったあ」
雑談すると覚えたことが抜け落ちそうになる。今、右から左に流れ出ていくところを無理矢理押さえつけている。いざとなったらサポートしてくれるだろうけど。
「セルバンテス家のダウンゼントと申します」
「レベッカですわ」
「………」
イディオスの雰囲気が若干変わった。よほど鋭くなければ気づかないレベルではあるけれども公爵、侯爵と挨拶されるなかで一切そんなことはなかったのに。
「趣味で占いをしているのですけれども、その中に手相占いがありますの。よろしければ占わせていただけませんか?」
「……ええ、どうぞ」
何かあるとしてもきっと守ってくれるだろうし、何もせずにやられることはない。手のひらを上にして前に出した。
「元平民とは思えないほど美しいですわ」
「………」
あからさまに面白くなさそうな人がいる。番だとしても、もしイディオスに婚約者がいたら断ってたけどいなかったし、言い寄られても誰にもなびくことはなかったとのこと。
「イディオスの番が見つかった!」
王様が言った。
「第2王子には公爵位及び王領の1つを与えることとする!!」
わあああっと盛り上りをみせる集団にお手ふりをする。顔より下の位置で軽く、上品に。
そのあとは上位貴族から順番に挨拶をうける。公爵は4、侯爵家は10、伯爵家は19、子爵家は38、男爵は50家もある。1家に数人いるし少し雑談するわけだから長いこと長いこと。
「アイゼンバーグ公爵家のフロードでございます」
「ミリナリアでございます」
「アリシアと申します」
「第2王子殿下におきましては番が見つかったとのことで誠に喜ばしく思います」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「おお、公爵!久し振りだな」
「息子への爵位継承準備で忙しくしておりましたから。本当は今日連れてきたかったのですが領地でお留守番です」
「公爵はまだまだ元気ではないか」
「ほほほほ、未だに現役の騎士に混ざって訓練しておりますものね?」
「ミリナリア」
「はは、夫婦仲良くて何より」
王様らがそう話している横で令嬢と話す。
「わたくしは彫金が趣味ですの」
「アイゼンバーグ公爵家の領地には鉱山がありますからね。是非拝見したいです」
「勿論後日招待させていただきますわ」
「楽しみです」
この夜会が貴族への御披露目で明日以降茶会などを開いたり、招待されたりして社交をしていくことになる。
「リア、大丈夫?」
「多分。それより変なところは無かった?」
「すごく堂々としてたよ。勉強の成果が出てる」
「よかったあ」
雑談すると覚えたことが抜け落ちそうになる。今、右から左に流れ出ていくところを無理矢理押さえつけている。いざとなったらサポートしてくれるだろうけど。
「セルバンテス家のダウンゼントと申します」
「レベッカですわ」
「………」
イディオスの雰囲気が若干変わった。よほど鋭くなければ気づかないレベルではあるけれども公爵、侯爵と挨拶されるなかで一切そんなことはなかったのに。
「趣味で占いをしているのですけれども、その中に手相占いがありますの。よろしければ占わせていただけませんか?」
「……ええ、どうぞ」
何かあるとしてもきっと守ってくれるだろうし、何もせずにやられることはない。手のひらを上にして前に出した。
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